パチンコの研究

さて話はまた昔話に戻る。
高校を出てパチンコを覚えた私は、最初なかなか勝てず非常に悔しい思いをした。
そこでもともとが負けず嫌いの私は本気でパチンコ必勝法の研究に取り組むことにしたのである。当時のパチンコは現在のようにデジパチや羽物などはなく、単純なチューリップだけの、いわゆる「平台」しかなかった。
よって「釘読み」こそが必勝法そのものであったのである。

まず「パチンコ必勝法」、「釘の読み方」などの本を何冊か買い込んで勉強を始めた。いくつかの本を読んでいて共通点に気付いてきたので、それを実践でもいろいろと試してみたのである。

まず、命釘(チャッカーのすぐ上にある2本の釘)とは単に開いているだけでは良くないということが分かった。
台をぱっと見た限りでは命釘が開いていれば玉はどんどん入りそうな感じがするのだが、実際にはその上にある釘(落としの場合はハカマ釘)との位置関係も重要で、いくら命釘が開いていても、その上の釘が左右にズレていれば命釘に玉ははじかれてしまいチャッカーに入りにくいのだ。これは意外な盲点で、素人にはまず気付かれないであろう。しかしこの左右のズレは非常に微妙でこれを読むのは難しく、何発か打ち込みながら玉の動きを見て判断していたものである。

次には台の傾きである。
基本的にパチンコ台というのはわずかに奥に寝るように傾いているものである。しかしそれは目で見た限りでは分からない。打ってみて初めて分かるのである。
パチンコ台は基本的に、寝ている時は玉が入りにくく、立っている時はボロボロと入るのである。なぜかと言うと、盤面より出ている釘を良く見ていただきたい。付け根の部分は狭いが先のほうで開いているのだ。と言うことは、台が寝ていると打った球は盤面に沿って動くので、釘の狭い部分を通過する、すなわち入りにくく、逆に台が立っている時は盤面より浮いて通るので、釘の開いた部分を通過するため入りやすくなるのである。

では台が立ったり寝たりするのはどういう時か、と言うと、これは非常にシンプルな結論になる。つまり台には入賞玉をチンジャラと出すために台の上には玉をプールする所があるが、そこに玉がたくさんある時はその重みで台が後ろに寝てしまうのである。だから朝一や玉補給した直後は台が寝るので、入りにくくなってしまうのだ。逆にそこの玉が少なくなると今度は台が立ってくるので、ボロボロと玉が入りやすくなるのである。
これは現在のデジパチでも同じ現象が起こる。スタートチャッカーに玉がボロボロ入ったかと思ったら、しばらくすると「ガ~ッ」と玉を補給するであろう。その後、なかなか入らず回らない、という経験をしているであろう。それもまさしくこの現象なのである。

あとは、以前は天候により入りやすさが変わるということもあった。良く言われたのは「雨が降ると入る」ということである。
これは昔は事実であった。パチンコ台の盤面はベニヤ板で作られており湿度に弱いのだ。だから急に雨が降ると湿気で盤面が緩み、そうなると釘まで緩んでしまうので、玉が面白いようにボロボロと入るようになるのだ!
しかし残念ながら現在ではどこもエアコン完備となっているので、こうした湿度の影響は受けることなく、この法則は過去のものとなってしまっている

この他にもいろいろと法則はあり、現在でも適用できるものも多々ある。
が、しかし、コンピュータ制御のデジパチ主体の現在は、釘を読む力よりも、むしろ台の調子の流れを読む力、台ごとのコンピュータの出来具合の個体差を見極める観察力が問われるのである。
これについては、また別途、記述したいと思う。

(2005年11月12日)