110の王

「百獣の王」と言えば動物の王様ライオンのことであるが、我々ゴルフ仲間において「110の王」とは、いつになっても100が切れず常に110近辺でうろうろしているゴルファーのことを言う。かくいう私もその1人である。

私もゴルフを始めて早くも1年半が過ぎた。毎週のようにラウンドしておりほぼ毎日練習しているのにかかわらず、未だに100を切れない。半年前ほどから110前後のスコアは出るようになったが、そこから先になかなか進まないのである。良くて106、悪いとまだ120前後を叩いてしまう。

私がよほど運動神経がないのかと言うと、どうもそうではないらしい。というのは同じ会社で同じ時期にゴルフを始めたK君。彼は若いときには卓球をやっていて国体にも出たバリバリのスポーツマン。今は30才台であるがまだまだ若い。しかし同じようにラウンドしているが彼も同様に110近辺でうろうろしている。もう1人は本場イギリス駐在時にゴルフを始めたやはり30才台のM君がいるが、彼も同様。

私も含めたこの3人は良きゴルフ仲間でありよきライバルであるが、いつも昼休みとかに
「なんで100を切れないんだろう」
と互いに話している。毎週やっているのでかえって緊張感がないのか、それともシンガポールのゴルフ場は日本よりよほど距離が長いのでその影響か、暑いからか、など議論しているのだが、さっぱり原因は分からない。

色々と会社のゴルフの先輩達に聞くのだが「どうしてなんだろうなあ」とやっぱり分からないのである。いつかは突然ブレークしてあっさり100は切ってしまう感じはするのだが、その期待を込めてラウンドしても結果は毎度110前後なのである。

ドライバーの飛距離か、アイアンの精度か、アプローチやパターか、とあれこれ練習してみて、各々の技術はまだヘタクソなりに少しは見れるようにはなってきた。でもどこかのホールでバンカーやラフにハマって大叩きというのが必ず1~2はあり、そこで100切りの夢は絶たれてしまう。「あれがなければ、これがなければ」と「たられば」を言っても仕方がない。それは皆同じ条件であり、それで普通の人は90台で回っているのだから。

冷静に考えるにメンタル的な部分もあるだろうし、やはり一番の原因は「緊張感の欠如」なのではないか、と最近思っている。日本では月に1回もゴルフが出来ないので1回1回を大事に回るのだろうが、こちらは毎週やるのが一般的なので、もし悪い結果が出ても「まあ、来週があるさ」ですんでしまうのが良くないのかもしれない。

これからはもうどうやって緊張感を維持しながらラウンド出来るか、良く考えてみようと思う。

目標は2003年、年内の100切り!

(2003年10月26日)