最悪の思い出 (1)

あれはゴルフを始めて3ヶ月目のこと、デビューから2回目の会社のコンペが行なわれた。場所はマレーシア/ジョホール州にあるPalm Resort / Alamanda course で、水の多いコースである。

Palm Resort (HPより)

この頃には既にラウンド経験は10回を超え、何とか130位では回れるようになっていたが、自信がないので前の週に仲間内で同じコースを練習ラウンドしていた。その時のスコアは131と、当時の私としてはまあまあのスコアであったので、本番のコンペもそうひどくはならないだろうとタカをくくっていた。

しかし前回のコンペでブービーであった私は今回は幹事。事前準備やら当日の朝の受付対応などで疲れてはいた。それに加え、幹事であるので早めに上がりパーティーの準備もしなければならない、と言うことで本来ならVIPや腕のいい人が入るべき第1フライトに混ざることとなった。あとの3人は、1人が我が社の(現)社長、2人は関係会社のやはり社長というそうそうたるメンバーであったが、いざ始まるまではさほど緊張はしていなかった。

時間がきていざスタート。
最初のホールのみくじ引きでオナーを決めるが、何と私がそのオナーになってしまった!
第1組でのオナー、VIPがいる上に皆が後ろで見ている。その時はOUTスタートは23~4人いたが、同じ会社の仲間たちは「いきなりオナーかあ、大丈夫かな」という感じで見ている。その瞬間に急激に緊張感が高まってきた。

いよいよティーを刺してアドレスに入る。真っ直ぐなホールなのでクラブは当然ドライバー。構えて振り上げる時は、既に緊張で体中がガチガチ。「ままよ」とばかりに振り上げるが体がちっとも回らない。「まずい」と思ったがもう止まらない。ブン、と振ったら「ペシッ」という情けない音とともにボールは右45度の方向へ飛んでゆくではないか! うわ~~、と思ってみていたら高く上がったボールは隣のコースまで行ってしまった。

それに続き残りの3人が打つが、もちろん皆ナイスショットでフェアウエイ真ん中に落としている。その間、私はまだ緊張感の中、目の前真っ白でボーゼンと立ち尽くしていた。みじめなものである。仲間たちは後ろで哀れみのまなざしを送っているのが良く分かった。「さて、行きますか」ということで3人は真っ直ぐに歩き出すが、私はキャディと一緒にクラブをかかえて隣のコースへ走るハメになってしまった。

ぜいぜい言いながらアイアンを構えて振るが、今度は大ダフリ。また打つがまたダフリ!

いったいどうなっているんだ(涙)・・・

あせりまくりながらようやく少し前に出るが、今度はグリーン方向には木がはえている。ふと見ると、先ほどの3人の方々は私よりもまだ先にいるので、私が打つのを黙って見ている。「えーい」とグリーンを狙って打つが、これがまた見事に木に当たり「コ~~ン」と真後ろにはねかえってしまった!
悲惨だ、悲惨すぎる! まだ第1ホールなのに。

もうボロボロである。

その後もチョロチョロと打ち続け、ようやくそのホールを上がったら、PAR4のミドルなのに13も叩いてしまった。

あとは推してしるべし。全く話にならないショットが続き、スコアは10とか11のオンパレード。途中ではキレるのを超えて茫然自失の状態。「俺はいったいここで何してるんだろう・・・」という独り言まで出る始末。精神的にもヤバイ状態まで陥ってしまったのである。

死ぬ思いで何とか18ホールを終わらせたら、結果は何と160!
初めてゴルフをした時のスコアが168であるから、それとほとんど変わらない実にひどいスコアであった。

それに懲りて、もうそのコースへは二度と行っていない。

(2003年10月26日)