鎌倉のあじさい 2006(神奈川)

〈2006年6月25日〉

昨年の秋に見に行った鎌倉の紅葉はとても美しかったのですが、鎌倉は関東エリアではあじさいでもまた有名です。よってピークの今、今度はあじさいを見に行くことにしました。梅雨の真っ最中なので天候が心配でしたが、当日は朝から曇ってはいたものの何とか天気は持ちそうです。同行は昨年、鎌倉の紅葉を一緒に見に行った、同じ会社のやはりカメラが趣味の方です。混まないうちに、ということで朝9時に待ち合わせをしました。車で向かう途中、横浜あたりでポツポツと小雨がちらつきましたが、鎌倉に着いたら曇り空ではありますが何とか雨にはなっておらず一安心です。

問題は車を止める場所です。
何と言っても日本有数の観光地である鎌倉、昨年来た時はどこの駐車場も30分600円とか1時間1000円とか、とにかくとても料金が高く、一日あちこち車で移動したら駐車料金だけでも軽く5000円はかかってしまいそうでした。

ところが! 同行の方は鎌倉在住の地元民。何と、時間無制限で無料で駐車出来る場所を知っていました!
今回、特別にこのHPを見られている方だけにそっとお教えしましょう。
それはJR北鎌倉駅の西側すぐ近くにある浄智寺(じょうちじ)の境内にある駐車場です。
ここは基本的には浄智寺へお墓参りに来る方専用の駐車場で、入り口には「お墓参りの方専用、2時間以内の駐車として下さい」という看板が立っています。が、しかし、実際には同じように長い時間止めっぱなしにしている車も多く、恐らくここが穴場であることを知っている一部の方であると思われます。当日は朝9時に到着しましたが、30台ほど止められるその駐車場はまだガラガラで楽に止めることが出来ました。(流石に午後になると満車になります)
(ただ礼儀としてあまり長時間は止めない、また、お盆などのお墓参りのシーズンには本当のお墓参りの方優先なので止めない、など注意下さい)

あじさいの咲く浄智寺の境内

移動は、すぐ近くがJR横須賀線の北鎌倉駅なので、そこから電車で移動すればいいのです。JR鎌倉駅までは1駅なのですぐ、また鎌倉駅からは江ノ電も走っているので、鎌倉市内の主な場所にはたいてい行くことが出来ます。また、有名な建長寺や円覚寺などは歩いて行ける距離です。
ちなみに今回は中は見ませんでしたが、この浄智寺は建長寺や円覚寺と並んで鎌倉五山と呼ばれる由緒あるお寺の1つです。
とにかく、そこに車を止め同行者と合流し、いざカメラを構えてあじさい見物に出発です。

◆明月院(あじさい寺)◆

さて最初に行ったのは、北鎌倉駅より徒歩10分の明月院です。ここは別名「あじさい寺」と呼ばれるほど、鎌倉のあじさいでは一番の名所で、非常に多くの人が訪れます。行って見ると確かに人がたくさんいますが、ほとんど待たずに中に入ることが出来ました。
やはり朝早く来たのが良かったようで、ちなみに昼近くになると、あじさい見物で中に入るのに行列が出来、長い間待たされるハメになるとのことです。

明月院の入り口

入場料を払って中に入ると、ほどなく美しい青いあじさいが咲き乱れているのが目に入ってきます。ところどころに立て看板があり、それによるとこの明月院のあじさいは8割から9割が日本古来からの姫あじさいで、淡い青から濃い青に日ごとに色が変わってゆく、とありました。
院内には、あじさいをゆっくり鑑賞するための通路が整備されていますが、どこも人であふれています。しかし、一面、青いあじさいが咲き乱れている光景は圧巻で、流石は有名なあじさい寺だ、と感じることができました。

あじさいに囲まれた通路を歩く

更に奥に行くと、お地蔵さんがありましたが、それがあじさいをかかえていてとても可愛かったのが印象的です。ここでは皆が写真撮影していましたので私も1枚パチリ。

あじさいをかかえたお地蔵さん

とにかくこの明月院の姫あじさい、とても綺麗です。遊歩道全体、両側にブルーのあじさいが咲き乱れており、あじさいに囲まれながら歩く時の気分は最高でした。途中、何枚も写真を撮りましたが、全てをここに掲載出来ないのが残念なくらい綺麗でした。

◆鎌倉の大仏(高徳院)◆

さて名残惜しいのですがこれから見るところはまだたくさんあるので、明月院をあとにします。
お次は、せっかく鎌倉に来たので私がまだ見たことがない鎌倉の大仏を見せてもらうことにしました。その場所は江ノ電の長谷という駅の近くの高徳院ですので、そこまで電車で移動しました。

まずJR横須賀線の北鎌倉駅からお隣の鎌倉駅まで移動し、そこから江ノ電に乗ります。この横須賀線は私が普段通勤で使っているJR総武線と直通運転しているので、当然ですが同じ車両が走っています。いつも千葉県で見ているこの車両が鎌倉で走っているのを見ると何となく不思議な感じがしました。駅に向かって歩いているとちょうど電車が走ってきたので、ここでも写真を撮ります。北鎌倉駅から隣の鎌倉駅までは5分たらずで着きますのですぐでした。

さて鎌倉駅に着くとホームからは正面に江ノ電の駅舎が見えます。
江ノ電の駅はJR鎌倉駅に隣接しているので乗り換えはすぐですが、あじさいシーズンということもあり、非常に多くの人がおりホームは大混雑です。実は私はこの有名な江ノ電に乗るのも初めてなのでとても楽しみにしていました。
待っているとほどなく江ノ電がホームに入ってきます。観光地の電車ということもあり、結構可愛い車両だったので、ここでも記念撮影です。本日は少ないようですが、同行の人に聞くといつもはこのホームで江ノ電を撮影するマニアの方が多くいるそうです。その江ノ電に乗り込んで目指す長谷駅までは約10分くらいでしょうか。朝のラッシュ並みの混んだ電車に乗っていた感じでしたが、近いのでさほど苦痛ではありませんでした。

さて長谷駅でおりて歩きますが、目指す高徳院までは15分ほどです。
尚、この近くには、このあと立ち寄りましたが、やはりあじさいで有名な長谷寺もありますので、ここでは多くの人がおりて歩いていました。ほどなく高徳院に到着しましたので、入場料を払って中に入ります。

入ってすぐに正面に大きな鎌倉の大仏が見えました。いやいや、この大仏も私は初めて見るので感動です。高さは11mとのことで、非常に大きな大仏でしたので周りをぐるりと歩いてじっくり見てきました。
この大仏、別料金になりますが、中に入ることも出来ます。(今回は入りませんでしたが) 

鎌倉の大仏

奥に進むと古い観月堂がありその隣には、与謝野晶子の石碑があって「鎌倉や みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな」と書いてあります。

尚、この高徳院、いつ、誰が建造したか、実は分かっていないそうです。こんなに有名な鎌倉の大仏があるのにかかわらず分からないというのも何とも不思議です。その大仏は1238年に建設が始まり5年後に完成したようです。当初は建物の中に鎮座していたそうですが、鎌倉時代の大津波で建物が流され現在はむき出しのまま鎮座しています。ここでは大仏を見るのが目的でしたが、奥には少しだけですが、やはりあじさいが咲き誇っていました。

◆長谷寺◆

お次は近くの長谷寺に向かいます。ここも明月院と並んであじさいで有名なお寺で、境内には同様に遊歩道があります。
趣のある門をくぐって中に入ると、早速目の前には菖蒲の花が咲き乱れている池があります。この時期は菖蒲はほぼ終わりかけなのですが、まだ何とか見ることが出来ました。それをしばし眺めた後は、石段をつたって上の本堂の方に向かいます。そこからあじさいの散歩道が始まるからです。

長谷寺入り口

上に行って見ると立派なお堂がいくつかありましたので、中をざっと見て回ります。長谷観音はとても立派でしたが残念ながら写真撮影は禁止でした
すぐ脇からあじさいの散策路が始まりますが、見るとたくさんの人が既に並んで待っているではないですか! いや、これはすごい。ディズニーランドのアトラクションを待つような感じで多くの人が散策路に入るために並んでいるのです。そう、散策路は狭くてしかも皆ゆっくり見てあるくため、中は渋滞し外まで待つ人があふれるのです。我々も並びましたが、散策路に入るまで30分以上も待たされてしまいました。しかし後で分かりましたがこの程度はまだまだ序の口。昼過ぎになると更に人が並び入るのに1時間以上は軽く待たされることになります。

あじさい散策路に入るのに並ぶ人々

蒸し暑い中ずいぶん並んでようやく散策路入り口にたどりつきました。見るとそこには散策路にあるあじさいの種類が写真付きで説明されています。明月院は姫あじさい1種類で飾っていましたが、この長谷寺は多くの種類のあじさいをたくさん飾っているようです

散策路入り口にあるあじさいの説明

この散策路は丘の上に向かって登っていきますが、その斜面にあじさいの群れがあり、とても綺麗です。
ここにあるのは姫あじさいに似ていますが、色は青だけでなくピンクもあるので、どうやら西洋あじさいのようです。しかし姫あじさいに負けないくらい綺麗です。

斜面に咲き乱れるあじさいの群れ

それにしても大勢の人がいるもので散策路は大渋滞です。周囲はあじさいが咲き乱れておりとても綺麗。先の明月院は姫あじさい1種が咲き乱れていて、それも綺麗でしたが、この長谷寺は多くの種類のあじさいが混在して咲いているので、別の意味で楽しむことが出来ます。

散策路は大渋滞

ゆっくり歩きながら丘の上までたどり着くと、そこからは遠くに由比ガ浜を見下ろすことが出来ます。こんな曇り空なのに海にはボードやヨットが多く浮かんでいました。

眼下に見下ろす由比ヶ浜

実に多くのあじさいをゆっくり堪能したあとはまた下へ戻ります。見ると散策路へ入るために並んでいる人の数は、先ほどよりかなり増えており、長谷寺の入り口あたりまで続いていました。これは待つこと1時間以上はかかるでしょう。ちょっと早めにきたのが正解であったようです。
ではここで長谷寺を出発し次へ向かうことにしました。

◆御霊神社(江ノ電撮影ポイント)◆

次に向かったのは、長谷寺から歩いてすぐのところにある御霊(ごりょう)神社です。
ここはあじさいと言うよりは、その前の踏切が江ノ電の格好の撮影ポイントということで、私のたっての希望で案内してもらったものです。住宅地の中を歩くとほどなく御霊神社の前まで来ました。そこには確かに小さな踏切があります。周囲は住宅地で目の前には御霊神社があります。見ると既にカメラをかかえた人が何人かいましたが、聞いた所、本日はこれでもまだ人が少なくて、普段はもっと多くの人がカメラを構えて並んでいるとのことでした。

御霊神社の前の踏切

早速私もその列に加わります。神社を背にして見ると、右側にはすぐトンネルがあり、そこから江ノ電が出てくるところを撮影するのが良さそうです。幸運なことにすぐに踏切が鳴りだしました。隣の人に聞いたら、今度はちょうどトンネルから出てくるだろうとのことで、待ち構えていたら確かにトンネル方向から出てきました。踏切が近いということと撮影ポイントであり人が多くいるせいでしょうか、江ノ電はゆっくりと進んできます。何枚か写真を撮りましたが、確かにいい撮影ポイントでした。

トンネルから出てくる江ノ電とあじさい

神社そのものは非常に小さく中にあじさいもさほどありません。狭い境内の中をぐるりと一周してすぐ帰ることにしました。
ここの見所は神社ではなく、その前の踏切から見る江ノ電です。帰りがけに踏切よりさきほどのトンネルの反対側を見たら、この江ノ電、本当に住宅街の真ん中に線路が敷かれています。しかも良く見たらその両側にもあじさいが。何ともいい風情でした。

住宅地の中を走る江ノ電の線路

◆成就院の参道◆

ではこれから本日最後のあじさいの名寺、成就院に向かいます。そこもここから歩いて10分ほどのところにあります。成就院のあじさいはその境内ではなく、そこに行くまでの参道が有名で、良く観光ガイドに掲載されています。
歩いて向かう途中、何やら道路わきに人だかりがしている場所がありました。見ると何と! 昔懐かしの赤いポストが現存しているではないですか! しかもあじさいの花に囲まれてとても綺麗だったので、私も他の方々に混じり写真を1枚撮影しておきました。

成就院入口

さてそこからすぐに成就院です。その参道は相変わらず多くの人で賑わっていました。
狭い道で人がたくさんいましたが、さすがに有名なあじさい観光ポイントだけに両側にはあじさいが多く咲き乱れ綺麗でした。
特にここでいいのは、振り返ると下の方に由比ガ浜がのぞめることです。多くの人が由比ガ浜をバックにあじさいの写真撮影をしていました。

成就院の参道

参道より由比ガ浜を見下ろす

境内そのものは非常に狭く、あまり見所はありませんでした。でも中には弘法大師の像があったりして、そこそこ楽しめます。少しだけ中を見て戻ることにしました。
先ほどの道を戻りましたが、その時には眼下に由比ガ浜が見え、とても綺麗でした。皆と同じく立ち止まりながら写真撮影です。


さてこれで本日のあじさい見物はおしまいです。朝早くから来たにかかわらず、既にしてもう夕方になってきました。小雨がぱらついてきましたが、また江ノ電の長谷駅に向かいます。
駅に着いてびっくり。鎌倉駅方面へのホームには人があふれています。来た江ノ電に乗り込みましたがまるで朝の通勤ラッシュなみの人で、電車に乗り込むのに一苦労。あまりに混んでいて乗れない人が出る始末。中は人でぎゅうぎゅうで、それこそ朝のラッシュ並みで、ドアのそばでつぶされそうになりながら何とか鎌倉駅にたどりつくことが出来ました。

JR鎌倉駅から、車を止めた北鎌倉へ向かうために横須賀線に乗り換えます。その時に同行の方はビールを買って飲んでいました。
「sttreamさんは車なので飲めないだろうが、今日は暑いので私は飲ませてもらいますよ」と言っておいしそうに飲んでいます。
あ~、羨ましい。確かに本日は曇ってはいましたが、本当に蒸し暑い1日で、全身汗だくでした。

こうして楽しい鎌倉の1日が終わりました。昨年の紅葉に続いて今回はあじさい見物でしたが、関東唯一のあじさいで有名な鎌倉だけあって見所は多くありました。念願の鎌倉の大仏も見れたし、江ノ電に乗ることも出来たしとても楽しい1日でした。今度また機会みて、この鎌倉見物に来てみたいと思います。

(2006年7月14日)