◆日本帰国のきっかけとスケジュール◆
私は今年2002年12月の誕生日(12月28日)で運転免許の期限が切れます。
海外に在住している人は「やむを得ない事情」ということで期限が切れてから3年以内なら日本帰国後に免許の更新が出来ますが、それまでは切れた状態となり一時帰国時には運転出来ないことになってしまいますので、このたび免許更新の目的で1人で日本に一時帰国することと致しました。
日本帰国はこの旧正月(2月)以来ですので10ヶ月振りになります。また、実家の仙台にはシンガポール赴任前のゴールデン・ウイーク以来1年半も帰っていないので、今回合わせて帰省することとしました。尚、折角の機会なので日本の会社にも顔を出し、仕事もする予定を立てました。
(2024年2月25日追記)
当初は自己都合なので自腹で帰る計画でしたが、日本滞在中に短時間でも仕事することにより「出張」扱いで費用会社負担で帰って良い、と当時の社長が気を使って言ってくれました。太っ腹の社長に今でも感謝ですし、ある意味良き時代だったのかもしれません。
しかし年末の忙しい時期なのでのんびり帰るわけにもいかず、わずか3日間のとんぼ帰りのスケジュールとしましたが、これは結構キツイものがありました。綿密かつ完璧に組んだスケジュールは下記の通りです。
日程 | 活動計画 |
---|---|
12月13日(金) | 昼間は普通にお仕事。夜便で日本へ出発。 |
12月14日(土) | 朝6時半に成田空港到着。そのまま電車と新幹線を乗り継ぎ実家の仙台へ昼頃到着。 父の墓参りの後、母と弟にお昼をご馳走。夕方は久し振りのパチンコをする。 (仙台泊) |
12月15日(日) | 朝の始発の新幹線(6時)で東京へ。そのまま千葉県の幕張へ直行。午前中に運転免許の更新手続き。 午後は家のある懐かしの成田へ向かう。(しかし家は閉めているので入れずホテル宿泊とする) 成田で昔 通ったパチンコ屋へ行く。 (成田泊) |
12月16日(月) | 朝から東京へ行き午前中お仕事。午後には成田にまた向かい、空港へ。 夕方の便で出発。真夜中12時にシンガポール到着。自宅へ戻る。 |
正直言ってかなりキツイですが(その割りにはパチンコタイムはしっかり取っている)これで会社を空けるのは1日ですみますので止むを得ません。このスケジュールで帰国する前提で事前準備を行ないました。
◆運転免許更新と帰国の準備◆
運転免許の更新の手続きについては事前にインターネットで千葉県免許センターを調べました。本当に便利な世の中になったものです。それによると平日以外では土曜日は休みですが日曜日は午前中ならやっており、それに合わせたスケジュールとしたのです。
しかし問題が1件あり、私のように海外在住者は日本に住民票を持っていません。これで更新出来るか不明だったので、この点は千葉県免許センターに国際電話で確認しましたら、更新の日に滞在する場所の「住所証明」を作成し持ち込めばOK、とのことでした。そこで宿泊予約したホテルにメールでお願いし、自分でWORDで作成した住所証明をメールで送付し、記名捺印の上、シンガポールまで郵送してもらい、それを持っていくこととしました。
記載事項は、(1)氏名 (2)本籍 (3)生年月日 (4)日本における一時的な住所(この場合ホテル) の4点です。
その代わり免許証の住所はそのホテルの住所になってしまいますが仕方ありません。
その他準備事項としてはホテルの予約ですが、これもインターネットで簡単に予約出来ますので便利です。
また、実家の仙台に帰る新幹線の切符の手配も、インターネット(JR東日本)で指定席予約が出来ますので、本当に便利な世の中になったものです。新幹線はみどりの窓口で切符を受け取り、その場でクレジット・カードで支払います。往復の航空券は会社でとってもらいました。
次に困ったのは冬服の準備です。
シンガポールでは冬服なんか持っていませんが、日本は冬の真っ最中、しかも今年の冬は特に寒く1週間前には関東で大雪になったくらい寒いようでした。何とか1着のみ長袖の服と薄い毛糸のセーターを見つけましたので、それを引っ掛けて行くこととしました。
これで準備はOKなので、いよいよ12月13日(金)の夜、出発することとなりました。
◆初日(出発~日本到着まで)◆
出発はシンガポールの夜便で夜11時発のJALにしました。
13日の金曜日と縁起の悪い日なので、少しイヤな予感がします。(この予感が後で当たります)
金曜日の夜なのできっとタクシーはつかまらないと考え、昼間のうちにタクシーを予約しておきました。夜9時に自宅を出発です。チャンギ国際空港には9時半に到着しました。だいたいいつもと同じ時間ですが、JALのカウンターを見るといつもよりたくさんの人が並んでいます。いや~な予感をいだきながら自分の順番になりました。
チケットを出して「座席は後部の通路側」と指定しましたら、カウンター嬢が端末をたたいたあと、すまなそうに顔を上げます。そこでの一言は「すみません、通路側は満席です」。「ん?」と思いながら「では窓際は?」と聞くと「これも満席です。すみませんが3人掛けの真ん中の座席しかありません」と言うではないか!
「うわ~! ただでさえ疲れる夜行便で左右に人がいるのか~!」と嘆き、もっと早く来るべきだったと反省しましたが時既に遅しです。仕方ないのであきらめて機内に乗り込みました。
座ってみると真ん中座席は確かに狭いです。しかも夜なので両側の人は寝てしまうのでトイレにもいけませんし身動きも充分取れません。何とか本を読んで時間をつぶし少しうとうとしていたりして、ようやく朝の6時半に成田空港に到着しました。寝不足と疲れで既にしてくたくたです。
成田に到着したらまずは一服です。機内で6時間半も禁煙させられたので速攻で外への出口を探して外に出ました。自動ドアより外に出ると「流石に寒い!!」
気温は3度しかありません。シンガポールは雨季とは言っても32~33度ありますので、これは体にこたえました。あわただしく一服してすぐに電車のホームへ向かいました。
東京まで行くので電車はJRを使います。
成田エクスプレスはさほど速くないくせに料金ばかり高いので使わず、総武快速線のグリーン車を使いました。これは成田エクスプレスの1時間に対して1時間20分と時間は長くかかりますが、この方がゆったり乗れるので私はいつも自宅の成田より東京へ行く時は使っていました。グリーン料金は950円のみです。
◆1日目(いざ仙台へ)◆
懐かしの千葉県の景色を楽しみながら東京駅に着きました。次は東北新幹線で仙台まで直行です。
東北新幹線も久し振りなので、今回は前から乗ってみたかった2階建て新幹線MAX号の2階席グリーン車を予約してあります。こちらはもちろん喫煙席ですが、乗り物の中で堂々とタバコを吸えるのは最高ですね。シンガポールでは考えられないことですが、逆にものすごく不自然な感じがしました。そういう意味では日本は遅れているのかもしれません。
(2024年2月25日追記)
その後ほどなくして、東北新幹線を含むJR東日本は全席禁煙になってしまいました。スモーカーの私に取っては仙台までの2時間程度でも禁煙はつらいものがありました。でも2021年より私自身が禁煙しましたので、今はもう気になりません。
東北新幹線MAX号 2階がグリーン
2階席からの景色を楽しんでいると那須高原のあたりより回りは雪景色になってきます。このあたりで「ああ、日本はやはり冬なんだなあ」としみじみ感じます。途中の郡山、福島も雪で真っ白でしたが、仙台に来ると雪はきれいになくなっていました。やはり仙台は海が近いせいか雪は少ないようです。
仙台に来るのは1年半振りなので非常に懐かしいものがありました。まずは仙台駅の外のデッキに出て写真を1枚パチリ。この景色も昔と変わっていません。でも流石に寒く、薄着の私は1人浮いていました。何と言っても回りは皆コートを着ていましたので。
JR仙台駅
ここから実家まではタクシーで20分です。実家は仙台北部、中山ニュータウンや桜ヶ丘に近い滝道というところにあります。しかし降りるときに驚きました。料金が何と2200円です! タクシーの安いシンガポールではS$10(700円)もかからない距離なので、日本の交通費の高さを改めて感じました。
家に帰り「ただいま!」と入ると、母親と、郡山よりわざわざ来てくれた弟が待っていました。久し振りの再会を味わったあと、早速墓参りに行きました。父の墓は仙台西部の葛が丘という所にあります。ちょっと不躾ですがお墓の前で3人で記念撮影です。
この写真、後で幽霊とか映っているのでは?と思いましたが残念ながら映っていませんでした。
その後昼食に行きます。
行ったのは中山の小高い丘の上にあるホテルの中華レストランです。ここからは仙台の街が一望出来、遠くに太平洋まで望めますのでお気に入りのレストランです。おいしく食べたあと家に戻りしばし休憩。時間はまだ3時。いよいよ久し振りのパチンコへ弟と出陣です。
行ったのは中山の「PRINCE21」という店。この店はあまり出ませんがすいているので、自由に台を選べるのが気に入っています。中をざっと見渡すと流石に8ヶ月のブランクは大きく回りは新台ばかり。適当に座って打ってみます。
しかしなかなか当たりません。「せっかくシンガポールから来たのに1回くらい当たれ~!」と祈ったら、2万円以上も使った頃ようやく大当たりが来ました。「さあ、これから逆転だ~!」と思いましたがその後は増えたり減ったり。。。しばし後にはすっかりなくなってしまいがっかりです。こうしてパチンコ初日の成績は惨敗に終わりました。
ふと弟を見ると実に景気良く出しています。あまりに悔しくて玉を取り上げたくなりましたがそこまでやるのは大人気ないので、素直におめでとう、という感じで家に戻りました。
明日は朝が早いので今夜は早目に11時には寝ることとしました。こうして仙台の一日は過ぎていきました。
◆2日目(千葉で免許更新)◆
新幹線は朝6時発の始発なので、5時40分には弟の車で駅まで送ってもらいました。
冬のこの時間は滅茶苦茶に寒くて往生しました。母も同行してくれたので駅でお別れし電車に乗り込みます。
この新幹線の予約は2階建てではなく普通のグリーン車のつもりでしたが、来たのは初期のグリーン車のみ2階にあるやつ。「ラッキー~」という感じで2階席に乗り込みました。流石に朝一なので乗客は私ともう1人のみです。今回は流石に眠くて景色を楽しむ気分でなかったので、シートを思い切り倒して足はフットレストにだらしなく投げ出し、半分以上寝ながら行きました。
うとうとしている間に東京に到着しましたので、ここから総武線に乗り換えて千葉の幕張まで向かいます。津田沼で快速から各駅停車に乗り換え、幕張本郷駅で降ります。さてここから免許センターまではバスで行くこととしました。停留所で待っていたら来たのは何と、シンガポールと同じ2両編成の長いバスです。日本では以前はこういうのはなかったので驚きです。
すぐ免許センターに到着です。中に入って驚きました。ものすごい人ごみです!
確かに日曜日なので多くの人が集まることは予想出来ましたが、以前はここまで混んでいなかったような。。。最初の適正試験(視力検査)を受けるまで1時間も並んでしまいました。
う~ん、やはり千葉県は人が多すぎる。まあ、かくいう私も千葉県民の1人ですが。
適正試験のあとは写真撮影、講習、と順調に終わり、昼には新しい免許証をもらうことが出来ました。
これで一安心、ということで、早速お昼も食べずに成田に向かいます。
まずホテルに立ち寄り荷物を預けます。
ホテルはインターネットで予約したJR成田駅前(北口)にある「成田Uシティホテル」です。こぎれいなビジネスホテルですが、前述の住所証明をわざわざシンガポールまで郵送してくれた親切なホテルです。
荷物を預けたら早速懐かしのパチンコ屋に歩いて向かいます。場所は国道51号沿い、成田市役所前にある「パールショップともえ成田店」です。駅から歩いて10分の場所にあります。店に到着し、わくわくしながら店内に入ります。
入った瞬間、懐かしい光景が。この店も以前と変わっていませんでしたが、台は知らない新しい台ばかりで、このあたりで自分は既にパチンコ浦島太郎になりつつあることを認識し、非常に寂しい思いをしました。でも落ち込んでばかりはいられません。まずは懐かしの「CR海物語」に座り打ち出します。
これがまた昨日の仙台と同様なかなか当たりません。粘ってみましたがやはり2万円以上入れて当たらずギブアップ。仕方ないので他の台を探して店内をうろうろ。そろそろ両替してきた円が不足気味なので少々あせります。
次に選んだのは新しい台で「CR西部警察」という、ある意味懐かしい台。座って打ち出しますと、何と4回転目で大当たりしてしまった! 気分良く打っているとその後も大当たりがポロポロ来るので順調に持ち球を増やしていきます。
夜になり夜7時頃でしょうか、「あ! いたいた! こんにちは!」という声を掛けられます。
「ん? 誰だろう?」と振り向くと、そこにいたのは何と千葉県の工場時代に同じオフィスにいたパチンコ仲間ではないか。
彼は船橋に住んでいるはずなのになんで成田のこんなパチンコ屋までいるのか、と驚いて聞いた所、たまたま千葉県北部の佐原へ用事があって行く途中に成田を通ったがここに来れば私がいるのでは、とちょっとのぞいてみたとのこと。
そう言えば彼とは週に1回くらいいまだにメール交換しており、その時に今日は成田のこのパチンコ屋で遊んでいる予定、と話してあったものです。それにしても本当に来てくれるとは嬉しいものです。会うのは3年振りくらいでしょうか。彼は隣に座りもくもくと打ち出し、約1時間色々と昔話をしながら一緒に楽しんだ後、また出かけて行きました。
私の方は夜10時頃までにようやく本日の収支を少しプラスまで戻したので、そこでホテルまで帰ることとしました。結局パチンコ収支は昨日と本日で少しマイナスとなってしまいました。
う~ん、残念、次回こそ頑張ります。
◆3日目(東京でお仕事の後、シンガポールへ)◆
いよいよ日本最後の日の月曜日になりました。
本日はまず朝から東京へ出て午前中はお仕事です。やはり懐かしいメンバーと色々と打ち合わせを行い午後にはまた成田に向かい出発です。帰りは久し振りに京成スカイライナーに乗ってみたくなり、上野より乗り込みました。この電車はJRと違い一部喫煙車があるので助かるのです。約1時間で成田空港へ到着です。
本日の出発は夕方5時半の便。シンガポール到着は真夜中12時過ぎなので7時間半のフライトです。気流の関係で帰りは来るときよりも1時間余計に時間がかかることになるので、退屈にならないように乗ってすぐビール1本とミニワイン2本を頼み一気に飲んでうとうとしていたらあっと言う間に着いてしまいました。
到着時間は30分遅れて夜中の12時半過ぎ。逆の意味でシンガポールは3日も離れていたのでチャンギ国際空港が懐かしい感じがしました。
ゲートを出た後はまず外に出て一服ですが、やはりシンガポールは相変わらず暑く、ついさっきまでの日本の寒さをすぐ忘れてしまうくらいの暑さです。こちらは寒さに体が慣れてしまっていたせいか、一服している間にじっとりと汗ばんできました。
タクシーを拾って家に着いたのはもう夜の1時過ぎ。ただいま、と帰ったら久し振りに会う感じの奥さんが起きて待っていてくれました。いろいろとお土産話をした後、明日は会社なので早目に寝ることとしました。
こうしてわずか3日のとんぼ帰りの日本帰国は無事終了しました。
とにかく寒く疲れた日本帰国でしたが実に有意義で楽しい3日間でした。
次回は来年春休みに家族で帰国しようと思います。
(2002年12月21日)