ケアンズ旅行-1 キュランダ世界遺産

~ 出発・キュランダ世界遺産の熱帯雨林 ~

◆ケアンズへ出発◆

今年(2003年)の夏には休暇を取り海外旅行に行くことで計画を立てました。
日本から滅多に行けない所と言うことで当初はニュージーランドを考えましたが、ニュージーランドの8月は真冬なので気温も数度しかなく非常に寒いようなので、考えた結果、赤道に近く暖かいオーストラリアのケアンズに行くことに決めました。日程は8月14日(木)から18日(月)の5日間です。

ケアンズはオーストラリアの北東部に位置し、8月の冬でも最高気温は30度近くになり暖かく、近くには世界遺産の熱帯雨林地帯(Rainforest)やサンゴ礁のグレートバリア・リーフがありますので、短い期間ですが楽しめそうです。旅行代理店は安心のJTBにしました。JTBはシンガポールでも日本語で対応可能な上にケアンズなど主な観光地には支店を持っており、現地ツアーも数多く用意していたからです。

また日本から最も近いオーストラリアとして日本人観光客にも人気があります。というのはこの期間はシンガポールは特に何かの休日があるわけでないのですいているだろうと思って日程を決めたのですが、ちょうど日本のお盆休みと重なっていたので、日本人観光客が非常に多くホテルがなかなか予約出来なかったのです。これはうっかりしていました。しかしJTBの方は何とか日本向けのホテルのワクを1つあけてくれました。ホテルは「Holiday Inn」となります。


出発は8月14日(木)の夜便、オーストラリア航空でシンガポールを夜8時に飛び立ち、ケアンズには翌朝4時30分に到着しました。時差がシンガポールとは2時間(ケアンズの方が早い)ありますのでシンガポール時間で夜中の2時30分到着ということになります。あまりいい時間ではありませんがシンガポールからケアンズまでの直行便は2日に1本でこの時間帯しかありませんので仕方ありません。飛行機に乗っている時間は6時間30分なので、日本へ帰国するのとほぼ同じくらいの時間がかかります。
いつものことですが夜行便というのは寝れないものです。やっとうとうとしたかと思う間にもう到着してしまいました。眠い目をこすりながら空港の外に出るとJTBの方が出迎えに来てくれていましたので、一緒に車に乗ってまずホテルに直行し荷物を預けます

ホリデイ・イン ホテル

まだ朝の5時過ぎなのでチェックインは出来ずロビーで日程の打ち合わせです。日程は、

・1日目(本日):キュランダ世界遺産の熱帯雨林ツアー
・2日目:グリーン島とグレートバリア・リーフ
・3日目:アサートン高原の自然散策
・4日目:シンガポールへ帰国

としてあります。
また夕食のレストランは予約しておかないと席が空いていない、ということなので本日より3日分予約を頼みました。

これで準備は完了です。まずは本日のキュランダ観光のバスが朝の8時にホテルに迎えに来るので、それまでロビーで一休みします。しかし夜行便で到着して間もないので眠くて仕方ありません。皆でソファーでほんの少し仮眠を取りました。

◆世界遺産の熱帯雨林キュランダへ向かって◆

8時少し前にバスが迎えに来ました。見るといつの間にかロビーにはバスを待つ人がたくさんおり、このキュランダツアーは他のホテルの人も含めてバスが4台もいます。やはり一番人気のツアーなのでしょう。しかも日本語ツアーなので大半は日本人です。本当に日本人はどこに行ってもたくさんいるものです。出発して30分くらいでスカイレールの駅に到着ですが、途中はぐっすり寝込んでしまいました。

◆スカイレールより熱帯雨林見学◆

スカイレール(Sky Rail)とはキュランダの熱帯雨林地帯の上を通る長さ7km以上もある世界一長いロープウエイです。
セントーサのロープウエイと似た6人乗りのゴンドラで熱帯雨林の上を通って行きます。まだ完成して10年もたっていませんが、作るときは自然破壊となるといって地元で大反対があり、仕方なくすべてヘリコプターで機材を運んで作ったので倒した木はわずか10数本だったそうです。早速チケットをもらいわくわくしながら乗り込みます。家族4人で1つのゴンドラに乗ります。動き出すと意外とスピードが速いのに驚き、どんどん高度を上げて行きます。

眼下に広がる熱帯雨林地帯

前方にはどこまでも続く熱帯雨林の光景、後ろを振り向くとはるか下の方に町並みとその先には綺麗な海が見えています。高度はかなり高く落ちたら怖いと思いますが、景色は抜群です。中途半端なそこらのロープウエイとは比較にならないくらいの迫力があります。

このロープウエイは終点のキュランダ駅までの間に途中2箇所の中継駅があり、そこで一度降りて付近を散策出来るようになっています。最初の中継駅までは登ってゆき、そこから以降は水平移動となり、延々と続く熱帯雨林の風景を楽しむことが出来ます。

途中ではラフティング(数人乗りのゴムボートで急流を下る)で有名なバロン川の上を超え、バロン・フォールズと呼ばれる大きな滝も見ることが出来ます。以前リポビタンDで急流をゴムボートで下って「ファイト!一発とやるコマーシャルがはやりましたが、それはこのバロン川で撮影したとのことです。

◆カンガルーとコアラを間近に見る◆

途中の散策も含めて1時間以上は乗っていたでしょうか。ようやく終点のキュランダ駅に到着です。
そこからはまたバスに乗り、「RAINFORESTATION」に移動します。この名前は熱帯雨林を示す「RAINFOREST」と駅の意味の「STATION」の合成語のようです。中に入るとまずは小さな動物園になっており、ワニなどに加えカンガルーとコアラを間近に見ることが出来ます

RAINFORESTATION入口

まずカンガルーを見に行きます。中ほどの広場に確かにカンガルーが数匹いました。近くに行っても人間に慣れているため逃げることはありません。種類は大きいのから小さいのまで何種類かいました。カンガルーをすぐ近くで見れるので子供たちは大喜びですが、大人も大喜びです。
そのうち誰かが「あ!あれあれ!見て!」と言うので見てみると、1匹のカンガルーのおなかの袋から赤ちゃんが顔を出しています。「うわ~、可愛いっ!」という感じで皆で駆け寄ります。近くで見ると本当に小さな赤ちゃんカンガルーが顔を出しています。あまりの可愛さに思わず写真を取りました。

おなかから顔を出すカンガルーの赤ちゃん

しばしカンガルーを見た後はいよいよコアラを見に行きます
薄暗い小屋の中に入ると、いたいた、コアラが数匹木に抱き付いています。これも1メートルくらい前に見ることが出来ますが、じっとしていてなかなか動きません。コアラは1日に18時間は寝ているということなのできっと寝ているのでしょう。コアラをこんなに間近で見るのも初めてなので感動です。
近くで良く見るとこのコアラ、目は小さくて耳は大きく、本当に可愛いものです。抱っこしたいなー、と思っていたら、別の場所に行くとコアラを抱っこして写真撮影出来るというので、また皆でぞろぞろとそちらに向かいます。

コアラ

コアラの抱っこは入り口の近くでやっていますが、大人気で人が大勢ならんでいます。
しかし写真撮影料が高く1人A$20(オーストラリアドルで20ドル=1600円)も取られます。

我が家の場合は子供2人に抱っこさせましたが、抱っこするとちょっとガリッと引っかいたりしてとても可愛かったと言っていました。
子供たちは「お父さんは抱っこしないの」と聞きますので「そんなのしなくてもいいよ」とは言ったものの、見ていると本当に可愛いのでやはり抱っこしたくなりましたが、一度いいよ、と言った手前、仕方なく我慢しました。ちょっと残念だったかな。

 

◆水陸両用車での探検◆

カンガルーとコアラをたっぷり堪能したあとは、隣のレストランでランチをとります。
しばらくのんびり食事をしたあとは、水陸両用車による熱帯雨林の探検です。これは20人くらい乗れる大きな6輪駆動車で、2台に分乗して出発です。
最初はでこぼこ道の急な坂を上ったり降りたりして周囲の変わった木の紹介があります。しばらく走ると前方に大きな池があり、どうするかと見ていたらそこにドブンと入って行きます! うわっ、と思ったらちゃんと沈むことなくぷかぷかと船のように浮かんで水の上を進んで行きます。こういう水陸両用車には初めて乗りましたが、なんとも不思議な気持ちです。30分ほど探検したあとは、また移動し近くのマーケットに行きました。

池に浮かぶ水陸両用車

◆マーケットでのショッピング◆

マーケットに行くと小さなお店がたくさんありました。ガイドさんが、ここのアイスクリーム屋さんはとてもおいしいですよ、と言うので食べてみます。見ると看板にはローマ字で「ZENBU OISHII (全部おいしい)」と書いてありメニューは英語と日本語で書いてありました。こういうのを見るといかに日本人がたくさん訪れているか、よく分かります。
そこには陽気なオーストラリア人の若者がいて、たくさんの種類のアイスクリームを売っていましたが、実際なかなかおいしかったです。

おいしいアイスクリーム屋さん

マーケットの中

◆キュランダ高原列車の旅◆

ほんと、来る前から絶対に乗ろうと思っていた高原列車にいよいよ乗ります。「るるぶ」で写真を見ていたらまるでスイスの高原列車みたいでとても素敵だったもので楽しみにしていました。これでアンズまで約1時間半、山並みを抜けて走っていくのです。聞いたところこの列車は、もともと金鉱が発掘されたに伴って引かれたもので、既に100年以上の歴史があります。

ホームで待つ高原列車

駅に着き、わくわくしながらプラットフォームに入ります。

あります、あります! かなり古い木造の列車が止まっていました。
意外と編成は長くて12両編成で先頭にカラフルな機関車が付いています。

中に入ると進行方向に向かって左側だけに4人がけの長いすが向かい合わせで並んでいます。と言うのは左側の方が圧倒的に景色がいいからです。

 

 


汽笛とともにいよいよ発車です。
昔ながらに列車は「ごとん、ごとん」と動き出します。しかも車両がかなり古いせいか、あちこち「ぎしぎし」と言っていますが、これもご愛嬌でしょう。流石にスピードはたいしたことがありません。ゆっくり走って行きます。

発車して10分ほどで途中の駅に10分ほど停車します。ここで皆で降りて周りの雄大な山の景色を楽しむのですが、左側に大きいバロン滝が見えます。そう言えばこの滝、先ほど乗ったスカイレールからも見えました。
案内では発車の前にまず汽笛を1回鳴らすので、そこで乗車してくれとのこと。2回目が鳴ったらすぐ発車するとのことですので、乗り遅れたら大変です。と言うのはこの列車、1日に2本しか走っていないのです。よって2本目で乗り遅れたら一晩その山の中の駅で過ごすこととなってしまいます。

しばし景色を楽しんだ後、1回目の汽笛で皆乗車し、再度出発します。
このあたりから左側の綺麗な景色を楽しむことが出来ます。大きなカーブも何箇所かあり、窓から顔を出すと列車が曲がっていくのが良く見えます。それがまた非常にいい「絵」になるのです。また眼下には街と、はるか遠くには海も見ることが出来ます。

しばらくするとトンネルが多くなってきて景色は見えなくなってしまいますので、そのあたりで皆、疲れて一眠りです。しばし寝たところで街に着きますので、そこからバスで各自のホテルまで戻ることとなりました。非常に楽しい満足いく列車のたびはこうして終わりました。

◆夕 食◆

ホテルで少し休んだ後は夕食に出かけます。
今夜は中華レストラン「カフェ・チャイナ」です。ここは観光ガイドにもたいてい掲載されているおいしい店で、シーフードが良かったですね。フェリーターミナル近くの街の中心部にあり、ホリデイ・インからは歩いて10分ほどの所にあります。たくさん食べてご機嫌でホテルに戻ったあとは、疲れたせいか皆ですぐ寝てしまいました。こうしてケアンズの楽しい1日は過ぎて行きました。

(2003年9月7日)