~ Tiger Skin 2003 ~
アニカ・ソレンスタムと言えばゴルフに興味がない人でも名前くらいは聞いたことがあると思います。女子プロゴルファー世界No.1の賞金王、例えて言えば女子プロ界のタイガー・ウッズでしょうか。このアニカがシンガポールに来ました。
シンガポールで年に1回開催される「Tiger Skin 2003」というチャリティコンペに今年はアニカを初めとして、グーセン、パーネビックという世界有数のプロゴルファーが招待されました。これにシンガポーリアンのプロのラムを加え、4人でマッチプレーを行なったのです。
日程は2003年の11月15日(土)と16日(日)の2日間、場所はタナメラ・カントリークラブのガーデンコースです。当然、私と長男は絶対に見に行きたいと思い、早々と前売り券を買って心待ちにしていました。
(2024年3月14日追記)
当時の私はタナメラCCのメンバーだったので、優先的にチケットを購入することが出来ました。
タナメラCCのクラブハウス前
初日の土曜日は私はゴルフの約束があったので、奥さんと長男だけが見に行き、翌日の日曜日に私を含め3人で見に行きました。長男は絶対にサインをもらいたい、と色紙を事前に準備するほどでした。しかし土曜日はあまりに人が多すぎてサインなどもらえる環境になかったようで、ならば日曜日は朝からホテルで待ち伏せしようとし、朝の6時にアニカたちが宿泊しているマリーナ・マンダリン・ホテルへ奥さん、長男と押しかけました。
たくさんのファンが待ち構えているかと思いましたがそうではなく、待っているのは私たちだけでした。
ホテルのボーイさんに聞くと、アニカたちは昨日は朝の6:30に出発した、本日は2日目なので少しゆっくりで恐らく7時頃に出てくるだろう、とのことでしたので、ソファで座って待っていました。
しかし予定の7時になっても現れません。もう少し、と粘っていましたが7:30になっても来ません。きっと本日は昨日の疲れもあってもっとゆっくり出発するのでしょう。いつになったら出てくるか分かりませんので、ここであきらめ一旦帰ることとしました。
さていよいよTigerSkinの本番を見に行きます。開始は11:30なので少し早めに到着すべく10時に家を出ます。
当日は混雑するのでゴルフ場のCarParkは使えず、EXPO(以前シンガポール万博を実施した展示場)からの専用シャトルバスを使います。そこまでは車で行きました。
11時少し前にタナメラ・ガーデンコースに到着です。早速練習風景を見ようとしましたが、既にちょうど練習が終わった所でした。その為、早めに本日スタートの10番ティーへ行き、一番前の場所を確保しました。
この間、隣の17番ティーでアニカたちによるドライビング・コンテストが行なわれていました。長い池を超えてどれだけ飛ばせるかのコンテストです。これも見たかったのですが、本番のティーショットをいい場所で見るのが優先と思い我慢して待っていました。
スタートホール前
スタート時間が近づいてきました。この頃になるとテレビ局などの報道陣がカメラとともに集まってきました。じりじりしながら待っていたら、ついにアニカたちがやって来ました。
見ると、やはり間違いなく本物のアニカです! 有名なグーセンやパーネビックも一緒です。集まってティーグランドで素振りを軽くしていますが、距離は2メートルほどでしょうか。世界的に有名なプロをこんなに近くで見るのは初めてなので、既にして興奮状態です。なおこの3人に加えてシンガポールのプロであるラムも参加します。彼は初めて見ましたが、まだ童顔のポッチャリした青年で可愛らしく見えました。
アニカ登場!
各プロの紹介と、携帯電話を切れなどの簡単な注意事項のあと、すぐにスタートです。まずアニカから打ちます。私はカメラを構えて待ち構えていました。
アニカは構えたと思ったらすぐにショットしました。非常に綺麗なフォームです。うーん、流石はプロ。軽~く振っているようで実は非常に力強いスイングで、ボールは真っ直ぐに遠くまで飛んでいきました。続いてグーセン、パーネビック、ラムと打ちますが、皆、朝一の割には非常にいいスイングでした。流石はプロです。
そのあとはプロたちについてギャラリーもコースの脇をぞろぞろと歩いていきます。アイアンでのセカンドショットもすばらしい。本当に力みが全くなく軽く振っているだけなのですが、「パシッ!」といい音とともにターフ(芝生)がバシュッ!と取れてボールは当たり前のようにグリーンの上に乗っていきます。
こういう打ち方が我々アマチュアにはなかなか出来ないので、ここでも見るたびに感動です。
ところで今日はいったい何人集まっているのでしょうか。すごい人の数です。少しでも出遅れると人垣に囲まれてしまい見ることが出来ません。よってこの後はグリーン上に乗ったらパットは見ないですぐ次のホールに行っていい場所を取るようにしていました。
大勢集まったギャラリー
そこで気づいたのですが、ホールアウトしたあと次のホールに歩く所には、選手の通り道にロープを張っています。ここで待ち構えているとアニカ始め選手たちがすぐ目の前を歩いて行きます。そうすると、わずか50センチくらい目の前で本物のアニカを見れましたので、もう感激です。
こういう所でアニカのアップを写真に撮りたかったのですが、アニカはどうもカメラがお嫌いなようで、誰かがカメラを構えるとすぐ下を向いてしまいます。そのため顔のアップは撮影出来ず、下向き加減の横顔を撮影するのが精一杯でした。うーん、残念。
すぐ目の前を歩くアニカ
ふと見ると長男が日本人の若い女性と親しげに話をしています。
奥さんに「あの人、誰だっけ?」と聞いたら「知らない」と言います。
そこでその女性に聞いてみたら、昨日見に来た時に長男がちょっとはぐれ、その時にたまたま近くにいて知り合ったらしく、「今日も会えたね、お姉ちゃん」などと話していました。この方はIさんといい、TigerSkinを見るためにシンガポールにいる両親をたずねて日本よりわざわざ来たくらいのゴルフ大好きな方で、本日は一日一緒に見て回りました。長男にも優しく、非常に真面目ないい方でした。
そうこうしているうちに途中で雨で一時中断したりしましたが、2時間ほどでコンペは終了です。その後は表彰式などがあり、アニカたちはクラブハウスへ消えて行きました。肝心のサインは途中での通路の警備が厳しく、結局もらうことが出来ませんでした。クラブハウスに入ってから、「そうか、キャディさんにお願いしてサインをもらえばいいんだ」と気づき、アニカたちが行った2階フロアまで行きましたが、既にキャディさんもいなくなり結局サインはもらえませんでした。うーん、残念。しかし目の前で生アニカを何度も見ることが出来たので、これで充分満足です。
17番ホールのアニカのティーショット
こうして楽しい一日はあっと言う間に終わりました。タナメラ・カントリークラブのガーデンコースは私も好きなコースでちょくちょく来るのですが、私たちと比べプロの人たちの狙い目は本当に的確で、心底感心しました。ミスもほとんどしませんし、いつかは私もああいう風に打てるようになれればいいな、と夢みています。
最終18番グリーンに向かう選手たち
その日の夜、こちらのテレビでこのTigerSkinを放送しました。
見ていたら、私たちが前に陣取ったティーショットの場面で私と奥さん、長男の顔がはっきり写っていました!
テレビに写るのは子供の時以来なので、これまた感激でした。これはしっかりビデオに撮ってあります。
でもテレビを見て気づいたこと、それはゴルフはちゃんと見ようと思ったらテレビで見た方がいい場所から撮影しているので良く見られるということです。しかし人垣をかきわけながら見る本物というのも迫力あり、これはテレビでは味わえません。
来年もまた行なわれるであろうTigerSkin、必ずまた見に来ようと思います。
(2003年11月17日)