パース旅行-2 パース市内観光

~ パース市内観光・モンガー湖 ~

◆パース市内散策◆

さてパースに到着して初日の朝を迎えました。本日のスケジュールは1日フリーで市内及び郊外をぶらぶら歩くことにしていました。しかし朝起きてみると長男がまだ具合が悪くとても朝から活動出来そうもありません。仕方ないのでホテルで朝食を取ったあと午前中は皆で部屋でじっとしていました。まあ、昨夜は到着が遅かったので午前中はお昼寝タイム(?)でかえってちょうど良かったと思います。


さて昼になったら長男の具合も良くなって来たので活動開始です。もう半日しかないのであまり遠くには行けず市内観光中心に歩くこととしました。外に出ると昨年のケアンズの時と同じ、青い空に爽やかな空気! 気温も適度に涼しい感じで、もう最高です。紫外線がちょっと強い感じがしますが、オーストラリアは相変わらずカラッとして気持ちのいい国です。

ホテルの前の Hay Street を歩く


ちなみにパース市内には何と無料の循環バスがあります。CAT(Central Area Transit)と呼ばれるもので3系統あり、系統図やバス停の色分けが赤、青、黄と分けられており分かりやすくなっています。

ちなみに我々のホテルから街の中心部に向かうのは赤で「RED CAT(レッドキャット)」と呼ばれています。名前のCATにあやかったのでしょうか、バスの横や前後にはネコの絵が書いてあります。
ちょっとふん詰まりの短いバスですがなかなか可愛いものです。これに乗れば楽チンですが、せっかくいい天気なのにバスに乗るのはもったいなく、観光ガイドを片手にぶらぶらと歩いてみました

市内循環無料バスのRED CAT


ホテルは街の東側に位置します。そこから西部の街の中心部に向かって Hay Street (ヘイ・ストリート)というメインの道路を歩きます。ほどなく右側にクラシカルな建物が見えてきました。見ると「The Perth Mint」とあり、パース造幣局のことです。ここはオーストラリアで一番古い造幣局とのことですが、現在は実際に貨幣を作ってはおらず観光用に開放しているだけです。

入場は無料なので中に入ってみます。中に入るとそこは貨幣に関するお土産物屋さんになっており、気取った腕時計などもありましたが、そこでは何も買いませんでした。しかし見るだけでも十分楽しめます。
時間が合えば金を流してお金を作る所も見れたようですが、今回はそれはパスして次へ進みます。

パース造幣局


次に向かったのは更に駅に近い所にある聖マリア大聖堂です。これまた深い木々に囲まれたクラシカルな教会で雰囲気は最高。中に入ると高い天井にステンドグラスがとても綺麗です。写真を撮りたかったのですが、何人かお祈りしていたので写真は控えました。後からストロボを消して撮影しておけば良かったと後悔するくらい綺麗でした。

この聖堂の横には木々が植えられちょっとした芝生のエリアがあり、そこには何人かの人々がゆっくり座り休んでいました。後にも似たような光景を多く見ましたが、オーストラリア、特にパースははこういう所が非常にのどかで良かったです。

聖マリア大聖堂

夕暮れ時の大聖堂


間もなく駅です。この辺りでは街の中心部にある高層ビルが見えます。こういう高いビルはケアンズでは見れなかったので、流石はパース、それなりの都会なんだな、と感じました。

街の中心部の高層ビル

さて駅前に到着です。このあたりは歩行者天国になっており多くの店やレストランがひしめいています。もうお昼を過ぎているので昼食にします。しかし朝食をたくさん食べたせいかあまりおなかはすいていません。そこで軽食を食べられる店を探しました。

見つけたのは「SHIMIZU」という日本料理のファーストフード店です。パースまで来て日本料理でもありませんが、おなかの具合の悪い長男に合わせてここでうどんを食べることとしました。吹き抜けの店内でもいいのですが、せっかくなので外の歩道に面したテラスで食べます。ここのうどんの味は意外とおいしく、シンガポールよりもおいしく感じました。ゆっくり食べたら既に午後の2時近くになりましたので、ちょっと急いで次にどこへ行くか相談しました。

駅前の歩行者天国

観光ガイドを見るとパース駅から電車で2駅の所より歩いて10分ほどの所にモンガー湖という湖があり、そこにはブラック・スワン(黒い白鳥)がいると書いてあります。電車に乗るのも面白そうなのでそこへ行くことにしました。

◆トランスパース・トレイン◆

パース駅は歩行者天国エリアのすぐ近くです。
見ると外から直接ホームに入れるようになっており改札というものがありません。聞いたら自分でチケットを買ってそのまま乗るということです。確かに自動チケット販売機がホームなどあちこちにおいてあります。これはどこの駅も共通でした。
(ちなみにいずれの電車も抜き取りで車内改札がくるようになっています。それで切符を持っていなかった場合は罰金を取られる仕組みのようです。私も翌日フリーマントルに行く電車の中で改札を受けました)

パース駅

買い方は簡単です。大人(Adult)子供(Child)かのボタンをまず押して、次にゾーン(Zone)ボタンを押します。Zoneとは乗車駅からの距離で分けられており、近い方からZone1、2、3、、、となります。チケット販売機には目的の駅ごとにどのZoneになるか書いてありますので、その番号を押せばいいということです。それを押すと右上に料金が表示されますので、その金額のコインを入れれば下からチケットが出てくる仕組みです。紙幣は使えずコインのみとなりますが、大きな駅なら近くに両替機がありますので不便はないかもしれません。

自動チケット販売機

さて指す駅は「West Leederville」です。ここはパース駅から2駅と近いのでエリアはZone1、大人料金はA$2(160円)でした。ホームで待っているとすぐに電車がきます。これは4系統あるうち、有名なフリーマントル行きの電車になります。中は郊外電車の趣きでなかなか小奇麗でした。2駅はすぐなので10分もしないで到着です。駅でおりても改札はないので、ホームからそのまま道路に出ます。

電車は頻繁に来ます

◆モンガー湖◆

さて West Leederville 駅に着いたのはいいのですがモンガー湖の場所が分かりません。駅の北側ということは分かっていたのでホームをおりて線路の下をくぐって北側に出てみます。見ると北に向かって真っ直ぐの道路はありますが、それで良いのかはっきりしません。中心部よりこんなに近いのに住宅街のせいでしょうか、歩いている人は非常に少なく静かな街でした。
そうすると向こうから白髪の杖をついたオーストラリアンのおばあちゃんが来たので道を聞いてみました

のどかな West Leederville 駅

そのおばあちゃん、かなり年のようで英語も舌が良く回らない感じで聞き取りにくかったです。聞いた瞬間「しまった~」と思いましたが、一生懸命教えてくれるので黙って聞きました。どうやらこの道を真っ直ぐ行って次を右折、そのまた次を左折すればモンガー湖に着く、と言っているので、丁寧にお礼を言ってその通りに歩いてみました。

まず真っ直ぐ行って右折、しばらく歩いて左折しようとしましたが、どう見ても湖に行く雰囲気ではないのでちょっと立ち止まって考えてしまいました。回りに人はほとんどいないのでちょっと困りましたが、そのうちに向こうからカップルが歩いて来たのでまた道を聞いてみました。

閑静な駅前道路

そうしたら、さっきのおばあちゃんの言うことは間違いで、最初の駅前の道を真っ直ぐ歩けばいいことが分かり、とりあえずは一安心です。言われてみればあのおばあちゃん、「良く分からないが(not sure)」と言っていましたので責めるわけにはいきません。気を取り直して今きた道を戻り、正しい道に沿って歩き出しました。

その道は駅から北に真っ直ぐに向かう道です。両側は完全な住宅街で緑も多く非常に静かな所でした。小高い丘を登って頂上からは今度は下って行きます。歩くこと約10分で前方に目指すモンガー湖が見えてきました。この時ばかりは嬉しかったですね。皆で小走りに湖に向かって走っていきました。

見るとこのモンガー湖、かなり大きい湖です。もう夕方に近いせいか太陽の光が湖面にキラキラと反射してとても綺麗です。向こうには高速道路が走っているのも見えます。湖畔はゆったりした芝生になっており、そこでのんびりくつろぐ人も多くいました。

午後のモンガー湖

ところで問題のブラック・スワン(黒い白鳥)ですが、どうやら見えません。白や黒のカモはいましたが黒い白鳥の特徴は赤いくちばし、それらしき鳥を見る事は出来ませんでした。後で聞いたらこの時期は繁殖期なので、滅多に見ることはできないそうです。
うーん、残念。でもこの綺麗な湖を見ることが出来ただけ良かったと思います。

これは黒い白鳥じゃあないですよね

さて湖畔で30分ほどのんびりした後は、また歩いて駅まで戻ります。駅前の小さな店でジュースを買って一休みした後は改札がないホームにそのままあがり、同じようにチケットを買い電車に乗りました。この電車は15分間隔位で走っているので、さほど待つことはありません。

夕暮れ時の West Leederville 駅

パースに戻ったのはもう夕方、奥さんと長女がせっかくなので買い物をしたいと言うので仕方なく付き合うことにしました。本当に女性は買い物が好きですね。しかもさんざん見たあげく、ほとんど買わない・・・。長男と2人でブツブツ言いながら付き合います。

昨年行ったケアンズもそうですが、パースも夕方は5時にはほとんどの店は閉まってしまいます
土曜日、日曜日も例外ではなく、買い物は5時頃までに終わらせないと店という店がしまってしまうので、日本の感覚では驚きです。どうやらオーストラリアは全国的にそうなっているようです。

◆南十字星◆

買い物を何とか終わらせてホテルに戻ったのはもう7時近くでした。疲れたのでここでまたお昼寝(?)。目が覚めたのは夜の8時過ぎ。そこから夕食を取りにレストランに行く元気もなかったので、今夜はホテルの部屋でルームサービスのパスタとピザを夕食にすることとしました。ルームサービスなので味は期待していなかったのですが、これが何とまあおいしいこと。ちょっと味は強めでしたが量もしっかりあるし、なかなかでした。

パースは夜7時でこんなに閑散としています

さて食後はベランダで一服です。そこでふと「オーストラリアだから南十字星が見えるのでは?」と思いつき、人に聞いた方角をつてに探して見ました。私達の部屋のベランダは南向きなので探すのにはちょうど良かったこともあります。

まず驚いたのは、満天に星が実にたくさん綺麗に見えること!
パースは結構大きな街なのにこれほどはっきり星が見えるとは驚きです。しかも天の川まではっきり見えます。天の川なんて見ることが出来たのは本当に何10年振りのことで、益々感動です。子供たちに「どうして天の川が白く見えるか分かる?」と聞いたら分からなかったので、「あれは銀河系の円盤を横から見ているので、多くの星が集まって白く見えるんだよ」と教えてあげたら「お父さん、良く知っているねー。すごいねー」と感心してくれました。
久し振りに父親の威厳回復です(笑)。

さて問題の南十字星ですが、見ると真正面やや上にやや小さ目の十字架が横たわった形と、その少し上に大きめの十字があります。
事前に聞いた限りでは、どちらかが本物で、もう1つは本物そっくりの「にせ十字」ということでした。見た限りではどう見ても上の方の大きい方が本物に見えましたので、「あれが南十字星かあ」と皆で感動しながら見ていました。実は我々、南十字星を見るのは皆初めてでしたので感動ものです。しばらくの間見ていましたが、同時に下の方の「にせ十字」も本物そっくりだなあ、と言いながら見ていました。

ところが実は帰る時に旅行会社の人に聞いたら、何と下に見えた「にせ十字」と思っていたのが実は本物であったそうです。上にあるのは大きいので誰もが本物と勘違いするので、あえて「にせ十字」という名前がついたそうです。う~ん、そういうことなら下の方の本物をもっとしげしげと見ていれば良かったなあ。

そうしているうちに冷え込んで来ました。夜も遅いし本日は歩き回って疲れていたので、皆で早めに寝ることにしました。

(2004年8月22日)