2005年3月23日に、私 streamは、3年9ヶ月のシンガポール駐在を終え帰国してきました。約4年近いシンガポール駐在、日本を長らく離れていたこともあり、帰国後はずいぶん変わった印象を強く受けました。改めて日本の良さを再認識したのも事実です。
ここでは、そうした新鮮な目で見た日本の印象を記してみたいと思います。
- 日本語で生活できるのはありがたい
- あたりまえのことですが、生活していて周囲が全て日本語です。これは日本人にとっては非常に嬉しいことで、生活でまったく気を使わずにすみます。
シンガポールでは基本的に周囲は英語であり、時々中国語も出てくる環境だったので、レストランやデパートでの会話も英語、タクシーに乗っても会話は英語、ゴルフに行ってもキャディーとの会話も英語、当然会社でもシンガポーリアンとの会話はすべて英語。これはやはり非常に気を使うものでした。日本人通しでの日本語の会話の時は、ほっとしたものでした。
日本に帰ってきたら、成田空港も日本語、電車のホームのアナウンスもテレビも周りの人々の会話も日本語。これは実に楽チンで「あ~、日本に帰ってきたんだなあ。」としみじみ感じたものです。
しかし一方、日常で英語を使わなくなったため、せっかく少しは上達した英語力は落ちる一方。たまにテレビで英語の会話を聞いても、聞き取れないことが多くなり、少しは勉強してせめてシンガポール時代の英語力くらいは維持しておこうと考えています。
(2024年3月14日追記)
たまにですが、都内のビルのエレベータの中などでシングリッシュで話す人を見かけます。あーこれはどう見てもシンガポーリアンだなあと思うと懐かしくなり話しかけたくなってしまいます。 - 空気がおいしい
- 帰ったのが気候の良い時期である3月ということもあり、空気がとても澄んでいておいしく感じました。
帰国し成田空港に降り立った時の感想は「寒い!」ということ。でもすぐに暖かな春が近づくにつれ、次第にいい気候になり、そうなると改めて空気が澄んでいておいしいなあ、と感じるようになってきました。
シンガポールの空気は、何となくほんの少しよどんだ感じで澄んだ感じはほとんどありませんでした。南国特有の湿度の高さに加え、お隣インドネシアからのヘイズ(焼畑農業による煙が流れ込んでくること)の影響も多分にあったのでしょう。それに比べたら日本の空気は実に澄んでいて爽やか、本当に気持ちよく吸えました。この感じは今でも強く持っています。 - なんか ごみごみしている
- 逆に、日本の街並みは何となく ごみごみしている印象を受けます。これは郊外、都心部関係なく一律にそういう感じです。
シンガポールの街並みは整然としていて実に綺麗。街中も罰則が厳しいため、ゴミなどはほとんど落ちていないし、汚い看板なども規制されているので、ビルの並びや郊外の住宅地も整然と綺麗に作られていました。そういう意識的な国作りをしたシンガポールと比べるのがもともと無理があるのかもしれません。 - コンビニ、本屋が実に多く便利
- とにかく街中に限らず郊外に行っても、あちこちにコンビニがあります。しかも食料品、ジュース、本、お弁当など何でも売っているので本当に便利です。いろいろたくさん買い込んでもせいぜい1500円と非常に安いのも魅力。
本屋さんもちょっとしたデパートや郊外型スーパーに行けば必ずあり、多くの日本語の本が並んでいて、立ち読みしているだけで楽しいです。いずれも、ちょっとした買い物でつくづく日本は便利だなあ、と強く感じます。
- 周りは日本人だらけという安心感
- やはり島国の日本は周囲は日本人だらけです。私は国際都市の成田に住んでいますが、それでも外国人を見る頻度は少ないです。中国系、マレー系、インド系などが入り混じったシンガポールとはぜんぜん雰囲気が違い、何となく安心感があります。
(2024年3月14日追記)
ここ数年、外国人が急激に増えてきた感じがします。成田ですとアジア系の方で成田で暮らしている人が相当増えています。また、成田駅前などの繁華街や成田山のような観光スポットではアジア系に加え西洋人の方を以前よりはるかに多く見かけるようになりました。 - 交通機関は便利だが料金は高い
- 航空、鉄道、バスなどが網の目のように走っており車がなくても非常に便利。ほとんどどこに行くにも不便は感じません。
しかし料金は非常に高く、感覚的にはシンガポールの5倍は払っている感じを受けます。たとえばJRで成田~東京は1110円かかりますが、シンガポールだったらこの距離はせいぜい250円でしょう。
特にタクシーは高く感じ、帰国後はほとんど使っていません。街中で300円も払えばたいていの所まで行けるシンガポールのタクシーに慣れた身には、異常に高いと感じます。 - 国土が広い
- 国内どこでも車で1時間以内に行ってしまうシンガポールに比べたら、小国と言われながらも日本は大きな国土を持っています。
千葉より実家の仙台まで帰ると350kmも走りますが、これはシンガポールからお隣のマレーシアの首都クアラルンプールまで行く距離に相当します。でも一方、国土が広いため観光地がたくさんあるなあ、という印象です。海あり山あり高原あり、でいつでもあちこち楽しめるので今後のドライブが楽しみです。 - 地震が多い
- シンガポールではほとんど経験しなかった地震、やはり日本は多いですね。
既に帰国後5ヶ月で数度震度4クラスの地震を経験しました。とても怖く感じました。 - ベンツが少ない
- 金持ちの多いシンガポールではベンツなど当たり前のようにごろごろ走っていましたが、さすがに日本では見る機会が少ないです。
その代わり最新型の日本車のバリエーションはシンガポールより圧倒的に上。
車の価格も安く、簡単に車が買える日本人は幸せだなあ、と感じます。 - 女性が綺麗
- これはもう、一番(笑)。日本人の女性はとても綺麗です。顔も可愛いし肌も綺麗。
シンガポール女性はスタイルは抜群でしたが、あまり美人の方は少なかったので、余計そう感じるのかもしれません。 - オフィスが狭い
- シンガポールのオフィスは1人1人パーテーションで区切られた広い空間を与えられるのが一般的でしたが、日本はやはり机を並べて配置しているので、とても狭く感じます。パソコンの画面など誰にでものぞかれるのでプライバシーも秘密もあったものじゃありません。これは何とかしてもらいたいところです。
(2024年3月14日追記)
最近になりようやく色々な企業全体でオフィスを見直す動きが出てきました。私の会社では数年前よりフリーアドレス化はもちろん、会議エリア、集中個人ブース、WEBミーティング専用エリアなど、オフィス改革が進んでおり非常に快適になりました。 - 通勤が大変
- シンガポールでの通勤は車で片道25分。これでかなり遠い方。しかし日本で成田から東京まで通うと、電車の待ち時間など含めて片道1時間以上もかかってしまいます。私はたまたま成田始発で座れるからいいものの、途中駅の方は1時間以上も立ったままなので可哀想になります。
- 物騒な事件が多い
- むしゃくしゃしたから人を殺した、電車がスピート超過で脱線して100人以上も死亡した、などの物騒な事件が多いですね。日本は以前は世界一安全な国と言われていましたが、今ではシンガポールの方がよほど安全で安心出来ます。
(2005年8月28日)