パース旅行-3 ピナクルズ

~ ピナクルズ ~

◆4WD(四輪駆動車)で出発◆

さて3日目の本日は観光ツアーで「ピナクルズ」へ行くこととしています。
もともとは到着後すぐの2日目の予定でしたが、長男が具合が悪かった為、安全をみて1日日程を延期したものです。結果的に長男の具合もだいぶ回復してきたので、これで良かったと思います。

ピナクルズとはパースの北200kmほどの所にある奇岩(棒状の岩)が並ぶ珍しい光景が見れる場所で、大抵は4WD(四輪駆動)の大型のジープに乗ってのツアーになり、近くの砂丘で4WDで走り回ったり砂の上をボードで滑ったりとなかなか楽しい、パースでも有名なツアーです。ちなみにピナクルズとは尖塔という意味です。
但し距離が遠く往復500kmは車で走るので、12時間、一日がかりのツアーになってしまいます。朝7時15分に迎えが来るので早めに朝食を食べてホテルの前で待っていました。

ほどなくそれらしい大型4WDが来ます。中に乗り込むと15~16人乗りのバスとトラックのあいのこみたいな車で、シンガポーリアンのカップル1組の他は皆日本人でした。運転手兼ガイドさんは片言の日本語を少しだけ話せるオーストラリアンです。我々4人は一番後ろの座席に座っていざ出発です。

4WDの大型ジープ

この車、4WDであるだけに普通のバスに較べてちょっと狭く騒々しかったです。これで12時間のツアーかと思うと朝からちょっぴりげんなりしてきました。しかし途中はあまりの面白さに疲れを気にすることなく一日が過ぎていったのですが。
出発して北に向かいます。少しの間は市街地や郊外の住宅地の中を走っていましたが、ほどなく本当の郊外に出てしまいます。そうすると回りは一面野原という感じで、いかにも広々としたオーストラリアを味わうことが出来ます。


1時間ほどで Nambung National Park (ナンバン国立公園)に到着しますので、まずここで降りて公園の中を歩きます。
ユーカリの木が生い茂っている一角にはコアラがいるというので見に行きました。見ると、いるいる、木の上にコアラが3~4匹つかまっています。しかし皆、木の上の方にいるだけでなく寝ていたのであまり面白くありませんでした。ケアンズではコアラの抱っこも出来たし目の前で見ることが出来たのですが、ここは自然の中でのコアラなので仕方ないのでしょう。

木の上で寝ているコアラ

しばらく見て近くの池のほとりまで散策します。山の中だけあって広くて静かな池でした。池の近くには何羽かのカモがいましたが、並んでヨチヨチ歩いていたりしてとても可愛く見えました。記念に1枚写真を撮った後、またバスに乗って出発です。

カモが並んで可愛かった

またしばらく山の中を延々と走ります。本当に遠い、と言うか、どこまで走っても街や建物を見ないという感じでした。1時間ほどでまたガソリンスタンドに立ち寄ってトイレ休憩、その後ピナクルズに向かってどんどん進みます。

◆ピナクルズ◆

お昼近くでしょうか、ようやく目指すピナクルズの近くまで来ました。
車は舗装された道をそれて、荒野の中のデコボコ道に入っていきます。

どれほど進んだでしょうか、次第に道は砂が多くなってきて砂の上を走っている感じになりました。そうこうしているうちに、簡単なゲートが現れ、そこでチェックしていよいよピナクルズに到着です。ゲートを入ると荒野の中の砂場という感じになり、その中に石を並べて道が作られています。車はそこをゆっくりと進んでいきますが、ほどなくちょっとした広場に到着しましたので、そこで皆で車をおります。

見ると回りは荒野なのに、その辺り一帯だけ突然開けていて、砂漠の中に尖塔がたくさん並んで立っていました非常に雄大な光景で感動です。バスはずっと向こうに回すので、そこまで自由に歩くこととなりました。皆でわくわくしながら歩き出します。
この尖塔は遠くから見るとさほど大きくないのですが、近くで見ると非常に大きく驚きます。たいていは高さ2メートルはあり、最大のものは4メートル以上もあるそうです。足場は砂漠なので砂まみれです。

尖塔が立ち並ぶピナクルズ

途中途中で写真を撮りながら歩いてゆくと、何と右側は海になっていることに気づきました。ここはオーストラリアの西海岸の近くのようです。はるか向こうに見えますが、相変わらず空も海も青く実に綺麗でした。


しばらく歩くと展望台がありましたのでそこに上がってみます。上がるために木で出来た歩道を歩きます。前を歩いている奥さんが通ったあと、何やら足元に動めいているのがいました。

「ん?」と良く見るとアクビをしています。
それは何とトカゲでした!
保護色で木の色と同じなので奥さんも私も気づきませんで、危なく踏み潰す所でした。


後ろから来る人にも「踏んだらダメですよ」と教えましたが、皆、近くに来るまでトカゲに気づかず危うく踏み潰す所でした。いやはや、何とものんびりしたものです。


さて名残惜しいですがここでピナクルズを出発します。バスは砂漠を抜けてまた荒野の中の一本道を走ります。
するとほどなく左右に綺麗な緑地が見え、そこにカンガルーがたくさんいました。しばらくバスを止めて見ていましたが、良く見ると何やら先の方に赤い旗が立っています。そうです! ここはゴルフ場なのです!

見るとおじいちゃんや子供が手押し車にゴルフバックを乗せてラウンドしていました。皆上手にカンガルーの間を縫ってボールを打っています。いやいや、カンガルーに囲まれてのゴルフなんで想像もしなかっただけに驚きです。いかにもオーストラリアらしくて羨ましいと思いました。

さて少し走るとすぐに海岸線。白い砂浜が綺麗な海岸でそこで一休みした後、ちょっと遅い昼食になりました。本日は日曜日につきドライブインは休みのようですが、特別にそこのご主人のはからいで開けてくれていましたので、皆でお弁当を食べます。その後、今度はもう1つのメインイベントである砂丘へ向かうことになりました。

◆砂丘での4WD走りとサンドボード◆

さてまた車で出発です。方向はパースに向かって戻る格好ですが、途中でインド洋に面した綺麗な海岸にも立ち寄りました
そこに着いて驚き。砂浜は真っ白で空も海も青く、本当に綺麗でした。そこでしばし水遊びをします。子供たちは大喜びで水に入って遊んでいました。オーストラリアは本当に海も空も真っ青なので、感激です。

インド洋に面した海岸

そこを出発してちょっと遅めのランチです。ちょっとしたドライブインに入りますが本日は基本的に日曜日のためお休みということで、持参したチキンライスをここで食べます。チキンがダメな私は食べるものがなく、仕方なく野菜をぼりぼりと食べていました。ほどなく出発し、いよいよ第二のメイン・イベントである砂丘に向かいます。

しばらくまた荒野の中を走ったあと、ようやく右に折れて海岸線に向かいます。ここは狭いデコボコ道ですが、入ってすぐに車を止めてドライバーの人が客室に入ってきました。何かと思ったら一番後ろに座っている我々家族に向かって「これからデコボコ道を走りますが、一番後ろは相当に揺れます。スピードを出していいですか、それともゆっくり走りますか」と聞くので「ゆっくり走って・・・」と私が言い終わらないうちに子供たちが「スピード出して!」と言ってしまったので、スピードを上げて走りことになってしまいました

いざ走り出すと本当に狭い道で左右は2メートル以上もある木が迫っています。こんな所で本当にスピードを上げるのか、と思っていたら、本当にぐんぐんとスピードを上げてきました。60~70kmは出していたのではないでしょうか。道路は本当のでこぼこ道なので確かに後ろは激しく上下に揺れます。しかもカーブも急なのにかかわらず全然スピードを落とす気配がありません。流石は4WDとでも言うのでしょうか、私はすぐに怖くなってきましたが子供たちは大喜びです。ぐったりしてきた頃に目指す砂丘に到着しました。すぐ横は海があります。


車はそのまま砂丘に入っていきます。
見ると広い砂丘で起伏がかなり激しいのですが、そこを4WDの特性をいかしてそのまま構わずに進んでいきます。そうしたら急な丘の前で車が一度止まりました。どうするのかと思う間もなく急発進して何とその丘を登っていくではありませんか! 傾斜は45度はあったかと思うくらい急な坂でしたが何度かトライしているうちにとうとう登りきってしまいました
この砂丘、良く見ると車のタイヤの跡がたくさんあります。見ると遠くでバイクやバギーが勢い良く走り回っていました。こういうツアーだけでなく地元の人々もここへきて楽しんでいるようです。

広大な砂丘

さて、そのまましばらく砂丘の中を走り回ったら、今度は急斜面を下ります。これもゆっくりではありましたが何と言っても45度の傾斜ですので、車が転倒するのでは、と思うくらい急で怖かったです。しかしこれも無事に終了。無事に下まで降りた時は、皆で思わず拍手喝采でした。
何度か登ったり降りたりを繰り返した後、ようやく砂丘の丘の上に止まります。

こんなに傾いて降りていきます

ここで皆でおりていよいよサンドボード体験をすることにしました。ドライバーさんの勧めにより皆ハダシになり外に出ます。車を降りてみると、この砂は冬のせいで非常に冷たかったのが印象的でした。そこで丘の頂上まで歩いたら向う側の斜面が何と急なこと!
ドライバーさんは「さあ、ここからサンドボードでおりてみましょう」と言いますが、皆で「え~!ここからおりるの?!」と驚きです。そのドライバーさんがまず模範演技(?)ということでボードの上に座って降りていきます。見ると砂の上なのにワックスを塗ったせいか、ボードは勢い良く滑り降りて行きました。

コーチをするドライバーさん

いよいよ我々の順番です。まず子供たちが降りて行きます。最初は怖がっていましたがすぐに慣れ、ワーワー言いながら無事に滑って行きました。私もどうか、と聞かれましたが、ジェットコースターでさえ怖くて乗れない私はパス。
次に奥さんが滑っていきます。
滑り出してすぐにキャーキャーいいながらビビッていましたのが笑えましたが、途中で怖がって体勢を崩したら、あっと言う間に横にゴロン!と転がってしまいました。見たら見事に顔も体も砂だらけ。一瞬上で見ていた人たちは「シ~~ン・・・」としてしまい、他の女性たちは一層怖くなってしまったようです。いやいや、うちの奥さんもまったく・・・という感じでしたが特にケガもせずその後も何度かチャレンジしていました。

それにしてもこの砂丘、実に綺麗です。空は相変わらず青く砂丘は白く、そのコントラストがとっても綺麗でした。
皆でしばらく楽しんだ後、名残惜しいですがまた出発です。車に乗る前に足を綺麗にします。流石にはだしでいると砂だらけなので大変でした。


バスは出発しました。既にもう夕方になっています。途中で来る時に立ち寄ったガソリンスタンドでトイレ休憩をしました。
このあたりはどの辺りでしょうか。いかにものどかな田舎町という感じで静かでのどかでした。スタンドには陽気なオーストラリアンの家族が2組いて、車を止めてワイワイ騒いでいます。こういう所がいかにもオーストラリアだなあ、とまたしみじみ感じることが出来ました。
また、タバコを吸いながら道路を走る車を見ていると、オーストラリアは本当に4WDの車が多く走っています。日本での4WDはファッションで乗りますが、こちらは必要に迫られて乗っているのでしょう。皆、汚い車ですが大事に乗っているように見受けられました。

途中で立ち寄ったカソリンスタンド

バスは既に暗くなった道をひたすらパースに向かって走ります。皆、疲れているせいか寝ています。2時間ほど走ったでしょうか。ようやくパースに到着です。基本的に各々が乗車したホテルまで送ってくれますが、私たちは駅前で夕食をとるためにパース駅前で降りることにし、今日一日一緒にいた皆さんにバイバイして降りました

◆夜のパース駅と夕食◆

夜のパース駅はライトアップされており、とても綺麗でした。しかし駅前は店が5時には閉まってしまうせいか、日曜日の夜にかかわらず人気が本当になく閑散としていました。日本やシンガポールの夜の混雑を考えると、とても信じられない光景です。

ライトアップされた夜のパース駅

閑散としたパース駅前

めざすレストランは事前に調べた日本料理店である「青山(せいざん)」です。最初場所が分からず途中でおまわりさんにきいたりしてやっとたどり着きました。ここはパースではなかなかいい店のようです。
入り口から地下に下りて店に入るとオーストラリアンたちが結構いて楽しんでいました。もう疲れていましたがおなかもすいていたので、おなか一杯好きなものを食べようということで色々注文したくさん食べました。味はシンガポールの日本料理店に比べるとほんのちょっと劣った感じがしましたが、それでも海外の日本料理店としてはおいしい方と思います。しかし注文してから出てくるまでが遅かった! しかしまあ、これでようやく一息ついた感じです。

その後はホテルに向かいます。人気のない夜のパースの街中を、酔い覚ましも兼ねてぶらぶらと歩いて帰りました。
ホテルに着いたら、既に皆、ぐったり状態。本日もすぐに寝てしまいました。

(2004年8月22日)