手の使い方

さてさて、ゴルフスイングというものには正解はないのだろうか。
私は2002年にゴルフを初めて以来、常に最良のスイングを求めてきた。
シンガポール駐在中(2001~2005年)は幸い、的確にご指導いただける日本人プロのSプロに適宜指導を受けていたので、一度100切りの偉業を達成して以降は、結構ポロポロと90台が出るようになってきていた。
※参考記事:「Sプロ レッスン 〈お勧め〉」

Sプロにレッスンを受けたAsian Golf Academy

問題は2005年に帰国してからである。
私はSプロを永遠の師匠と決めていたので、特に日本でのレッスンを受けたことはこれまでもない。そのため昔Sプロに教わった内容や、今ではYouTubeなどで得る情報を元に、自らスイングを最良に向けて改造することを続けてきていた。

そうすると自己流故に悲しいことに、今日出来たことが明日は出来ないということがよく発生する。
そのため「これだ!」と思い開眼したと喜んだことが、明日にはもう出来ずに結局元のスイングに戻すということの繰り返しとなってしまうのだ。
その中の代表例として手の使い方については長年試行錯誤を繰り返しているので、それについて記述しようと思う。


まず前提条件として、よくゴルフ雑誌に書かれている「下半身起動・腕の完全脱力」は我々アマチュアには非常に敷居が高いことが分かってきた。それ以外でも、ゴルフ雑誌に書かれていることは理屈はわかるがなかなか簡単に出来ないそれで、どうせアマチュアなのだから、との割り切りで、最も効果の出る「手打ち」を極めようと、もう20年近くも試みてきていたのである。


私は元々体型が細い割には腕の力がある方だったので、シンガポールでゴルフを始めた時から右手で叩く打ち方をしてきた。
この打ち方の場合、力のある右手を使うので、うまく当たれば非常によく飛ぶのであるが、力んで右肩が被ってのアウトサイドインやダフリの大きな原因ともなる欠点を持っている。
そのためシンガポール時代はSプロに定期的に見て頂き、欠点を修正し、何とかそこそこ当たるようになってきたのである
しかし2005年の帰国後は自己流での練習のため、次第に右手を使う欠点が誇張されてきてしまい、ついには100切りさえも思うようにならなくなってしまってきていた。

帰国後通っている成田市近郊の昭和ゴルフ練習場

そこで考えたのであるが、とにかく右手を使うと悪さをすることが多いことが経験的に分かってきた。
そのため右手に頼らないスイングを追求してきたのである。

そうなると方法は2つあり、①左手主体で打つ方法 と ②右手のみに頼らず両手で打つ方法 の2通りである。
そこで、このどちらが良いのか、実は帰国後の2005年より現在2024年まで実に20年近くも試行錯誤してきているのである!


当初は右手を殺して左手一本で打つイメージのスイングを作ってきた。右手は添えるだけにし、左手一本でテークバックし左手でダウンスイングして思い切りボールをぶっ叩く打ち方である。
慣れるまでは厳しいものがあるが、実はこれでもむしろ飛距離が伸びるものである。しかもシンガポールにまだいらっしゃったSプロにメールで問い合わせたら、その打ち方も悪くはない、とのことで、しばらくの間はこの打ち方を実践してきた。

この打ち方がピークに達したのは忘れもしない2011年5月のことである。
左手一本打ち打法で練習場でアイアンがよく当たるようになってきたので、期待を込めて千葉県北部のグレンオークスCCへ行ったのである。

この時は2011年3月に東日本大震災があったためゴルフは自粛ムードにあった。そのためせっせと練習場に通い、左手一本打ちの練習にいそしんだのである。そこでGW明けの5月にゴルフ自粛が解禁になったので、久し振りのゴルフに行ったものである。

そうしたら何と! アイアンが実によく当たるのである!
もともとダフリが多かった私にとっては不思議なくらい、パーーン… と芯を食って飛び、グリーンオンするかエッジまで正確に飛んでくれるのである!
これでは悪くてもボギー、2パットで上げればパーといい結果になり、ついに夢にまで見た80台のスコアを叩き出したのである!
※参考記事:「夢の80台達成!」

これだ! と思い、その後もしばらく左手打ちを続けていた。しかし悲しいことに体調の状況により当たりが良くなったり悪くなったりでなかなか安定しない。でもこの打ち方をつい最近、2024年の春まで基本的に続けていたのである。


しかし年令も65才になった今、左手一本打ちでは無理が出てくることが分かった。
要するに左手一本で思い切り振り回すので、ラウンド途中から疲れてくるのである
大体、前半ハーフはまあまあの当たりを維持できるが、後半#12から#13あたりより疲れてきて、振り遅れたりチョロしたりというミスが目立ってきたのである。しかも力が入りにくいので飛距離も落ちてきた。

練習場で色々と試行錯誤してみたが、左手一本打ちでは確かに次第に疲れてくるが、体の捻転力を使い両手を揃えてバシッ!と打つようにすると疲れることが少なく結構いい玉が出ることが分かった。

そこで、2024年3月神奈川カントリーでコンペをやった時に実験してみたのである。

神奈川CC

前半ハーフは左手一本打ちでやってみたが、途中から擦り玉などが出やすくなりハーフスコアは50と不満足であった。
そこで後半ハーフでは両手打ちをしてみたら、これがまた面白いように当たり、しかも疲れないのである! しかもドライバーだけでなく、アイアンもビシ!と当たる確率が増えるのである。その結果、後半ハーフは45で回ることが出来た。

これにより現在の年令などを考えると体に負担のかからない両手打ちが良いと思い、以降は両手打ちに徹している

この両手打ち、しっかり捻転出来てツボにハマるとものすごーく飛んでくれるのである!
従来の左手打ちでは飛んで220~230yd(40台の頃は250yd以上飛んでくれていたのであるが…)、両手打ちではインパクトも迫力ある音も変わり、250ydくらいは平気で飛んでくれるのである!
これは2024年1月より始めた筋トレ効果もあったかもしれない。

こうなると2ndショット以降も楽になるのでスコアもまとまるようになり、前回記述した通り、連続4ラウンド100切りという新記録を達成したのである
※参考記事:「連続100切り記録更新!」

まあ、この打ち方が良いのかどうか、正直まだよく分かっていないが、結果を見る限りは間違ってはいないと思われる。そのため当面はこの両手打ちを続けてみる所存である。出来うれば、再度の80台をまた出したいと密かに思っているのである。

(2024年7月4日)