ボタニック・ガーデン

ボタニック・ガーデンといっても聞き覚えのない名称でしょう。これは「植物園」のことです。
普通、植物園とは郊外の広い敷地にあるものと相場は決まっていますが、シンガポールのボタニック・ガーデンはCITYのど真ん中にあります。場所的にはオーチャードより歩いて10分ほど、タングリンの近くで、私が胆石で入院したグレン・イーグル病院の向かいにあります。
ここには2001年9月、まだ単身赴任の頃に買ったばかりのデジカメを持ってたずねてみました。車は入り口の向かいにある公共のCarParkに停めていざ出陣です。

入り口はちょっとクラシカルな感じの堂々とした門構えです。入場は無料なので誰でもいつでも自由に入ることが出来ます。このボタニック・ガーデンは中がとても綺麗、と聞いていたので入る時からわくわくです。

クラシカルな入り口

中に入るとしばらく左右を木で囲まれた舗装道路を歩くことになります。街の中なのに結構木が生い茂っています。非常に天気のいい日でしたが、入ってすぐに雨がパラパラと降ってきました。これは困った、と思ったらすぐ前方に大きな池があり、そのほとりにとてもセンスのいい東屋があったので、そこに駆け込んで雨宿りです。
この東屋(と言っていいのだろうか?)にはシンガポーリアンのカップルと西洋人の女性が1人でいました。雨がやむまで30分ばかり一緒に雨宿りしました。

雨宿りした東屋

さて雨はすぐやんだので、またカメラを持って出発です。ほどなく分かれ道に来ましたが、そこにあった木製の標識がこれまたセンスのいいものでした。とりあえず「Orchid Garden(蘭園)」と書いてある方に行ってみます。

木製の標識

ここから少し上り坂を歩きますが、ほどなく蓮池が見えます。蓮の花なんて見るのは何年ぶりでしょうか。非常に綺麗で見とれていたら、花に赤とんぼが止まったので思わず写真をパチリです。シンガポールでは赤とんぼなんて見たことがなかったので感動でした。

見事な蓮池

蓮の花に止まった赤とんぼ

更に進むと今度は見事な花時計がありました。
季節のせいか花は咲いていませんでしたが、緑のコントラストがとても綺麗な時計でした
このあたりでこのボタニック・ガーデンはただの植物園ではなく、非常にセンスのいい街中の公園であることが分かってきました。
今日は写真撮影が主目的で来ていましたので、この先どんな綺麗な景色があるのか楽しみになってきました。

緑が綺麗だった花時計

この花時計の上にはちょっとした公園があり、そこには休憩出来るベンチがあり回りには花を飾った鉢植えなども多く置いてありました。しかしやはり花はほとんど咲いていなかったのでそのまま素通りします。
その先に行くと何やら綺麗な光景がまた目に入って来ます。見るとやはり西洋東屋的な建物とその前にベンチが置いてありました。これがまた非常に綺麗な風景であったので、またまた感動しながら写真を撮りました。この写真は今でも私の大のお気に入りとなっています。とてもロマンチックな光景で、もしこのベンチに若い女性が座っていたら、とっても絵になったことでしょう。

ベンチのある光景

さてまた進むと今度は見事な蘭の花が咲き乱れていました。これも本当に美しい。確かこの光景は観光ガイドにも良く掲載されていたような。。。蘭の花はシンガポールの国花となっており、国中いたる所にありますが、ここでの蘭の群れはとてもゴージャスで一見の価値ありです。でも蘭の花(木?)というのは結構背が高いものであることが今回初めてわかりました。本当にこのボタニック・ガーデン、1つ1つが感動です。

蘭の花の群れ

さてこの後は「Orchid Garden (蘭園)」に入って行きます。ボタニック・ガーデンそのものは入場無料ですが、この Orchid Garden だけは入場料を払って入ることになります。
中に入るといきなり大きな噴水があります。道は左右に分かれていますが、なぜかほとんどの人は左側に歩いてゆくので、そちらに向かいます。道端には色々な花が咲いていましたが、ここもやはり季節外れなのでしょうか。
ちょっと枯れ気味の感じで咲いていました。きっと春先に来るといいのでしょう。

Orchid Garden の入り口

この公園はさほど広くありません。しかし歩いていると左右には変わった花が多く咲いています。名前は分かりませんが、いかにも南国風の花です。以前ハネムーンでグアムに行った時にも見たような花でした。

いかにも南国風の花

中ほどまで行くとビニールハウスがありましたので入ってみます。すると中には非常に多くの蘭の花が咲いていました。私は良く分かりませんが、色々な種類の蘭の花があります。形も色も異なりますが、これだけ揃っていると流石に綺麗だな、と感じることが出来ます。花に関心のある方が見たら、きっと喜ぶことでしょう。実際、蘭の花が好きだという日本からのお客さんを後日案内したら、とても喜んでいました。

ビニールハウスの中の蘭の花

さてひとしきり中を見たあとはまた出口に戻ります。
この公園、良く見たら道の回りの緑が本当に綺麗です
途中にはセンスのいいで出来た噴水が涼しげに水を出しており、また木で囲まれた緑のトンネルもあったりして、とても気持ちよく歩くことが出来ます
ここが本当に街の中心部なのか、と驚くくらい綺麗で静かな所でした。

石で出来た涼し気な噴水

緑のトンネル

名残惜しいですがここらで帰ることにしました。Orchid Garden を出ると、すぐ隣にはお土産屋さんがあります。色々なお土産を売っているので記念に小物を買って帰るのもいいでしょう。私は暑かったので、その前にあった小さな店でジュースを買って、木陰のベンチで一休みです。

帰りは来る時と違うルートで出口へ向かいました。ふと見ると何やら道端に彫刻らしきものが見えます。良く見たらブランコに乗った少女の彫刻で、何ともいい雰囲気を出していました。その写真を最後に撮影し、帰ることとしました。

ブランコに乗る少女の彫刻

これだけ回って約2時間。街中にこれだけ静かな公園があることに驚くとともに、シンガポールを訪れた人たちには是非とも見てもらいたいと思いました。最近はしばらく行っていませんので、今度また天気のいい日に行ってみようと思います。

(2003年12月9日)