バスとタクシー

シンガポールの公共交通機関の代表はMRTでしょうが、バスとタクシーも市民の生活に密着しています。いずれもMRTと同様、運賃が非常に安いのが特徴です。

◆バス◆

バスは恐らく市民に最も良く利用されているでしょう。国中をそれこそ網の目のように走り回っています。それでこのバス、まずはその種類の多さに驚きます。

普通のバスもあるのですが、まず目に付くのが2階バス。イギリス植民地のなごりを感じさせます。しかもそれらはカラフルにペイントされて見ていても楽しいものがあります。きっと2階の席は眺めがいいんでしょうね。
でも後ろを車で走っていると本当に背が高いので、カーブなどで転倒しないか、と心配になりますが、横転した話は聞いたことがないので大丈夫でしょう。
オーチャードの界隈とか街中に行くと2階バスの軍団が走っており、非常に迫力があります。

カラフルな2階バス

次に驚くのは2両編成バスです。こんなの、日本では空港でしか見れません。それこそ2両つながっているので長さはやたらと長く迫力があります。
カーブを曲がる時はどうするかと言うと、シンガポールは基本的に道が広いのでさほど苦労せず走っています。でもやはり運転技術は練習しているのでしょう。狭いカーブを曲がるときにひやひやしながら見ていても、実に芸術的な運転テクニックで見事に曲がってゆきます。

全体的にバスもカラフルにペイントされているので見ていて飽きることはありません。ペイントはもちろん広告ですが、色々と工夫を凝らして楽しく見せるようにしています。
また思わず乗ってみたくなるようなレトロな雰囲気のバスもたまに走っています。

2両編成バス

こういうレトロなバスもあります

このバス、日本みたいに行き先は表示されていません。その代わり「136」という風に番号がふってあります。これは国内共通のルート番号になっており、乗客は番号により行き先・ルートが分かるような仕組みです。停留所で待っていて望む番号のバスが来たら乗るわけです。
しかしこの番号、無数にありますので、さっぱり訳が分かりません。慣れればいいのでしょうが・・・。番号一覧のガイドブックも売っていますが非常に分厚くて良く分かりませんでした。だから私はどこへ行くのか分からないので、まだバスに乗ったことがありません。

バスに乗るときはMRTと同じカードを裏返して機械に挿入して料金を先払いするようです。そこでレシートを受け取ります。よって誤魔化すことも可能ですが、たまに見回りの人がいてチェックするので、余計な罰金を払いたくないなら真面目に支払った方がいいでしょう。

それから面白いことに、「冷房つき」「冷房なし」の2種類があり外に表示されています。冷房なしは少々安いのですが、この暑い国では乗る気がしません。そのせいか大半は冷房ありのバスになっています。このバスにいつかはチャレンジしてみようかと考えています。

(2003年6月8日追記)
昨年(2002年)秋に初めてこのバスに乗ってみました。シンガポールに来て1年半もたって初めて乗ったのです。あれはチャイナタウン近辺で会社のメンバーとディナーを取った後、タクシーがつかまらず近くにMRTの駅はないし、で仕方なく思い切って乗ってみることとしたものです。(実は遅くなりそう、と奥さんに電話したら、バスに乗ったらどう、と乗り方を教わったのです。奥さんは来てすぐ1人でとことこバスに乗っていました。女性の方が度胸がありますね)。バス停まで行きましたが、バスには行き先が書いてなく番号しかないので最初はさっぱり分かりませんでしたが、よく見ると停留所に行き先別の番号表がありました。それを見て我が家の Tiong Bahru 方面のバスの番号を調べその番号のバスに乗りました。このバス、乗ってみてもなかなか速いスピードで走るので快適、あっと言う間に目的地へ着いてしまいました。以降はオーチャード方面に行くときなど、MRTの代わりにバスを活用しています。目的地への番号を覚え、慣れればなかなか便利です。MRT同様、1回乗って50~70円くらいですから安いものです。

◆タクシー◆

タクシーも多く走っています。
これも日本と同じように流しのタクシーをひろうことが出来ます。もちろんタクシープールもあります。しかし週末の夜などはタクシーをつかまえるのは至難の業です。これは「生活体験記」に詳しく書いていますので、参考にして下さい。要注意です。
流しのタクシーをつかまえる時は日本と違って手を真横に差し出します。

タクシーに乗る時に最も注意する点は、日本のように自動ドアになっていないので、ドアは自分で開け閉めしなければならない、ということです。タクシーが止まってボーっと待っていてもドアは開きません。これが最初はとまどいました。

タクシーはほとんどが日本製の古い車を使用しており、旧型コロナやセドリックを多く見かけます。
でもたまにベンツのタクシーなどもありますし、ロンドンタクシーもあります。空港との行き来には予約式のベンツのリムジンがありますので、ちょっとお高いですが一度は乗ってみたいものです。高いと言っても約40S$(3000円弱)なので日本の半額くらいです。

まずこちらのタクシーを見て驚くのは、屋根に広告看板を乗せている車が多いということです。こういう車が数多く走っているのを見ると、思わず笑ってしまいます。もちろん普通のタクシーもあります。
それから面白いのは、走っているのにホイールが回っていない!車もたまに見かけます。
これも良く見るとホイールキャップのみが回らないようになっており、広告が入っています。どういう構造か考えましたが恐らくホイールキャップにベアリングをかませて車軸に固定しているのでしょう。だから回らないと言っても少しはゆらゆらしています。これは本気で笑ってしまいます。

屋根に広告看板を乗せたタクシー

タクシーの料金は日本の感覚で考えるとタダみたいに安いものです。街中のちょい乗りで5S$(350円)も払えば充分ですし、20km以上離れた空港まで高速道路で走っても15S$(1000円)でお釣りがきます。日本の5分の1位の料金です。

それから最初に苦労するのは行き先を告げる時でしょう。何と言っても相手はバチバチのシングリッシュなのでなかなか言葉が通じません。最初は4~5回話してやっと通じるありさまでした。
言い方は行き先の建物だけでなく、通りの名前を言います。こちらは全ての道路に名前が付いていてそれで場所を判別しているからです。たとえば「Go to TAKASHIMAYA, Orchard Road」という風に言います。しかしマイナーな場所へ行く時は分かってもらえない場合も結構あるので、そういう時は地図をコピーして持って行って見せれば大丈夫です。

このタクシー、本当に安いのでみんなよく利用しています。

(2002年1月27日)