デサル・ビーチ

今年2004年の旧正月の休暇は1月22日(木)から25日(日)までの4連休となりました。
この期間はシンガポールでは数少ない長期連休なので、多くの方々が海外旅行を楽しみます。
私も当初ニュージーランドへ家族で行こうと思いましたが料金を聞いたらあまりにも高いので時期をはずして行くこととし、今回は前半2日間で少しでも旅行気分を味わおうということで、お隣のマレーシアのジョホール・バルを拠点に近くへ探検しに行こうと決めました。ここならシンガポールから車でそのまま行けるので楽なのです。

さて旧正月の前日、早速ジョホール・バルの地図を買ってきて見てみました。
ジョホール・バルの近くで面白そうな所を探していたら、東海岸に「デサル(desaru)」という海岸地帯があります。説明を読むと20km以上にわたる長い砂浜で有名なようで、インターネットで更に調べたらなかなかのリゾート地帯のようです。
おしゃれなホテルも何軒かあり、一部は日本語での案内までありました。ここはジョホール・バルから90kmほど、車で2時間程度と近いので、「よし、ここへ行ってみよう」と家族の意見は一致しました。

早速インターネットで調べたホテル2軒に電話してみます。しかし予想通り既に部屋は満室。やはり旧正月なので混雑しているようです。そこでデサルへ宿泊するのはあきらめ、ジョホール・バルの街中のホテルに宿泊することとしました。ジョホール・バルはシンガポールから車で30分なのでわざわざ宿泊しなくてもいいのですが、少しでも旅行気分を味わうために宿泊することとしたのです。
決めたのは街の中心部にある「パン・パシフィック・ホテル(Pan Pacific Hotel)」です。意外と混んでなく部屋はすんなり予約できました。


さていよいよ当日1月22日です。家族は昼間は用事があるので出発はもう夕方の7時過ぎとなりました。一泊分の簡単な荷物を車に積んで出発です。

向かったのは北部の第一コーズウエイ。旧正月初日なので大渋滞かと思ったらさほど混んでいませんでした。恐らく昨夜から今朝にかけては大渋滞だったことでしょう。すんなりここは抜けます。
街に入りちょっと北に向かうとすぐに目指す「パン・パシフィック」が見えてきました。非常に大きなホテルです。裏手のカーパークに車を止めチェックインしてすぐに部屋に入りました。
部屋も広めでなかなか快適そうなホテルです。お隣のジョホール・バルに泊まるなんて、東京の人が横浜に泊まるようなものですが、たまにはこうしてくつろぐのもいいものです。そう言えば旧正月だからでしょうか、ホテルのロビーは綺麗に飾られていました。

パン・パシフィックの飾られたロビー

夕食は4階にある地中海料理のレストランへ行きました。こじんまりとして雰囲気のいいレストランです。時間も遅いせいかすいていましたのでゆっくり食事出来た上ギターの生演奏もあるし味もなかなかおいしいし、いい気分になれました。
しかしマレーシアは本当に物価が安い。家族4人でホテル宿泊料(ルームチャージ)と夕食代、朝食代全部込みでたったのRM400(S$180=1万2千円)ですみました。シンガポールの半額、日本の3分の1から4分の1です。今夜は疲れていたので早めに寝ることとしました。


翌朝起きて窓の外を見たら、何と雨が降っています!
いくら雨季とはいえ最近1ヶ月ばかり晴天続きだったのですが、まさか旅行の当日に雨になるとは予想もしていませんでした。でもしとしと降りの小降りなのでうまくいったら晴れるかもしれません。
ホテルの窓からはすぐ下にジョホール・バルの裏街道が見え海の向こうにはシンガポールを見ることが出来ます。

しばらくのんびりしたあと、1階のレストランに朝食をとりにいきます。しかし行ってびっくり!何と行列が出来ています。
見ると旧正月の影響でしょうか。従業員の数も少なくてんてこ舞いでした。結局食べるのに30分以上も並んでしまいました。まるで日本のファミリーレストランです。

ホテルの窓から見たジョホール・バル

さて朝食をとった後はいざ出発です。
ホテルを出て国道3号線を北に向かいます。せっかくやんだ雨が途中でぱらぱら降ってきましたがかまわず進みます。
デサルまでは、まず北の「コタ・ティンギ(Kota Tinggi)」に向かい、そこで右折して南東部に下っていきます。約90kmのドライブです。コタ・ティンギまでの道は片側2~3車線の広い道ですがシンガポールに比べると整備が悪くデコボコしています。途中で雨はまずますひどくなり、最後はとうとう土砂降りになってしまいました。しかしあきらめずにデサルへ向かいます。

コタ・ティンギで右折したあとは山の中の一本道をひたすら走ります。回りはジャングルで何もありませんから退屈な道のりとなります。途中で雨は洪水のような土砂降りになって運転するのが非常に危険なほどでしたが、1時間ほど走ったでしょうか、デサルの近くになったら急に小振りに変わり、雨はやんでしまいました。とは言っても空は曇ったままで晴れてはいませんが、風もあり涼しくて非常に気持ち良く感じられました。

ジョホール・バルの地図


海岸近くでしゃれたロータリーがあり、そこを真っ直ぐにすすむと目指すデサルです。ほどなくデサルへの訪問を歓迎するようなゲートがありましたので、そこをくぐって先に進みます。
いかにも南国の観光地らしい雰囲気の中で、左側には何軒かのホテルが並んでします。

デサル入り口のゲート

左側には観光ホテルが並ぶ

ここで左側に続く海岸線に出てみようかと思いましたが入る道がなく、海岸には行けませんでした。恐らく各海岸ともホテルのプライベート・ビーチになっているのでしょう。やはりここはホテルに宿泊して来たほうが良かったようです。

仕方ないのでそのまま先へ進むと、左の海岸に沿って広い緑のエリアが見えてきました。車を降りてみて見ると、何とゴルフ場です。
先にあるクラブハウスも山小屋風で素敵でしたが、このような観光地で海の近くのゴルフ場なんて一度は来てみたいものです。西洋人の方を中心に何組かがのんびりプレーしていました。

デサルのゴルフ場

さてデサルでの海岸線には出られないので別の場所を探すことにします。先ほどのロータリーの所に出てきましたので、左折して半島の南側に向かいます。真っ直ぐに進むと先ほど通ってきたコタ・ティンギ、左の Sg.Rengit とは半島南端の町です。こちらの方に行くと地図を見ると海岸線に沿った道路になっているので、きっとどこかで海に出られるものと期待です。

ロータリーの看板

道は淡々と平地の中を走っていきます。相変わらず道路の状態は良くなく、車がよくはねてしまいます。このあたりは一般道にかかわらず制限速度90kmなので快適なドライブです。
そう言えばマレーシアは全体的にスピードに寛容なようです。高速道路は110km、一般道の都市近郊で70km、郊外は90kmですから非常に速く移動することが出来ます。その代わり事故も多いようなので注意が必要です。

周囲に何もない内陸部の道


さて少し進むとようやく左側に海がまた見えてきました。ふと見ると何台か海辺に車を止めているのでそこへ入ってみます。
するとそこはやはり綺麗な海岸線になっており、多くの人たちが水遊びをしていましたので我々も車を止めて遊ぶことにしました。

海岸沿いに車を止める

海岸へ行ってみると確かに広いです。流石は世界有数のロングビーチ、右も左もずーっと海岸が続いています。今日は曇りですがもし晴れていたら最高だったことでしょう。しばらく子供たちは靴を脱いで久しぶりの海で遊びます。奥さんはそれを見ていましたが、私は風が強いので車の中で読書していました。

はるか遠くまで続く海岸

1時間ほど遊んだのでしょうか。子供たちが満足した顔で戻ってきたので、また車に乗って出発です。
あとはもう帰るだけなのでそのまま南下して半島南部へ一回出て、そこから北上しさきほど通ってきたコタ・ティンギを抜けジョホール・バルに戻ります。途中でまた雨になった、と思ったらまたまた土砂降りになってきました。いい時に引き上げたものですが、それこそ滝のような雨で前の視界はほとんど確保出来ません。非常に怖い思いをしながらゆっくり(と言っても70kmくらい)走り2時間ほどで何とかジョホール・バルまで戻ってきました。


このあたりで既に夕方5時近く。おなかがすいてきましたが旧正月ゆえどこのレストランも開いていなかった為、以前行ったジョホールのハイアット・リージェンシー・ホテルへ行って見ました。そこのロビー前のテラスで軽食を取って、帰りはきっと第一コーズウエイは渋滞と予想し第二コーズウエイまで迂回しシンガポールへ戻ってきました。
いつものことですがマレーシアからシンガポールに入ると、やはり綺麗で美しいなあ、としみじみ感じます。道路状態もいいし車の運転マナーもなかなか。周囲の景色も綺麗に整った雰囲気なので、本当にシンガポールには住むには良い所と改めて感じます。

ハイアット・リージェンシー・ホテル

こうして2日の小旅行は終わりました。ジョホール・バルはシンガポールよりわずか30分の街ですが、そこを拠点にするとこれまで知らなかった観光地がいくつかあります。今回は東海岸へ行きましたが、地図を見ると西海岸にも「ククップ(Kukup)」という漁村があり、そこにはシーフードレストランが数軒あり非常においしいようです。更にその南には「アジア大陸最南端の地」があり、記念碑も建っているようなので、今度は日帰りでそこへ行ってみようと思います。

(2004年1月25日)