冬のゴルフ

さて帰国後は何度かゴルフに行っていたのであるが、ここは日本。3月に帰国し初のゴルフは5月に行ったが、この季節はとてもすがすがしく気持ちよくプレー出来た。
とにかくゴルフしていて汗を全くかかないのである!
シンガポール時代は常夏の国、年中いつゴルフしても、とにかく汗まみれになってプレーするのが当然であったのでこれは新鮮な感動であったのだ。
しかし反面、夏は暑い。その体感的な暑さはシンガポールの比ではなく、とにかく暑い。でもまあ、暑いことには慣れていたのでそれほど悲惨な感じではなかったのだ。そのうちに今度は秋になり、またすがすがしいシーズンとなったのだ。ここまでは良かった。

だが、秋が終わり12月に入ってまたゴルフに行く機会があったが、今度は流石に考えた。つまり冬のゴルフは初めての経験、いったいどんな服装で行けばいいのか分からないのであった。色々考え人にも聞いた結果、冬の大敵は風である、とのことであったので、ゴルフショップに行き動きやすいウインドブレーカを買い込んで、セーターの上にそれを着てプレーすることとした。


さてさて12月のある日、恐る恐るゴルフに行ってみた。行ったのは千葉県内の中山CCである。千葉県なので基本的には暖かい所である。確かに朝、レストランでコーヒーを飲んでいる間は外の日差しがとても暖かそうで、どうみても寒そうには見えなかった。実際に外に出ても寒さは思ったほどではない。
な~んだ、日本の冬といってもたいしたことないな。
そう考えたのが、そもそも悲劇の始まりであった。

中山CC

しかし、いざ順番になり、1番のティーグランドにあがってみると、
風がピュ~ッ・・・と吹いてきて、、、
とてつもなく寒い!

厚着をしていたのであるが、じっと立っているだけで寒い。しかもしかも!
少しでも風がピュ~~ッと吹くと、とんでもなく寒い!
いやいや、これにはまいった。とにかく我慢出来ないくらい寒いのである。
順番を待っている間、準備体操をやっていたが、とても寒くて真面目に動く気にならない。しかも、目から涙は出てくるし、鼻がたれそうになるしで、早くも嫌気がさしてきた。

さてそれでも私の打つ番になったので、いざティーを刺そうとすると・・・
何と、地面が硬くてティーが刺さらないではないか!

そうなのだ。冬のティーグランドは半分凍っているのでティーがそのままでは刺さらないのだ。で、どうするかと思ったら一緒にいた人が「あれで穴を開けるんですよ。」と教えてくれた。そこを見ると、何やら先のとがった、スキーのストックみたいなものがあったので、それを地面にグサッと刺したらなんなく穴が開いた。それでそこにティーを刺そうとすると・・・
あれ?? 穴、どこに開けたんだっけ?

そうなのだ! 今しがた開けたばかりの穴の位置がすぐ分からなくなってしまうのだ。もう仕方ないのでまた穴を開けなおして、今度は分からなくならないよう、すぐにティーを刺し、無事に打つ準備が出来た。

さて、本日朝一のティーショットである。たたださえ緊張する上に朝からひどい目にあっているので、慎重に構えて打とうとしたが、
そこでまた風がピュ~ッと・・・

うっ、寒い!!

あまりの寒さに思わず震えてしまう。しかも風のおかげで目からは涙が出てきてボールはかすんで見えるし、これではまともに当たるはずがない。朝一ショットは左に思い切り引っ掛けてしまった(涙)。

ひいひい言いながらやっとの思いでグリーン近くまできたので、アプローチを軽くポンッと打つと、ボールはピン近くにす~っと落ちていく。「あ~、何とか1パット圏内に落とせたかな。」と思ってみていたら、
カ~~ン・・・ 「えっ??!」

そう、グリーンも朝は凍っているので硬いのだ。だからボールが高く跳ね上がってしまう!
ボールは無常にも、カ~ン、カ~ン・・・ と跳ねて行き、奥のラフにボソッ・・・。
「・・・・・」
もう何も言えまへん・・・。

その後も前半のラウンドは寒くてとてもまともに打つ気がしなかった。寒くて体も回らないし、これではいい玉も出るはずもなくスコアはボロボロであった。午後からなんとか日が強くなり少しは温まってきたが、時既に遅し。本日はボロボロでガックリしながら帰ってきたのであった。

いやいや、やはりウワサ通り日本の冬は寒い。特にゴルフ場は回りにさえぎるものが何もないので、特に寒い。
これからは冬はゴルフはやめようと固く誓った次第である。

(2006年5月1日)