小田美岐プロとのラウンド

先日2004年9月18日であるが、日本の現役女子プロである小田美岐(おだみき)プロと、シンガポールでラウンドする機会を得た。プロとのラウンドはシンガポールでは師匠のSプロと1回経験があるが、日本の、しかも女子プロとのラウンドはもちろん初めてである。

小田プロは1982年にプロ入りして以来めきめきと頭角を現し、これまでの優勝経験7回、獲得賞金2億7千万円!
1983年には日本プロスポーツ新人賞を得ている素晴らしい戦歴の持ち主である。また、当時は私はゴルフを始めていなかったので小田プロのことは知らなかったが、うちの会社の年配の方に聞くと「小田プロは可愛かったな~!」というほど、可愛らしいことでも有名であったと言う。

その小田プロとラウンドするきっかけは、うちの会社の取引先の社長さん(日本)がこの春にシンガポールに来られて面談していた時に出た、「今度、小田プロのスポンサーになったんです。」という話が最初である。その時はうちの会社の社長以下幹部と一緒に面会していたのだが、一気に話ははずみ、今度シンガポールに呼びましょう、と相成った。しかも、しかもである!
その社長さん、その場から国際電話をかけて、小田プロの予定を押さえてしまったのである!
そうして今回のラウンドが実現したのであった。

でも最初はプロなので気難しい人かなあ、とも漠然と思っていたりした。しかしそれは杞憂に終わったのである。
金曜日の夜にその社長さんが小田プロを連れてシンガポールに来られ、夜は皆で中華料理の名店レイ・ガーデンで会食したのだが、小田プロは見た目はちょっと小柄だが笑顔が可愛らしく、しかもよく話しよく笑い、実に明るい、いい性格の持ち主であったのである。
その時に(情けないことに)私を含むうちの会社のメンバー4人は一瞬にして小田美岐プロのファンになってしまったのであった。


さて、翌日の土曜日はいよいよラウンドである。場所はラグーナのクラシックコース。運河超えなどがある難しいコースである。
こちらから社長以下4人、相手は小田プロと、取引先の方2人。フライトは3人、3人に分けて、前半と後半に各々の組に小田プロに入ってもらうこととなった。前半は社長さん達の組なので、後半私たちの組に入るのである。

Laguna National G.C / classic course

小田プロは我々と一緒にホワイトティーから打つこととなった。見ていたらすっと構えて軽くスイング。でもボールは綺麗な弾道で遠くへ飛んでゆく。う~ん、流石はプロ。皆で思わず拍手したのであった。
面白かったのはその後に打った男性3人。皆、プロの前で緊張しているのか、いつもと違いボールは右へ左へとちらばっていったのであった。む~、会社ではどっしり構えていても、プロ、しかも女子プロの前では、いい所を見せたがるただの男か・・・などとこちらでは話していたのである。

でも後ろから見ていて感心したのは、誰かがバンカーから打つと、小田プロがさっとレーキを拾い上げバンカーをならしていたりしていたのだ。また、誰かが林の中で打った後は、小田プロが自分でカートを運転してその人をすぐ迎えに行くのだ。プロにあんなことさせていいのか、と我々は後ろで見ながら思ったのであったが、逆に言うとそうした細かい気配りのよく出来た気取らないプロが小田プロなのである。こういう点は我々アマチュアも見習うべきであろう。

さて前半が終わりいよいよ後半、我々の組に小田プロが入ってきた。ラッキーなことに私のカート(こちらのカートは2人乗り)の隣に小田プロを乗せることとなったので、いろいろと話しながらラウンドすることが出来た。

やはり目の前で見るプロのスイングは美しい。まず力みがない上に正確。狙った所にポンポンとボールが落ちてゆくのだ。こればかりは我々アマチュアにはどうにも真似出来ない部分であり、プロであるゆえんであろう。

尚、見てみると小田プロのクラブは私のアイアンと同じツアーステージ(契約しているとのこと)を使用し、ドライバーは最新のX-DRIVE390(今、私が欲しくて仕方ないもの)のSRシャフト、アイアンはV300であった。小田プロは私のツアーステージのアイアン「Z101」を見て、「おっ、これはいいのを使っていますね」とも言ってくれた。

 

さて、問題のラウンドレッスンである。
私の場合は2~3ホール回っただけで欠点をずばりと指摘された。
(1)ハンドダウンを意識し、体の近くで手を振ること。
 →かなりハンドアップ気味になっているので、疲れると手が上がりクラブから浮く。
  左手とクラブの一体化を意識するあまり、おかしくなっていたようである。
(2)グリップがウイークすぎる。→もっとフック気味に握ること。
 →これはSプロにも指摘されていたことであったが、いつの間にか戻ってしまったようである。
(3)左手は手の平で握るのではなく小指の付け根のハラを支点とし人差し指で引っ掛けること。
 →左手でクラブを軽くヒョイヒョイと持ち上げられればOK。しっかり握れる
(4)テークバックはもっと大きくしてもよい。右足に体重はかかっているのでよい。
ということであった。
他にも色々あるが今日は省略、ということで、まだまだ治すべき点は多くあるようである。
でも、後で考えるとこれらは既に師匠のSプロにも以前に言われていたことであるが、放置しておくとすぐに元に戻ってしまうのが悲しい。。小田プロのおかげで再認識できたのは有意義であった。

さてさて、これらを意識して何度か素振りをしてドライバーを力一杯振ると、、、

「パ~~ン・・・」と実に勢いのあるいい玉が出たのだ!

ボールはグイグイ伸びてゆき途中から少しクイッと上向く、いわゆるプロ玉に近いボールであったと思う。
一緒にいた人が「streamさんのこんなすごい玉は初めて見た!」と驚いているほどであったのだ。
だいたい、私自身もこんな玉が打てるとは思わなかったので、本当に驚いた。飛距離は測定しなかったが、相当出ていたのではないだろうか。これまでの最高は280ヤードほどであったが、その位は飛んでいたのではないだろうか。

いやはや、本当に驚いた。流石はプロ。Sプロもそうであるが、実に的を得た指導をするものである。

面白かったのは一緒にいた同伴者についてのコメント。
小田プロと私が打ち終わって2人でカートに乗ってその同伴者が打つのを見ていたら、その方は2~3度素振りして、いざ打つ段になって何とチョロしてしまったのだ。その時の小田プロ、ボソッと「素振りの時はそんなにヘタに見えないんですけどね~」
これには大笑いである。逆に言うと「素振りでなく本当に打つ時はヘタクソである」と言っているようなものだから。実際彼は「素振りのように打ちなさい」と何度か言われていた。これは私にも当てはまるので耳が痛かった。

それと我々がナイスショットしたにかかわらず方向がちょっと曲がって林の中に入ってしまった場合など、「う~ん、残念!」と本当に悔しそうに言ってくれたのである。これもまた嬉しかった。

そうして実に気分良く一緒に後半ハーフをラウンドしたのであった。
スコアはアプローチなどでミスしていたりしたので、また100ジャスト、とラグーナで100を切ることは出来なかったが、実に意義あるラウンドであった。ちなみにこのアプローチについても、ハンドダウンを意識して距離感をイメージしながらゆったり打つと、シャンクも出ないし距離も合う、とのことであり、実際試したらそうであった。
しばらく悩んでいたショートアイアンのシャンク防止になればいいなと思う。

尚、最後には小田プロが我々に、記念にと言ってサイン入りの新品の帽子をくれたのだ。
これは嬉しい。大事に取っておく所存である。
この小田プロ、本当に素敵な方であったので、我々の仲間内でファンクラブを結成することとした。
私は小田プロの名刺をもらいそこにメールアドレスもあったので、今度お礼も兼ねて連絡を入れるつもりである。

尚、私のこのHPに小田美岐プロのことを実名で紹介したい、とお願いしたら快く承諾していただいたので、ここに紹介するものである。小田プロの今後の日本での活躍を祈念したい。

(2004年9月21日)

(2024年6月6日追記)
小田美岐プロは今までも時々女子プロゴルフのテレビ解説を努めてらっしゃるので懐かしく拝見している。尚、この時に小田美岐プロにいただいたサイン入り帽子は今でも大切に保存している。