バンカーでの大叩き

今年(2006年)になってからは既に7回ばかりラウンドしたが、どうも調子が今一であった。特に最初の5回はひどくて80台を出すどころか100さえ切れず、スコアは次第に悪化し、ひどい時は2年ぶりに120台の大叩きをしてしまったのである。これではいかん、と練習に励み前回は何とか本年初の100切りである「96」をマークし、先週(2006-7-8)の会社のコンペでは80台への期待を込めながら臨んだのであった。

行ったのは青梅GCである。
ここは青梅市からすぐの所でなかなかの名門コースらしい。自宅の成田からは中央道の八王子IC経由で行き、片道2時間はたっぷりかかってしまうのだが、初めて回るコースに期待しつつ、わくわくしながら運転して行った。

青梅GC

参加したのは15名なので4組、私はその3組目に入った。他の3人とも同じセクションの方であるが、いずれも一緒にラウンドするのは初めての方ばかりであり皆先輩だったので、宜しくお願いします、と挨拶してラウンドが始まった。
青梅GCはアップダウンが激しいコースで左OBも多いため、引っ掛けクセのある方にはつらいコースであろう。スライサーの私にとってはどうってことはないのであるが。しかしグリーンに近づくにつれフェアウエイが次第に狭くなってくるので、コントロールをキチンと出来ないとなかなかグリーンオンせず苦労することになる。

先週に続いて本日も調子はまあまあ。しかしどうもトップ気味の玉が多く、美しい高い弾道の玉は出ない。しかしスコア的には安定的にボギー&ダボペースで進んでいたので、気分良くラウンドし、お昼をはさんで午後のラウンドを迎えたのであった。

午後もまあまあの調子であり、このまま行けば80台は無理であっても90台は確実に出る見込みであった。
そうして魔の「中コース5番」を迎えたのである。
ここは473ヤードのロングであり、ティーショットセカンド、サードともまあまあの当たりで、3オンは惜しくもならず3打目はグリーン右のバンカーに入ってしまった。しかしそれほど深いバンカーでもないので、まあ、出して2パットでボギーかな、などと考えつつ歩いていったのだ。

さてバンカーに入ってみるとそんなに深くはないのだが、砂が異常に固くトップする恐れがあった。そのためちょっとダフリ気味に打たなければ、と思いつつ打ったのであるが・・・。
やはりどうしてもトップしてグリーン奥の林に入ることを恐れたのであろう。1発目は手が縮こまってしまい振り切れず、ボールはバンカーの中でちょこっと動いただけであった。
「あ~あ、やっちゃいましたよ~」とその時はまだ笑いながら次のショットのために構えなおしたのであるが・・・。

次もまたバンカー内チョロ!
むむっ! 何だか変だなー。このあたりで少々あせり始める。
3打目もまたチョロ!
んん~? どうなっているんだ?

打ち方はそんなに変ではないはずだが、なかなかボールは出てくれない。
その次、4打目は少しは飛んでくれたが、今度はバンカーのアゴに当たってボールはまた足元へ。
ここでキレる。

カッカしながら5打目を思い切り打ったら、ようやくバンカーより出てくれた。ほっとしながら行方を見ると、ちょっと強めのボールはグリーン上を転がり、ピンの向こうまで行ってしまっている。まあ、仕方ないか、と思いつつボールを目で追っていると、グリーンの向こう側にスッと転がっていった。

お次はラフからの寄せかな、と思いつつ歩いて行ってみると、何と!グリーンの奥にもバンカーがあり、ボールはそこに入り込んでいるではないか!
早くも2回目のキレ。頭の中でブチッという音がする。

むかむかしながらサンドを持ってそのバンカーに入る。
こうなると出るものも出ない。また最初の一発、つまりバンカー6打目はチョロってしまう。7打目もチョロ。
8打目もチョロしてしまい、今度はアゴの根元へ転がるという最悪のパターン。
ここで深呼吸。無理してアゴ超えを狙ってもキズが深くなるばかり、と思い、横を向いてラフに一度出そうと考え9打目を打ったのだが、それがまたチョロ!

いったい、どうなっているんだ!!
完全ブチキレ。

そのボールはまたバンカーの真ん中に転がっているので、今度は再度グリーンを狙い思い切り打ったところ、その10打目でようやく出てくれたのであった。

ヒイヒイ言いながらグリーンにあがる。同伴の方々に「すみませーん」と無理した笑顔で謝ったのだが、皆、私に同情し何と話しかけたらいいのかわからなかったのであろう。
皆、ヨソの方を向いて目を合わせないようにしている・・・。
この屈辱!

もうゼイゼイ言いながら最初の長いパットを打つが、それが入るはずもなく、ボールはカップより1m以上も離れたところに止まってしまった。
その時である! 全員一斉に、「それ、オッケ~~ッ!!!」

いやいや、皆さん、あまりにかわいそうに思ったのであろう、通常なら決してOKなんかにしないボールにOKをくれたのだ。
この時ばかりは皆さんの思いやりが嬉しく、涙が出そうになってしまった。
そのボールを拾い上げ、皆でグリーンを去るときには、キャディーさんまでが「お疲れ様でした~」と言ってくれたのである。

結局そのホールはロングではあるが、15も叩いてしまった。終わったあとのパーティーでもこのバンカーでの記録的大叩きは話題になってしまった。

私にとってもバンカー10回叩きは記録である。しかし、あの1mもはずれたパットをOKしてくれた皆さんの思いやりは決して忘れないであろう。ゴルフをやっていて良かった、ゴルフを通してその人の本当の気持ちが理解出来る、と思える瞬間であった。

・・・でも、やっぱ、悔しい!
次回はバンカーに入っても必ず一度で出すべく慎重に臨む所存である。

(2006年7月16日)