シンガポール・リバー

マーライオンに続いてシンガポールの街中の観光地は、やはりシンガポール・リバーがお勧めです。
このコースは、明治屋近くのクラークキーより始まりボートキーを通って下流のマーライオンパークにつながる、川沿いの約1kmちょっとの短いコースです。しかし途中途中に立ち止まって見るポイントが多くある上、少し脇にそれて見る場所もあるので、結構時間を費やすことが出来ます。

歩く場合は、下流から上るか上流から下がるか、ですが、どちらかと言うと景色が次第に良くなってくる「上流から下流へ」のコースがいいでしょう

◆クラークキー◆

それでは上流から入ってみます。
一番上流側の入り口はクラークキーという場所の入り口で、日本人ご用達デパート明治屋(旧 大丸)のすぐ前にあります。このクラークキーには、後で述べるボートキーとならんで川辺のオープンテラス方式のレストランがたくさん並び夜は観光客等で非常に賑わう場所です。
しかし交通の便は悪く近くにMRTの駅がありませんのでバスかタクシーで来る必要があります。まあ安価なタクシーで来るのがいいでしょう。オーチャードより5分位の距離ですから、そんなに遠くはありません。

明治屋前のクラークキー入口

ここを川沿いに歩くとテラスレストランがたくさんあります。でも昼間開いているレストランは少なく、夜が中心のようです。店の数はボートキーには適わず、賑やかさはボートキーの方が上です。しかしそれでも夜はかなり賑わい、明治屋前には観光バスが多く並び観光客であふれかえります

昼間歩くと静かでなかなかいい雰囲気です。レストランは中華、シーフード、イタリアン等あらゆる種類の料理がありますので、何度来ても飽きることはないと思います。夜は対岸のビルがライトアップされ、非常に綺麗な雰囲気をかもし出していますので、お勧めです。

クラークキーのテラスの光景

パラソルが美しい

少し歩くと対岸にかかる大きな歩行者専用の橋があります。その橋の付け根のあたりには街路樹が並び、下には屋台が多く置いてあります。恐らくこれは夜になったらオープンするのでしょう。なかなかいい景色です。このクラークキーは、次に向かうボートキーに比べてだいぶ落ち着いた静かな雰囲気なので、喧騒を好まない人には最適かと思います。シンガポールらしい賑やかな雰囲気を好むならボートキーがいいでしょう。

屋台の群れ

◆ボートキー◆

更に歩くと一度レストラン街がとぎれ大通りにぶつかりますが、ここは地下をくぐる歩道がありますので、くぐって行きます。
ここからはボートキー側のエリアです。
これまでのクラークキーの雰囲気とはがらりと変わり、非常に明るく派手やかな雰囲気になります。
真正面にはビジネス街の高層ビル群が見え、対岸右側にはボートキーを望みます。そして左角には近代的な国会議事堂が見え、その向こうには最高裁判所の特徴あるドーム屋根も見えます。この国会議事堂は新しいせいか非常に綺麗な建物で、なかなか絵になります。感動します。

対岸右側がボートキー

国会議事堂

左側に国会議事堂を見ながら歩くと、ほどなく観光船乗り場があります。この観光船はここから下流に向かいマーライオンパーク前でUターンするコースです。昼間乗るのも楽しいでしょうが、特に夜景を見ながら乗るのがお勧めです。
と言うのは数回ボートキーに夜食事に行きましたが、ここも対岸の建物を綺麗にライトアップしており実に綺麗な眺めを楽しめます。見ているとこの観光船が多く走っており、涼しげでいいなあ、と思いました。
私はまだ乗ったことがありませんが観光客の人とかたくさん乗っていますのでお勧めです。
船そのものはあまり大きくなく派手に飾り付けています。

リバークルーズの観光船

そういうことを考えながら歩いていると川の方から元気な声が聞こえてきます。何かと思って見てみたらちょうどボートの練習を始めるところで、上半身裸の若者が掛け声をかけているところでした。
カメラを構えて見ていると「1,2,3」と掛け声をかけ(たぶんそう言ったのでしょう)2艘並んで漕いで行きます。非常に元気良く爽やかでした。
このボートの練習は先日もマーライオンパークの前で見ることが出来ました。

ボートの練習風景

さて、川沿いをてくてく歩いて行くと左側にはあの有名なラッフルズ卿の上陸記念碑があります。色はホワイトです。
ラッフルズ卿は1819年に初めてシンガポールに上陸した東インド会社の人でイギリス人です。この記念すべき場所で多くの観光客は写真撮影をしています。ビル群をバックにそびえ立つラッフルズ卿の銅像はなかなか格好いいものです。
しかしこの銅像は本物ではなくコピーなのです!
本物はもう少し裏手の方にひっそりとありますので、気になる人はそちらも見に行った方がいいでしょう。

ラッフルズ卿の上陸記念碑

このあたりまで来ると、もう向かい側はボートキーです。
ボートキーもクラークキーと同じようにオープンテラスのレストランが数多く並びます。バリエーションも世界各国の料理が揃っているので楽しめます。
ここはMRTラッフルズ・プレイス駅に直結しているので便利が良く、夜はかなり賑わいます。
食事のみならMRTでこのボートキーに来るのがいいでしょう。特に夜は対岸の建物がライトアップされており、実に綺麗です。
川沿いなので風も涼しくお勧めです。

対岸に望むボートキー

◆河口付近◆

さてボートキーの前を過ぎると川も狭くなって左側に曲がっていきます。その先に川をまたぐ小さな橋があり、そこを渡ると新しいホテルのフラトンホテルがあります。このホテルはラッフルズ・ホテルと並ぶ高級ホテルでいつも前には高級車が止まっています。一度は泊まってみたいホテルです。

後ろ側から見たフラトンホテ

この先で道路にぶつかります。
ここを右に進むとすぐ橋がかかっており、それを渡ると左側がマーライオンパークです。マーライオンを見ていない人はちょっと立ち寄るといいでしょう。
また道路を渡るとエリザベス・ウオークという川沿いのいい公園があり、マーライオンを正面に眺めることが出来ます。

シンガポール・リバー沿いの散策コースはここで終了です。
しかし同じ道を戻るのもつまらないので、この道路を左に曲がって裏手の道を戻ることにしました。

するとすぐ前に見えるのはビクトリア・メモリアル・ホールです。これは1905年に故ビクトリア女王に捧げられて建造された記念館で中央に時計台があり、各種展示会やコンサートが行なわれます。そしてその前に建っているのは本物のラッフルズ卿の銅像です
このブロンズの像はかなり高い所に建っています。ちなみに川沿いにあったホワイトの上陸記念碑はこの銅像の型をもとに作られた複製品です。このあたりには人はほとんどいないので、この本物の銅像を見る観光客は少ないのでしょう。でもせっかくの本物なのですから、是非見ることをお勧めします。

ラッフルズ卿の銅像

この前を過ぎて歩くとほどなく右側に先ほど国会議事堂より見えた最高裁判所があります。
本日は休日なので入れませんが、平日ならば中に入って見ることが出来ると書いてありました。
一度は見てみたいものです。

更に真っ直ぐ進むと先ほど見えた国会議事堂の前にまた出ました。この国会議事堂、こちらから見ると高層ビル群をバックにして建っており非常に素敵です。あまりにも絵になるので、思わず何枚か写真を撮影してしまいました。

国会議事堂

クラークキーよりスタートしてここまでのんびり歩いて約1時間半。非常にいい散策コースです。

シンガポールに来たらラッフルズ上陸記念碑やボートキーに行くツアーは多いでしょうが、出来れば時間を取ってこのコースをのんびり歩くことをお勧めします。きっといい思い出になると思います。

(2002年1月26日)