ついに100を切った!!

昨日、2004年1月10日ついに念願かなって100を初めて切った!

しかもミドルホールでの初めてのバーディー(生涯3回目のバーディー)とニアピン4階建てのおまけ付きである。
嬉しい! 嬉しすぎる!
いや~、ゴルフを始めて苦節1年と9ヶ月にしてようやく100を切ったのである。
スコアは前半51、後半47(ハーフベストでもある)、合計98であった。

昨年はとうとう100を切ることが出来なかったので、今年こそ、と思っていた。本年の初打ちは1月3日、マレーシアの Palm Resortへ行き Allamanda courseを回ったのだが、前日1時間しか寝れず完全な睡眠不足でメロメロ。112を叩いてしまっていた。今回はそれを反省し前日はたっぷり睡眠を取って臨んだのである。

行ったのはSentosa / Tanjong course、とても難しいが私に取っては昨年後半に自己ベストスコア103を出した相性のいい大好きなコースである。しかし難しいINの10番ロングからのスタートであった。

Sentosa GC

更に憂鬱であったのは、実はこの1ヶ月ばかりドライバーが全く当たらなくなっていたことである。本当にダメで、チョロかどテンプラでレディースティーまでしか飛ばない、うまく当たっても地を這うような低い玉でぜんぜん飛ばない。完全なスランプであったので、先週は後半3日間、会社の帰りに特訓し800発ほど打っていたのだ。そのおかげでようやく「カン」を取り戻しつつあり、本日はちゃんと当たるか、とても心配であった。

では記念すべき100切りの経緯を記そうと思う。


<#10 ロング> スタートホール
ここは左ドッグ、左OB、右ガケの朝からいやらしいロング。セカンドショットは右池、左OBで気を抜けない。とにかく朝一は最近スランプのドライバーがちゃんと当たるか非常に不安。しかしそれは杞憂に終わった。軽く上げて振り下ろしたら「スパーン!」と快音とともにボールは真っ直ぐに飛ぶではないか! おお! やっとスランプ脱出か。嬉しかった。しかも飛びすぎてあと10メートルも行ったら奥の林に突っ込むところであった。危ない危ない。セカンドは4Iで少しトップ。
3打目は池の手前にきざむつもりで9Iを持ったらこういう時に限ってよく当たるもの。飛びすぎて池ポチャ。。。悲しい。。。
このホールはトリプルボギーの8最悪のスタートであった。

<#11 ミドル>
ドライバーは相変わらず良く当たる。先週までのスランプがウソのよう。実に気持ちいい。セカンドはちょっと右にはずれてグリーン右のバンカーへ。狙って打ち込んだら何とボールに直接当たってホームラン!
飛んだのはグリーン奥の林。しかもそこはOB! うわ~~!いっきなりOBかいっ!
結局ここでもダブルパーの8を叩いてしまった。最悪・・・。

<#13 ショート>
高台からの激しい打ちおろしのショート。7Iで見事ワンオン。しかしうねったグリーンに手を焼き何と4パット!結局ここもダブルボギー最悪は続く・・・。

<#15 ミドル>
幸運は突然やってきた。
ティーショットはドライバーが相変わらず良く、真っ直ぐにフェアウエイキープ。セカンドはグリーンまで160メートル以上残っている。私は現在ミスした時の被害が大きいためフェアウエイ・ウッドは封印しアイアン以外は使わないようにしている。しかも3Iは使えないので4Iから。4Iでは飛距離は150メートルなのでどうやってもグリーンには届かないが手前に落とすつもりでゆったり振ると・・・。

これが今日一のナイスショット! スパーン!と実に気持ちよく振りぬけたのである。ターフも「ビシュン!」と取れてプロみたいに打てたのである。我ながら格好いい(笑)!
ボールは得意の低めの弾道で勢い良く飛んで行き、見るとグリーン左手前の小高い丘の向こうにスーッと落ちて行った。「おお!乗ったか!」と思っていたら右に傾斜したグリーンの上をボールがころころと転がってゆき、何と!ピン横2メートルのところにピタリと止まるではないか!この時は「パーは楽勝だな」と思ってルンルン気分で歩いていった。
グリーンに乗ってみると2メートルのスライスライン。ちょっと入りそうもないがまあ近くまで寄せようと気楽に打ったら・・・ころころとラインに沿って転がってゆき、そのまま「カコ~ン・・・」と入ってしまった!

「うわ!バーディーだっ!!」

嬉しい!私にとってバーディーはゴルフを始めてこれまで2回しか経験がなかった。しかも2回ともショートでのバーディーであったので、ミドルでのバーディーは初めての経験。これは実に価値あるバーディ-であった。

これまでの最悪の状態からこのバーディーで流れが変わり、前半は大叩きを覚悟していたにかかわらず、何とか100切り射程圏内の51でおさまったのである。期待を込めて後半に臨む。


<#1 ミドル>
いつも朝からハマる難しいミドルである。左は深い谷で入ったら出すのも苦労する。右は林でマムシが出る!よってここではドライバーは持たずに4Iでティーショット。グリーン前のクリークは安全にきざみボギーで上がれた。いつもダブルパーを叩くこのホールでのボギーは自分としては最高である。

<#2 ショート>
海に向かって打ち下ろす160メートルある長いショート。私はここでいまだかつてワンオンしたこともなければパーを取ったこともない苦手なホールである。クラブはまた4I。「スパ~ン・・・」と気持ちよく当たったがちょっと右か。距離はぴったりであったがグリーンをわずかにはずし右の土手に止まる。
危ない危ない、もうちょっと右だったら転げ落ちて深いバンカーに入るところであった。うん、さっきのバーディー以降は運にも恵まれているようである。
ここは寄せてパー。初めてこのホールでパーを取ることが出来た。

<#5 ショート>
打ち上げ130メートルのショート。
これまで3つのショートで誰もワンオンでパーを取っていないので、これが最終チャンスである。5Iで打ったら何とかワンオン。他の3人は誰も乗らない。チャンスである。
慎重に狙って無事に2パットでパー「やった!ニアピン賞4階建て!」
これも初めての経験。実に気持ちよかった。

さてここで残り4ホールである。ロング、ミドル、ミドル、ミドルと続くが、ここでスコア計算をしてみたら「全てダブルボギーであがれば99」になり100を切れることが分かった!
「よし!頑張るぞ!!」
とにかくトリプルボギー以上の大叩きをしないことである。

<#6 ロング>
高台から激しく打ち下ろすロング。ティーショットはこのあたりで疲れが出てきたか、ちょっとおかしくなりテンプラを打ってしまった。わずか150メートルしか飛ばず右バンカーの手前。セカンドは右には林があるので左の池方向に向かって打った。
最初4Iを持ったが「何となく池に突っ込みそうな予感がして」急遽5Iに持ち替え。これが大正解! 非常に良く当たり池に向かってまっしぐら!「うわ~、届くな!」と祈ったのがきいたのか池の手前5メートルほどに落ちて止まったのである。危ない危ない。4Iで打っていたら池ポチャで即死であった。
あとは池を避けて慎重に打ってダブルボギー。
本当はボギーにして少しでも100切りに向けて「貯金」をしたかったのだが仕方ない。まあ計算通りということで次へ進んだ。

<#7 ミドル>
ティーショットは左に大きな池。右前方にも池のいやらしいホール。さっきからあれほど調子が良かったドライバーに乱れが出てきたことを気にしていたが、ここでついにやってしまった!
ティーショットは右に飛んでしまい何と!池ポチャ! がっかりしながらドロップして池超えでグリーンを狙ったら、またトップして池ポチャ!!

ここにきて2回連続で池ポチャしてしまったのである。

そのあとは気を落ち着けて何とか上がったが、とうとうここで痛恨の8、ダブルパーを叩いてしまったのである。
ここで今日も100切りは完全にダメかと半分あきらめかけた。しかしあきらめてはいけない!
残り2ホールをいずれもボギーであがれば99となり100を切れるのだ!と自分に言い聞かせ次のホールに向かって行った。

<#8 ミドル>
いよいよ残す所は2ホールである。このホールはティーショット池超えで右前方にはバンカーがあり右90°の右ドック。ティーショットさえ真っ直ぐに飛ばせれば残りは120メートル程度でありパーを取りやすいホールであるが・・・。
ちゃんと当たるか不安をいだきながらドライバーを振ると少し右にスライスしてしまった。「バンカー超えろ!」と叫んだがボールはあえなくバンカーの中へ。がっかりである。
バンカーの中に入ってみたら残りピンまで80メートル程度なのでピッチングで軽く打ったら何とチョロ!

「うわ~!バンカーでチョロかいっ!」

気を取り直してまた打ったら今度はちゃんと当たりグリーンの右端にオンできた。3オンである。
ここで3パットしたらダブルボギーとなり次の最終ホールでパーを足らない限り100を切れない。しかしピンに向かっては若干フックラインの下りという難しいライン。流石にここではモロにプレッシャーがかかる。
慎重に狙ったがころころ転がっていきカップをかすめ2メートルもオーバーしてしまった!次を入れないと最悪である。いや、この時ばかりは時間をかけてラインを慎重に読ませてもらいいざ構えたが、「すごい緊張!」である。これほどのプレッシャーも久しぶり。「ままよ!」とばかりに「エイッ」と打ったらころころ転がってゆき見事「かこ~ん・・・」と入ってくれた。

嬉しいっ!実に嬉しいっ!

何とか首の皮1枚つながったのである。

<#9 ミドル>
さていよいよ最終ホールである。ここをボギーであがれれば念願の100切り達成である。もう心臓バクバク、緊張しまくりである。しかしこのホールは左ドッグでセカンドから長い距離を打ち上げる結構難しいホール。いつもはトリプルボギーを叩いている難ホールなのである。
問題のティーショットは打った瞬間「トップ」と分かる玉。「うわっ」とボールの行方を見るとトップで低い玉ながら何とか真っ直ぐに飛んでくれフェアウエイ真ん中に止まってくれた。もう「ハラハラドキドキ」である。とにかくボギーであがるには一度たりともミスは許されない。大変である。
セカンドは4Iで打つが少し右に曲がりグリーン手前の丘の中腹に止まる。前上がりの非常にいやらしいライである。ここでは過去にシャンクやらダフリやらをやらかしているので、次のショットは何度も素振りをして「ミスるなよー!」と祈りながら軽く打った。その甲斐ありグリーンに何とか乗せることは出来た。さあ、ここで2パットで入れば100を切れるのである。

しかし見るとこのグリーンは手前に大きく傾斜しており2段グリーンになっている。ピンは段の上、私のボールは右手前の段の下。ピンまでは段を超えてその先の傾斜のフックラインを乗り越えて10メートルは打たなければならない!

難しい!難しすぎる!

はっきり言ってこの時点で半分あきらめかけた。しかしあきらめてはいけない!
せっかくここまでたどりついたのである。とにかく最初のパットを少しでもピンに近づけることである。

この難しい上りのラインを何度も繰り返し慎重に読む。今日はこれまでパットはショートが多かったので少し強めに思い切り打つことで決め、いざ構えた。流石に緊張でガチガチになってきた。ものすごいプレッシャーである。しかしここで固まるとミスをするのは分かりきっているので「ままよ!」とばかりにここでも思い切って打っていったのである。あとはボールに聞いてくれ!

ボールはころころと転がって段に差し掛かる。その段の傾斜に負けて止まってしまったら万事休すである。祈るように見ていたら何とか段は乗り越えていった。「よし!」
問題は段を超えた段階でどれほど曲がるかである。それも「くいっ」と左に15°ほど曲がり予想通りであった。
次は問題の傾斜面でのフックライン。残りはあと5メートルはある。どきどきしながら見ているとボールはころころと予想したラインに沿って曲がっていくではないか!しかも、カップに向かって曲がっていく!
「よ~し!そのまま!」と第四コーナーを過ぎた競馬みたいに叫ぶ。

そこで奇跡は起こった。ボールはそのままころころと転がり見事カップに「カコ~~ン!」
一瞬の沈黙。そして、、、

「やった~!!」

見事な、思ってもみなかった見事なパーである。思わずガッズポーズ。
99どころか堂々たる98!

ついに、ついに、悲願の100切り達成の感動的な瞬間であった。

途中何度もあきらめかけたのだが、あきらめず最後まで粘って本当に良かった。
やっと、本当にやっと100を切ることが出来たのである。その後のランチタイムは一緒に回った方々からも祝福を受け最高の気分であった。


さて、その帰り、ちょうど奥さんから電話が入る。今、長男と一緒に明治屋にいるのでゴルフが終わっていたら迎えに来てもらいたいとのこと。もちろん気持ちよく承諾。その時に奥さんや長男が「スコアはどうだったの?」と聞いてくるが「あとで話すよ」と楽しみを先延ばしにしておいた。と言うのは2人とも昨年より「お父さん、早く100を切れればいいね」と言い続けていたからである。

車に2人を乗せ今日の経緯を順を追って話してあげた。最後のパーの話をして黙ってみていたら、流石にゴルフ好きの長男はすぐに気づいて「お父さん、それ、もしかして98であがったの?!」と聞いてきたので「うん、そうだよ」と答えたのだ。
その瞬間である。

奥さんと長男が突然「パチパチパチ」と拍手をして「お父さん、おめでとう!」と言うではないか!

いや、これは本当に嬉しい。運転しながら「ぐすっ」と思わず涙ぐんでしまったのである。

こうしてようやく私も100を切ることが出来た。今日この日のことは生涯忘れないであろう。かねてから100を切るならここで、と思い込んでいた大好きなセントーサで100を切れた。このセントーサでのゴルフの思い出も決して忘れないであろう。
一生の記念日である。

(2024年2月8日追記)
この初の100切りをした時のことは、今でも各ホール毎の状況をよく覚えている。時々このことを思い出し感動に浸っている。それほどこの日のことはインパクトが大きかった。生涯忘れることはないであろう。

(2004年1月11日)