急性腸炎にかかる

最近シンガポールの天候はちょっとおかしく、雨季が終わったはずなのに雨の日が多くなっています。朝から雨がしとしと降る日もあるし、今日は珍しく朝から晴れと思いきや夕方にスコールのような大雨になる、といった具合で毎日じめじめしています。こういう日は空気も悪く何となく体調もすぐれません。日本が連日、最高気温を更新している暑さなのに、こちらは朝晩は涼しい毎日となっています。


そういう変な気候が続いていた先週のある日のことです。いつものように会社から帰りビールを飲み夕食を食べたあと、ソファに寝転がり本を読んでいましたが、その日は疲れていたのでそのままソファに寝てしまいました。目が覚めたのは夜の12時近い時間です。起きた瞬間、何となくおなかの具合が変な感じがしましたが、食べてすぐに寝たせいか、と思いさほど気にすることなく、また本を読み出しました。

そうしたらほどなく突然おなかが痛くなったのです。場所はヘソの下あたり、このあたりは小腸のある場所ですが、そこが突然「ググーッ!」と痛むのです。あまりの痛さに思わず前かがみになりおなかを押さえますが、その痛みは10秒ほどでスーッと消えてしまいました。
「今の痛みは何だろう?」と思いましたが、単なる腹痛と思い気にせずにいましたら、また数分後に同じ痛みがやってきます。そのうちにこの痛みが来るサイクルがだんだん早くなり、2~3分ごとに痛みがやってきては消える、の繰り返しとなりました。

これはたまりません! 本当にものすご~く痛いのです。取り敢えず夜も遅いのでベッドに入りましたが、この調子ではとても寝られず、ほとんど寝ないで翌日の朝を迎えることとなってしまいました。


翌日も平日ですがこれではとても会社へは行けません。その時点で私はまだこれは単なる腹痛かと思っていました。
会社を休む旨、会社の上司に電話したら、「なんだ、君もか!」と言うではないか。良く聞いたら、同じ会社にいるある日本人の人がつい2週間ほど前に同じ腹痛で2週間休んだそうで、その後も別の日本人が2日休み、同じタイミングでシンガポーリアンの人も2日休んだとのことでした。この3人の共通点はいずれも「急性腸炎」ということで、腹痛と下痢が症状で現れていたようです。とにもかくにも「これはヤバイ」ということで、昼前に病院へ行くこととしました。

行ったのは以前、胆石でお世話になったR先生がいる「Japan Green Clinic」です。R先生にはゴルフでの筋肉痛や胆石などで何度もお世話になっているので安心して診てもらえるのです。おなかが痛むサイクルは昨夜よりは減ってきましたが、それでも10分間隔位で痛みがくるので、自分で車を運転する勇気もなく、奥さんに送ってもらいました。

Japan Green Clinicが入っているPARAGON(HPより)

診察室に入ると懐かしいR先生に久し振りに会えました。「おお、君か」と声を掛けてくれましたが、症状を話していると次第に険しい顔になり、診察台にまず寝かされ簡単な問診を受けます。R先生曰く「これは腸炎の可能性があるかもしれない」というので、取り敢えず朝から何も食べていないこともあり点滴を受けなさい、ということで別室で点滴を受けました。
まず血液検査用に血液を採取し、その後の点滴は約2時間ということなので、そのまま2時間ゆっくり寝ていました。この頃には腹痛はだいぶ収まってはいました。

さて点滴が終わってまた診察室に入ります。R先生はデータを見てすぐに「ずいぶんおなかにバイキンが入っているようだねー。これは腸炎だよ」とのことで、やはり私も急性腸炎にかかっていることが判明しました
「でも数日で治るだろうから薬を飲んで大人しくしていなさい」とのことだったので少しは安心。整腸剤や痛み止めなどの薬をもらいそのまま帰宅しました。
確かに薬の威力は大きく、翌日はまだ少し痛みが出ましたが、2日後にはほとんどすっかり回復することが出来ました


でも今から思うとなぜ急性腸炎にかかったのか未だに原因不明です。
特に変なものを食べたわけではありませんし、先にかかった同じ会社の人に聞いても、やはり変なものを食べたことはないと言っていました。よくよく調べるとこの急性腸炎、別に何か変なものを食べなくても感染するようで、例えば水にやられてそれが感染するなどのケースもありうるようです。

そこで気が付くのは最近のシンガポールのじめじめした気候です。これにより変なバイキンが蔓延し急性腸炎が流行っていたのかもしれません。その証拠に最近では急性腸炎の患者が急増しているようです。医者もそう言っているし、現に私がかかった翌日にある日本人の取引先の人と話していたら「え!streamさんもですか!実は私の奥さんも昨夜同じ現象で病院に担ぎ込まれたのですよ!」と言っていました。

いやいや、今回もまいりました。取り敢えず3日ほどで完治したので良かったのですが、気候の変化には十分気を付けないといけないことがよーく分かりました。日本と異なり、シンガポールはいかに清潔とは言え、やはり東南アジアですので、これからは健康管理には十分気をつけようと思います。

(2004年7月29日)