スライスが消えた!(Sプロ)

以前このコラムでSプロのレッスンにより劇的な改善をしたとレポートしたが、今回、また劇的な改善を成し遂げることが出来た。

私はこの1ヶ月ばかりアイアンが当たらなくなり悩んでいた。
まず最初におかしくなったのはショートアイアンである。8番、9番、PWが当たらないのだ。これらの番手でフルショットすると、必ずと言っていいほど右へのシャンクに近いフケ玉しか出ない。どうやってもダメである。グリーンを目の前にした残り100ヤードほどの距離でこれではスコアにならず本当に困っていた。仕方ないので対処療法でフェースを思い切りかぶせて構えて何とかしのいでいたのであるが、それでもやや右に出る変な玉しか出なくなってしまったのだ。当然PWのハーフショットも同様で、どうにもこうにも治らないのでホトホトまいっていた。

そのうちに次第にミドルアイアンまでおかしくなってきて、得意のはずの6番アイアンまでおかしくなってしまった。そうしているうちにある土曜日、一番好きなコースの1つであるリア・ビンタンへ行った時の事であるが、とうとうロングアイアンまでおかしくなり、3番、4番、5番まで完全にダメ。ティーアップしてさえもまともに当たらない。

とにかくアイアンを持つと100%右へのフケ玉になってしまうのだからスコアにならない(涙)!!

練習場ではキチンと当たるのになぜか芝生の上では当たらないのだ。

あまりにひどいので、思い余ってとうとうSプロにSOS
翌日の日曜日、忙しくて時間がなかなか取れないようであったが無理をお願いして昼に30分だけ時間をいただいて見てもらったのである。

いざ練習場へ行ってSプロに事情を話して内容を見てもらう。心配事は、たいていこういう場合、コースで変な玉が出ても練習場で再現出来るか、ということである。と言うのはこれまでの経験で練習場ではナイスショットが連発することが多かったからである。
しかしそれは杞憂に終わった。練習場で5番アイアンを持って打ってみたら、コースと同じような右へフケる玉しか出なかったからである。通常ならここで気分が非常に悪いのであるが、本日はこのおかしな玉を治して貰うのが趣旨なので、一安心(?)。
「ほら、これこれ、こういう玉しか出ないのですよ。」とSプロに説明する。

それを見たSプロいわく、「はい、何が悪いか分かりました。」と言うではないか。まだ2~3発しか打っていないのに流石はプロ、何が悪いかすぐに見極めてくれたのである。
それで、「では、ここをちょっと治しましょう。」と言って、いつものようにチョコチョコッと治してくれたのである。

おかしかった原因と治したポイントは下記の通りである。


1.グリップをフックグリップに修正
要するにこれまでの私は完全なウイークグリップであったようで、だからこそインパクトでフェースが開きやすいという現象があった。何とかこれまではうまく調整して打っていたようであるが、それが壊れると右へのフケ玉になる。よって意識的にフックグリップで握りなさい、ということであった。(私の意識はフックであるが、実はこれが正しいグリップ)

2.トップの位置は右耳の後ろ
テークバックでクラブを真っ直ぐに引こうという意識が強いこともあり、トップは真上に上げていたようであった。これでは完全な大根切りとなってしまい、始めた頃の悪いクセが戻っていた。ここからダウンスイングに入るとアウトサイドイン軌道になってしまい、スライスの大きな原因となる。よって腰の高さまで真っ直ぐ引いたら、以降は後ろに引くつもりでトップまで持ってゆく。

3.スイング軌道はインサイドから外側へ打ち抜くつもりで
これこそアウトサイドインの対策。慣れればこれでも何とか打てる。


これで何度か素振りして、「では打ってみなさい」と相成った。
5番アイアンで打ってみると、、、「パ~~ン・・・」と実にいい当たりが出るではないか!

インパクトで実に良くつかまった玉が打てるのである。もちろん右へのフケ玉とは無縁であり、嬉しくて何度か打っているうちに、これまでまるで縁のなかったフックボールまで打てるようになってきたのだ。

これまでゴルフを始めて2年間悩み続けてきたスライスボールが全く出ないのである。

これは嬉しい、実に嬉しい。あまりの嬉しさに、パシーン、パシ~~ン、と何度も打ってきたのである。しかも、しかもである。ロングアイアンやドライバーでは、時々真っ直ぐ勢いよく出た玉が先の方で軽く「ククッ!」と左に曲がるではないか。

「おおっ! これが夢にまで見たドローボールか!」

その週は毎晩会社の帰りにこの「新打法」の特訓をやり、週末のゴルフにいざ臨んだのである。

さていよいよゴルフコースでの新打法の実験である。まず土曜日はいつも大叩きしている長くて狭くて難しいセントーサGCのセラポンコースである。いざ打ってみると、思った以上に良くあたり、スライスは皆無! アイアンも真っ直ぐに飛び、先週の不調がウソのよう。幸せ気分でラウンドし、ついにここでのコースレコード、100切りである「98」を記録したのである

続いて翌日も連荘ゴルフでマレーシアのパームリゾート、アラマンダコースへ行った。
ここでも調子良くビシビシとショットが決まり、なんともう少しで80台という、自己ベストスコアの「91」を記録したのである。
これはこれまでのベストスコア「95」を4つも縮める快挙であった

いやはや、流石はSプロの指導は的確。相変わらずすごい! こういう劇的改善は久し振りに味わったが、本当にレッスンを受けて良かったとしみじみ思うのである。
ただ新たな問題が発生した。つまり、度を過ぎると「どフック」が出るのである。現在、ほどよい軽いフック球になるよう、調整中である。

(2004年7月25日)