年末年始

シンガポールでの年末年始は実に味気ないものです。だいたい日本のように正月休みが1週間もあるなんてことはなく、大晦日の12月31日まで普通に出勤、1月は元日の1日のみ休日で翌2日からまた普通に出勤です。よって休みは1日しかなく、これもごく普通の休日となります。まあだいたい海外は皆そうみたいですが、それにしてもシンガポールの場合は正月気分や雰囲気はまったくありません。

それも理由ははっきりしていて、中国系が圧倒的多数を占めるシンガポールでは、正月とは2月の旧正月のことなのですよって旧正月は2週間以上前から正月気分が盛り上がりますが、1月1日はごく普通の休日にすぎないのです。だから街中でも正月らしい雰囲気はほとんど見ることが出来ません。

昨年の年末年始 (2001~2002年) はまだ単身赴任であったので1人で過ごしました。会社では日本に帰国する人もいますが、私の場合はクリスマス休暇で1週間帰国していたので正月はシンガポールにいたのです。正月気分など全くないですから、大晦日は1人でビールを飲みながら紅白歌合戦を見ていましたし、年越しソバは情けないことにカップラーメンでした。また元日は1人でシムリムスクエアをぶらつきパソコン部品などを見て歩いていました。

◆大晦日◆

それで今回の年末年始 (2002~2003年) ですが、今回は家族が一緒なのでどう過ごそうかと考えましたが、少しは日本のお正月らしくしようということにしました。

まず大晦日の12月31日は会社が終わった後、家族でオーチャードの伊勢丹におせち料理を買いに行きました。と言うのは昨年はカップラーメンであったので、今年こそはお正月らしい食べ物を、ということで私が希望したものです。しかし行ってみると確かにおせち料理を売っていた形跡はありましたが、残念ながら既にほとんど売り切れ!
仕方ないので栗きんとんといくらのみ買って帰りました。

あとで聞きましたが、やはりおせち料理は人気があるので、事前の予約が必要なようです。また、デパートで買うのはあまりおいしくないので、出来れば「三太郎」や「野川」などの高級日本料理店に事前に予約しておけば、かなりおいしい料理が食べられるとのことでした。来年はこの失敗をいかしてそうしようと思います。

買い物の後は家族全員でそのままゴルフの練習場へ向かいます。と言うのは私の影響を受けて長男(小学3年生)のみならず長女(中学1年生)まで最近ゴルフの練習を始めたからです。長男にはクリスマス・プレゼントとして従来のピッチング・ウエッジに加えドライバーと5番アイアンも買ってあげたので張り切って練習しているのです。行ったのは家の近くのクイーンズタウン・ドライビングレンジです。流石に大晦日なので人は少なくのんびり練習することが出来ました。

家に帰ってNHKの紅白歌合戦を見ながらソバを食べます。
(2024年3月5日追記)
当時のシンガポールではケーブルテレビでNHKだけは見ることが出来ました。

今年はカップではなく奥さんの手作りのソバなので幸せ気分一杯で食べました。続いて「行く年来る年」になり除夜の鐘を聞いていたら、夜の11時に「新年明けましておめでとうございます」とアナウンサーが言います。日本とシンガポールは時差が1時間あるのでこうなってしまうのです。今夜はそのまま寝てしまいました。

 

◆元日◆

さて翌日は元日です。起きてみると奥さんがお餅お雑煮を作ってくれていました。昨年はやはりカップラーメンと大丸のお弁当でしたので最高に幸せです。しばらくテレビの正月番組を見ていましたがつまらないので、また家族でゴルフの練習に出かけました。街中を車で走ってみましたが、正月の雰囲気は全くありません。本当に味気ないものです。

今日行ったのは私が会社の帰りによく行くマリーナサウス・ドライビングレンジです。やはり正月なので人は少なかった感じです。初打ちということでしみじみ打ちました。調子はまあまあです。
ふと見ると隣で長男がドライバーを振り回していましたが、そのフォームの良さにびっくりです。私は何も教えていませんが、やはり子供は覚えるのが速い。どうもゴルフ雑誌のプロの写真を見ながら自分なりに研究したようです。子供ながらにドライバーでまっすぐ140メートルは飛んでいました。練習を始めてわずか2ヶ月、これではすぐに追い越されそうです。
(2024年3月5日追記)
本当にすぐに追い越されました。詳細は「どたばたゴルフ(シンガ編)」の「家族でゴルフ」を参照下さい。

 

 

 

 

 

 

さて正月気分の全くないシンガポールですが、今年になって少しはそれらしいのがあることに気付きました。

1つ目は、大晦日12月31日の会社終了時、帰宅の前に多くのシンガポーリアンが「Have A Nice Happy New Year」と言って握手を求めてきたことです。こちらでは新年にそういう挨拶はしませんが大晦日にするようです。
2つ目は、元日に高速道路を走っていたらいくつかの大きな電光掲示板に綺麗な木の絵が表示され、その横にはやはり「Happy New Year」と表示されていました。シンガポール政府もなかなかやるな、と思った次第です。
3つ目は、タクシーの屋根にある電光表示機です。ここは空車の場合「TAXI」と緑色に表示され実車の時は「HIRED」と赤く表示されるので空車かどうか分かるようになっているのですが、元日に見たら何やら文字が横に流れて表示されています。よく見たら
「Happy New Year」という文字が流れて表示されているではないか! そのタクシー会社のさりげない気配りに感心した次第です。

こうしてあっけなくわずか1日の正月は終わってしまいました。翌日の1月2日からは普通に会社へ出勤です。
今回は家族が一緒にいたので少しは正月らしいことも出来ましたが、やはり日本の帰省ラッシュとか正月の雰囲気が懐かしく感じられました。

(2003年1月5日)