ケアンズ旅行-3 アサートン高原

~ アサートン高原の自然散策 ~

◆アサートン高原へ◆

さて今日はケアンズの南西にあるアサートン高原へのツアーに行きます。
いつものようにホテルに迎えに来たのはオーストラリア人の男性で名前はグレッグさんです。この方は日本に1年半住んでいたことがあるとのことで、日本語も少し話せますから、本日は日本語でのガイドとなりました。ちなみに奥さんも日本人だということです。

昨日とおとといのツアーは日本人ばかり観光バス数台の大きなツアーでしたが、本日は10人乗りくらいのベンツのワゴン車での出向かえです。今日は少ないのかな、と思って聞いてみると「今日はあなた方家族4人だけですよ」ということで非常にラッキーでした。
まるで専属運転手付きのフリーツアーみたいなもので、時々コースをはずれたりして気ままに観光することが出来ました

まず車はおととい行ったスカイレール乗り場の方に向かって走ります。このワゴン車は中が広くてとても快適です。グレッグさんと世間話をしながらわいわいと走って行きます。

 


少し走ると山道を登って行きます。途中に展望台があるので車を止めてもらって写真撮影。ここからはケアンズの街はずれと遠くには海が良く見え、景色は最高でした。まだ朝なので太陽の光が海に反射していたのがとても綺麗であったことが印象的です。
いくら暖かいとは言え一応冬なのでしょう。風が涼しくとても気持ち良かったです。
展望台の景色を楽しんだ後は、また山道を登って行きます。しばらく走ると、おととい乗ったスカイレールの下をくぐっていき、キュランダの街に入っていきました。もしかしておとといと同じ場所に行くのではないだろうな、と心配しましたが、そういうことはなくキュランダの街を過ぎていきました。

展望台から見た景色

◆山の中の一軒家と蟻塚◆

その先はしばらく気持ちのいい高原道路が続きます。回りには人家などなくとにかく広いのです。
そのうちにポツポツと50センチから1メートルくらいの大きさの土の塊らしきものが目立ってきたので、グレッグさんに「あれは何?」と聞くと、何と答えは「蟻塚(ありづか)だよ」と言うではないか。驚いて「ええ?蟻ってあの小さい蟻のこと?」と思わず聞き返してしまいました。「是非、近くで見てみたいね」と話すと、グレッグさんは近くの1軒家のお店に車を止めてくれました

途中で立ち寄った一軒家のお店

そこのお店のすぐ近くには何と1メートル50センチはあろうかという巨大な蟻塚が数個ありました。触ってみると確かに土を固めて作られたものですが、非常に固く中には蟻がたくさんいそうです。子供たちは喜んで蟻塚の上に登ったりしていました。ここの蟻塚は有名らしくて大抵の観光ツアーでも立ち寄るそうですが、近くでじっくり見ると改めてすごいな、と思いました。
ちなみにこの蟻塚、この後も山の中のいたるところにたくさんありました。流石に1メートルのものはありませんでしたが、50センチくらいのものは数多くあり驚きました。

巨大な蟻塚

しばらく蟻塚を見て皆で写真を撮ったりしているうちにのどが渇いてきたので、お店に入っていきました
中には気のいいオーストラリアンのおばさんがいて明るく色々と話し掛けてくれ、私はスイカジュースを頼みました。そうしたら奥のミキサーを出してきて、次には30センチ以上はあるかという大きなスイカを持ってきて目の前でジュースにしてくれましたが、これがまたおいしかったですねえ。しかもかなり安い。うん、満足です。
ふと見ると私の奥さんは色んな野菜を珍しげに見ながらそのおばさんと何やら片言の英語で話をしています。団体ツアーではここまで地元の人と親しく長い時間、話をすることは出来ないでしょう。そういう意味でも今日のツアーが我々家族4人のみというのは本当にラッキーであり、いい経験になりました。

◆コーヒー農園◆

さてのども潤ったのでまた出発です。
今度は山の中の小さな街に入り、そこにあるコーヒー農園に入って行きます。そこにはコーヒーの歴史からコーヒーを挽く古い機械が展示され、小さなカップでいろんなコーヒーの試飲を楽しむことが出来ました。
でもこのあたりは本当に山の中の田舎街という感じで、とってものどかでしたね。静かだし適度に暖かいしもう最高の気分。観光客もパラパラとしか来ないですから、ゆっくり出来ました。
グレッグさんによるとこの近くに老後の別荘地として広い土地を買った日本人夫婦がいるそうです。土地の単位は坪や平方メートルなんかではなく、ヘクタールだそうです。ものすごーく広くて700万円だったそう。うらやましい限りです。

◆野生のロック・ワラビー◆ …とても可愛い

お次はいよいよ野生の餌付けしたロック・ワラビーを見に行きます。ロック・ワラビーとはカンガルーの一種で、とても小さい可愛いカンガルーであるとのことですので楽しみです。
かなり山奥に入って行きます。このあたりに来ると道路は舗装されておらず懐かしい砂利道でした。途中でこんな山の中に自転車で旅行をしているカップルとすれ違いました。驚きです。しばらくゴトゴトと走るとロック・ワラビーのいる辺りに出てきます。入り口で餌代と交換で餌をもらっていざ見に行きます。

餌をもらって歩いて行きます

少し奥にはいると非常に大きな岩があるエリアに出てきます。
そこに入ると、おっ! 奥から小さいロック・ワラビーがぴょこぴょこと出てくるではないか! 「うわ~! か~わいいっ!」と思わず叫ぶほど可愛いです! 見ると5匹はいたでしょうか。餌を求めて私たちの回りにまとわりついてきます。

手のひらに餌を乗せて突き出すと、ロック・ワラビー達は小さな前足で私達の手のひらを「がしっ」とつかまえて餌を食べます。この仕草がまた可愛いです。良く見るとそのうちの一匹はおなかに赤ちゃんが入っており顔を出しています
うーん、可愛い、可愛い過ぎる!

おなかに赤ちゃんがいます 可愛い過ぎる!

時間を忘れて可愛がっているうちに餌が尽きてしまいましたが、ロック・ワラビー達も名残惜しそうにしばらくここに残っており回りをうろうろしていました。


さて、せっかくですから奥にある大きな岩の上に登って見ます。ここは本当に山の中であり、回りはずーっと森になっています。
空は青く空気もすがすがしく最高の気分。下の方からは川のせせらぎが聞こえてくるし、良く見るとさきほどのロック・ワラビーたちがぴょこぴょこと歩いています。

大きな岩の上からの雄大な眺め

ロック・ワラビーともお別れです

しばらくこの景色を楽しんだ後、名残惜しいですがまた出発です。そろそろお昼になったので、昼食を取りに行きます。
またしばらく先ほど走ってきた砂利道を車で走って行きます。しばらく走ると先ほどすれ違った自転車旅行をしているカップルを追い越して行きました。こんなに広い山の中を自転車で旅行しているなんてとても勇気あると思いました。

◆昼食と高原めぐり◆

ほどなくして大きな湖が見えてきました。ここは昔作ったダムであるそうで、その湖畔に建っているしゃれたレストランに入って行きます。風通しも良く景色も良いこのレストランで皆はステーキ、肉が嫌いな私はシーフードのフライを食べました。食後は少し近くを散策です。いかにも高原らしい大きな木がたくさんあり非常に気持ちのいい思いをしました。

さてしばらくしてまた出発です。今回のツアーは私達家族だけなので自由に時間配分が出来、大変のんびり回れています。
少し走ると住宅地がありそこの上に展望台がありますので立ち寄ります。上に立って見るとはるか遠くまで見渡すことが出来ました。空は青く緑は綺麗で素晴らしい眺めでした。
このあたりに来ると駐車場にはキャンピング・カーが目立ちます。やはり広いオーストラリアのこと、普通のワゴン車では荷物が積みきれないのかもしれませんが、何よりもこの雄大な自然に触れるにはキャンプしながら旅行するのがいいのかもしれません。次回来る時は是非ともトライしてみたいと思います。

今度はまた山の中に入って行きます。しばらくすると「Curtain Fig Tree」という看板が見え、入り口から遊歩道を奥に入って行くと名前の通りカーテンのように細い枝が垂れ下がった木がありました。説明書きによると最初に大きな木の枝に小さな木がはえてきて、それが増殖しながら垂れ下がってこういう姿になったそうです。とても珍しい眺めでした。

Curtain Fig Tree 入り口の看板

大きな木からたくさんの枝が垂れ下がる

さてまた出発ししばらく走るとまた小さな街に出てきました。このあたりには何軒かのレストランやお土産屋さんが並んでおり、その1軒のお土産屋さんに入ってみます。名前が「Wood Work」というだけに中には木で出来た飾り物がたくさんありブーメランまであります。
珍しいものが色々とあるので、しばらく見て楽しんでいました。奥さんは木で出来た飾り物をいくつか買っていました。
このお土産屋さんは木造2階建てになっており、2階のベランダに出て見るとあたり一面が見渡せました。とても静かな小さな街で家は10軒くらいしかなかったです。たまにはこういう街でゆっくりするのもいいものだと思いました。

立ち寄ったお土産屋さん

雰囲気のいい小さな街

◆湖の探検◆

楽しいときはあっと言う間に過ぎるもので、既に午後3時を過ぎてきました。
最後に訪れたのは高原にある湖です。ここは一周10kmくらいあり回りを散策することも出来ますが、本日は時間がないので船に乗っての探検をしました。この船は「Rainforest Cruise(熱帯雨林クルーズ)」といいます。ここでも船に乗るのは私達家族のみで貸切です。回りには白人の人たちが10人くらいしかおらず静かな湖でした。

湖の船乗り場

この船は中に長いすがある構造で、窓はなく風が通り気持ちのいい船です。先頭部はデッキになっており、そのすぐ後ろに船頭さんがいて操縦するようになっています。乗り込んですぐ出発です。

出発したらすぐ左にきなペリカンみたいな鳥がやってきました。しばらく一緒に泳いでいましたが船のスピードにはかなわず次第に後方に下がって行った、と思ったら何とこの鳥、バサバサバサー、って低く飛んできます。これ、結構迫力あり、驚いて見ているとまた着水して一緒に泳いでいます。また、良く見ると一緒に小さな鳥も数羽泳いでいます。湖を半周するくらいはこれらの鳥達を従えて一緒にいました。可愛いものです。

船の隣を泳ぐペリカン

湖の反対側まで行くとそこは自然あふれる情景です。湖畔には倒れた木が何本もあり、その上に良く見るとトカゲとかがはりついています。少し先まで行くとちょっとした入り江みたいになっており、そこに船を一時停泊させます。グレッグさんが何か見つけたようなので先頭部に行って見ると、透明な水の中におおきなウナギらしきものとカメが泳いでいます。うーん、素晴らしい。日本の湖では決してお目にかかれない光景でした。

さて今度は出発地点に戻ってきます。船の上から見た湖はとても綺麗でした。途中、鳥が飛んできたのでパンをちぎって投げると見事に後ろ足でキャッチして飛んで行きました。

記念に船の先頭部でグレッグさんと長男を並べて記念撮影です。


船を下りると湖岸に先ほどのペリカンみたいな鳥がさびしそうに立っていました。せっかくなので少しだけ湖畔の散策路を歩きます。いくつか大きな木があったりしましたが、いくつかの木は幹が空洞になっています。どうしたんだろう、と思って見ると何とシロアリに食われていました。恐るべしシロアリ、世界中にはびこっているようです。そのあとは子供たちはしばらく湖畔で遊んでいました。幸せなひとときです。

いよいよホテルに向かって出発です。帰り道は皆で疲れきって車の中で寝ていました。
しばらくしてホテルに到着しました。グレッグさんとはここでお別れ、名残惜しいですが握手してお礼を言って別れました。本当にグレッグさんには今日一日お世話になりました。

◆夕 食◆

ホテルで少し休憩したあとはまた夕食に出かけます。今日は街中の「パシフィック・インターナショナル・ホテル」にある「ウオーターフロント・グリル」です。ここはステーキとシーフードの鉄板焼きが売り物で確かにおいしかったです。ちょっと気取った感じで食事できるいいレストランでした。

今日まで3回ケアンズで夕食を食べましたがJTBのアレンジは良かったと思います。行くともちろん予約が入っており、店内でもいい席に案内してもらえます。テーブルの上には日本語での本日のコースメニューが専用で作られているし、ボーイさん達の対応も非常にいいものでした。もしかしてVIP扱いになっているのかもしれません。ちょっとお値段は高いかなとも思いますが、初めての慣れない土地でのきめ細かな対応には安心感があり、満足感も高かったと思いますのでお勧めです。

さて満腹したあとはぶらぶら歩いてホテルまで帰りますが、本日もまたナイトマーケットに立ち寄りお土産を買って行きました。
ホテルに着いたらもう疲れていたので、皆ですぐ寝てしまいました。こうしてケアンズの最後の夜は過ぎて行きました。

(2003年9月7日)