ヘイズ

ヘイズってご存知ですか?
恐らく馴染みのない言葉なので分からないと思いますが、シンガポールではかなり一般的な言葉です。
分かりやすく言いますと「シンガポール版大気汚染」ということです。

シンガポールはマレー半島の最南端に位置しますが、すぐお隣には先日バリ島でテロのあったインドネシアの広大な島々が無数にあります。ここでは農地を切り開くため、昔ながらの焼畑農業とでも言うのでしょうか、山や森に火をつけて燃やすのが一般的に行われています

実はこれが曲者で、年がら年中燃やしているので、その煙とか煤煙が大気の風の流れに乗って、はるか100km以上も離れたシンガポールまで飛んでくるのです。これは風向きとかにかなり影響されますので、来ない時は来ませんが、一度来ますと結構連日のように飛んできますのでなかなか大変な目に合うことになります。昨年はほとんど被害がなかったせいか、実は私は最近までこの現象を知りませんでした。気づいたのは最近1ヶ月くらいです。

朝の通勤時に「最近、朝もやが激しいなあ」と思うようになりました。ちょっと離れたビルとかが霞んで見えるのです。それで会社でそういう話をして、実はこれこそがヘイズである、ということに気づきました。昼を過ぎると消えることが多いので分からなかったわけです。

それでこの現象があっても私は全く平気でしたが、ご年配の喉が弱い方には非常につらいみたいで、咳が出て止まらなくなることもあるそうです。

それでこのヘイズ、シンガポールばかりでなく、更に離れたマレーシアのクアラルンプールまで被害に合っているようです
当然、シンガポールやマレーシア政府は改善要望を強くインドネシアに出しているとのことですが、生活に根付いた風習であるせいか一向に改善されません。

まあ、発展途上国であるインドネシアに環境問題うんぬんを講じても仕方ないかもしれませんが、実際にここまで被害が広がっている以上、政府はもっともっと強く抗議してもらいたいものです。

(2002年11月1日)