[2] シンガポール生活の精算

帰国準備の中でも、シンガポール生活の清算はたくさんやることがあります。1つ1つ丁寧に消しこみながら行なっていきましょう。

引越し
「最初にすぐやること」の項にも記載しましたが、引越し手配はすぐに行なう必要があります。
  • まず引越し会社を選びます。日本人のいる日系企業(ヤマト、日通など)がいいでしょう。各種打ち合わせが楽なことに加え、日本サイドでの受け入れの問題もあるので日系企業がお勧めです。その時に引越しを行なう日と、船便、航空便の搬出日を予約しておきます。
  • まず荷物の状況を見るために下見にきますので、立会いが必要です。また、会社によっては船便、航空便各々の運べる荷物の上限量が決められていますので、これも合わせて確認してもらいます。
  • 事前にダンボール箱を大・中・小各々サイズ別に数個もらっておき、小物を詰め込んでおきます。そうすると引越し当日の作業が早終わります。
  • 引越し当日は、通常、作業員3~4名(ローカル)と日本人の管理者1名(日系の場合)来ます。ダンボールへの荷物の詰め込みは作業員が全てやってくれます。その時に、この箱は航空便、この箱は船便と指定します。注意事項として、ローカルの作業員はたいていマレーシア人かインドネシア人ですが、小物を盗られることもあります。私の場合は空き缶に詰めていたお金(マレーシアリンギット3000円相当)がなくなってしまいました。証拠が残らないのでクレームをつけるのも難しいため、作業員が来る前に貴重品はしっかり管理するようにして下さい
  • こわれものは特に注意して梱包してもらいます。私の場合はパソコンでした。急ぎたいので丁寧に綿などを詰め込んで航空便で送りましたが、通常はパソコンなどはHDDが壊れやすいので船便がお勧めです。
    また、デジカメなどの繊細な機会は手荷物で持って帰りました。
  • 荷物の日本への到着目安は、航空便で1週間、船便で1ヶ月かかります。
    これを目安に航空便か船便かを決めればいいでしょう。
電気、ガス、水道の解約
電気とガス、水道は、 Singapore Power (SP service) に解約依頼します。
解約依頼書 (Termination of Power Supply) に氏名、住所、解約希望日(解約はコンドミニアムのインスペクションの翌日がいいでしょう)などを記載して郵送すればOKですが、調べるとWEB上でも解約出来ると書いてあります。解約依頼書は前述の項目を記載し「解約したい」旨が記載してあれば、フォーマットは自由です。もちろん英語での記入となります。
私の場合は自分でやる時間がなかったので、住宅業者の方にお願いして依頼書のフォーマットをFAXで送ってもらい、それに必要事項を記入して返送し、業者の方から提出してもらいました。
電話の解約
電話の解約も必要ですが、家庭用の固定電話と携帯電話でやり方が違います。
固定電話の解約は、上記電気などと同じように解約依頼書を Singtel に送ります。解約日はやはりインスペクションの翌日がいいでしょう。私はこれも住宅業者の方に手続きを御願いしました。
携帯電話の解約は、自分で契約電話会社に電話して解約します。通常は Singtel だと思いますが、その場合は 1626(フリーダイヤル)に電話して、音声ガイドに従って解約します。
ケーブルテレビの解約
StarHub に電話で解約の申し入れをします。(6873-3333) 
本人確認のために、追って自分の携帯電話に確認の電話がきまので、そこで解約希望日などを伝えます。
機器はレンタルなので、指定する場所に持ち込むように言われますが、忙しい中そんなことはなかなか出来ません。
その場合は引き取りに来るように要求すればきてもらえます。その日程は引越しの日に合わせるのがいいでしょう。しかし来てもらうので、手数料をS$30ほど支払うことになります。
なお、会話は英語ですが、私が電話した時の担当者の英語はとても分かりにくかったため困ってしまいました。しかしダメモトと思って「日本人はいないのか」と聞いたら、日本人はいないが日本語が分かるローカルがいるということが分かり、その方と話して事なきを得ました。
インターネットの解約(パソコンを持っている方)
契約しているプロバイダに解約申し入れをします。
私の場合はNTTIであったので、ここはWEB上から解約手続きが出来、簡単でした。レンタル機器(モデムなど)は指定する場所に郵送します。それともし可能なら、日本での新しいメールアドレスへの自動転送を依頼すればいいのですが、NTTIの場合は出来ませんでした。この場合は解約日以降に自分にきたメールは全てエラーとなり発信者に返送されてしまいます。よって新しいメールアドレスを早めにとり、友人などに事前に連絡しておくのが望ましいです。
(そのためには、日本での新しいプロバイダを早めに決めて事前に契約しておく必要があります)
最終請求書明細の送付先
これまで述べた電気、ガス、電話などの最終請求書(FinalBill)の送付先についても、解約時に聞かれます。
当然ですが日本までは送ってもらえないケースが大半ですので、シンガポール国内での送付先を決める必要があります。私の場合は、会社の総務あてに送るように手配しておき、総務からは日本の新しい勤務先に定期的に郵送してもらうようにしておきました。
クレジットカードの解約
銀行によってやり方が違うでしょうが、私の場合はDBSバンクの「高島屋VISAカード」でした。
この場合は、解約依頼書(termination Letter:様式自由)を作成し、はさみで半分に切ったカードと一緒にDBSバンクへ郵送します。記載項目は下記の通りです。
1)解約したい旨の説明文。
2)名前、パスポートNo、Fin-No。
3)クレジットカードNo。
4)最終請求書の送り先。
5)自分のサイン。
DBSバンクの預金残高の日本への送金
DBSオンラインWEB画面より Form のページを開き、そこで Telegraphic Transfer を指定すれば、請求様式がPDFファイルで表示されるので、それを印刷し指定項目を記入して、指定されたDBSの支店へ送付すれば送金されます。
指定項目は、住所、氏名、日本の送金先銀行の住所、支店名、送金金額など。送金手数料はかなり安いものです。
注意事項としては、この段階では残高全部を送金してはいけません。なぜならクレジットカード、電気、ガス、電話などの最終請求を清算するための最低限の残高を残しておく必要がまだあるからです。およそ1~2ヶ月分の残高を残す必要があるでしょう。
関連して、まだ銀行口座は解約してはいけません。最終請求の支払いが完全になくなった後に、日本から解約通知をDBSまで郵送することになります。その時には残高全てが指定する日本の銀行口座に振り込まれます。
自動車任意保険の解約
会社から自動車の貸与を受けている人は、会社に自動車を返却するとともに、任意保険の解約が必要です。
契約している保険会社に電話して、解約通知書様式を送ってもらい、保険証券の原本と一緒に返送します。保険金の残り期間の金額相当分は月割計算されて小切手で返却されますので、銀行に持ち込んで現金に換えます。
グリーンカードの返却
帰国(出国)2週間以内の時期に自分と家族の分のグリーンカードを会社の総務へ返却し、解除手続きをとってもらいます。
その場合は、2週間の Social Visit Pass が発行されます(パスポートにスタンプを押される)ので、2週間以内ならシンガポールに続けて滞在出来ます。
離星届
シンガポールの日本大使館に対しては、離星届を提出しなければなりません。
WEBより規定のフォーマットを印刷し記載の上、郵送します。
日本人会退会届
同様に、日本人会員であった方は家族の分も含めて退会届を提出します。
同時に会員証(カード)と車に貼っていた会員シールも返却します。
郵便物転送依頼
帰国後の郵便物の転送依頼を、郵便局に行って行います。
残念ながら海外への転送はやってくれませんので、シンガポール国内のどこかを指定します。私の場合は会社の総務に転送し、そこから定期的に日本へ送ってもらいました。
この転送手数料は非常に高く驚きます。2ヶ月間転送でS$50くらいは請求されました。
帰国直前のホテルの予約
コンドミニアムを引越しした後は当然家具も何もなくなってしまうので、そこから出国の日まではホテル住まいとなります。
シンガポール最後になるので、ちょっと奮発していいホテルに泊まりたいものです。大抵は2泊くらいでしたら会社がその費用を負担してくれると思います。
コンドミニアムのクリーニング
コンドミニアムを明け渡すに当たっては、クリーニングして返却するのが通例です。
壁や床の清掃・磨きと、カーテンのクリーニングです。これも業者に頼むことが出来ますが、その場合はS$200前後(1万3千円)かかります。私の場合は奥さんがカーテン洗濯含めて自分で実施しました。しかしオーナーさんが次の人に貸すときにまたクリーニングするので、インスペクションの時にクリーニング費用が請求されることがあります。よって事前にこちらがクリーニングしても無駄になる可能性があるので良く確認しておいた方がいいでしょう。
コンドミニアムのインスペクション(明け渡し検査)
引越ししてコンドミニアムを出るときには、コンドミニアムのオーナーさんより検査を受けます。
もちろんその時までには荷物は搬出しておき必要がありますので、引越し日程を決めた段階で、住宅業者の方に連絡してインスペクション日程も決めておきます。一般的には引越しは朝から実施しても午後まで、場合によっては夕方までかかってしまうので、引越しの翌日にインスペクションを行なうようにします。
インスペクションの所要時間は概ね1時間程度で、入居時の契約内容に記載されている貸与家具の状況、コンドミニアムの壁やバスルーム等の設備に不具合がないかどうかをチェックします。ここで床にキズがついているなどの不具合があった場合には、修繕費を請求されるので、小切手で支払うことになります。ただ、その費用は充分チェックして、もし高ければ値引き交渉も人によっては可能です。

これで帰国のための準備作業は完了ですが、平行してこれから述べる、日本での生活立上げ用意を行なう必要があります。まずはコンドミニアムのインスペクションが終われば全ての用意は終わったと考えて大丈夫です。あとは予約してあるホテルへ移り、シンガポール最後の日々を楽しむことになります。

(2005年5月15日)