横浜の3大料亭

2011年に横浜に引っ越してから分かったことですが、横浜には3大料亭と呼ばれる有名な料亭があります。
具体的には、①田中屋 ②滝川 ③あいちや の3つです。
いずれも敷居が高くて簡単には行きにくいのですが、各料亭の特徴を記したいと思います。


一番の老舗料亭と言えば「田中屋」であろうかと思います。
「JR横浜駅きた西口」より徒歩6~7分の台町という町の旧東海道沿いにあります。
実はこの田中屋、私が横浜で借りたマンションの斜め向かいにあります!
ちなみに後に述べる「滝川」は同じ旧東海道沿いで田中屋の数10m先にあるので、本当に近くに2軒あることになります。

自宅マンション前より撮影した旧東海道 右端に写っているのが田中屋

田中屋

実はこの台町というのは横浜駅から近いのですが少し高台になっており、江戸時代はその下がすぐ海であったそうです。つまり今の横浜駅周辺の平地は江戸時代は海の底であったということです。そのため台町の縁に立っている田中屋は、昔の東海道の海沿いの縁に建っていたことになります。

その様子は歌川広重の東海道五十三次の神奈川宿の絵にも描かれており、上から三軒目の「さくらや」が田中屋の前身であったとのことです。田中屋が買収したのは1863年ですので江戸末期ですから、とても由緒ある料亭ということになります。
米国総領事ハリス、伊藤博文、西郷隆盛、高杉晋作などが倒幕の計画を練ったともいわれるお店でもあります。

東海道五十三次の神奈川の絵 右が旧東海道 上から三軒目がさくらや(田中屋の前身)

田中屋でもう1つ有名なのは、坂本龍馬の妻の「おりょう」が龍馬亡き後この田中屋で中居として働いていたということです。勝海舟の仲介で2~3年働き、その後、横須賀に嫁に行ったということでした。

田中屋には私は接待で1回だけ行きましたが、歴史ある建物で内部には古くからの家具や各種の写真が多くあり、女将には過去の歴史を聞かせてもらうことが出来ます。
とても敷居が高く普段は行けませんが(向かいに住んでいたのですが)、間違いなく横浜で一番格式のある料亭であると言えます。
田中屋の正面にはその歴史などが記載された説明書きが立っているので、近くに寄られたら一読すると良いでしょう。


次は、田中屋のすぐ近くにある「滝川」です。
開業は1947年(昭和22年)ですので田中屋ほど古くはありませんが、結構なVIPの方が使用している由緒ある料亭のようです。
残念ながら私はこの滝川には行ったことがないので中がどうなっているかは分かりません。

ただ、田中屋も滝川も平日夜には付近に黒塗りの車が数台止まっていることがよくあるので、やはりVIPの方々の使用が多いと思われます。

滝川


最後は「あいちや」です。
創業は1949年(昭和24年)横浜駅西口の南側、東急ハンズの近くにありました。

実はこの料亭、私が当時勤めていた会社でよく使っていたので何度か行きましたから愛着があります。芸者さんも若い方もおり、有名料亭としてはさほど敷居が高い感じがなく、結構お気軽に出入りできたのが良かったです

あいちや

各個室も次の間を持っていて広いのですが、確か20畳ほどの広い和室もあり、何とそこには専用のカラオケマシンを持ち込むことも出来ました! 大型のモニターも持ち込めて歌詞も出るので、カラオケ店と何ら変わることなく歌うことが出来ます。
よって7~8人の人数で行った時はその部屋を予約し、料理をあらかた平らげ酔ってきたところで芸者さんとそのまま部屋で肩を組んでカラオケを楽しんでおりましたでも誰かが歌っている間は誰も聞いておらず、皆おのおの部屋の中のあちこちでどんちゃん騒ぎをしているという、非常に楽しい料亭でした。

それだけでなく料理も美味しく、ミシュランで何度も星を獲得した料理を味わうことが出来ました

しかし誠に残念ながら、2016年(平成28年)にあいちやは閉店してしまいました後継者問題があったようで、なじみのあった料亭であっただけにとても残念です。


以上が横浜3大料亭(今は「あいちや」はないので2大料亭)でした。
少し高いですがランチもやっているようなので、一度行ってみるのも話の種に良いかもしれません。

(2024年7月8日)