タナメラ カントリー・クラブ ( Tanah Merah C.C ) シンガポール

シンガポール東部、チャンギ国際空港の近くにあるゴルフ場。
島内一の名門コースであり、さすがにコース状態や設備は最高レベルにある。
コースは2つあり、ECP(湾岸沿いの高速道路)をはさんで内陸側には Tampines course、海側には Garden course があり、Tampines はキャディーなしのバギーコースで、Garden はキャディー付の歩きとなる。
難易度はいずれのコースも高い。Tampines はトリッキーなコースで池やハザードが多く悩ませられる。Garden は左OB、右や前方が池のホールが多い。いずれも左右に曲げると次のショットで苦労するので、狙いどころにきちんと置いてゆく技術が求められる。
コースの景色は島内一の美しさであり、特に Garden course はハイビスカスの花が咲き乱れ、芝生の緑とあいまって実に美しいコースである。攻め方の難しさ・面白さとあいまってプレーヤーの満足度は非常に高い。

Tampines course #11(HPより)

コース PAR 距離 コースレート キャディ バギー 難易度
Garden 72 5,777 m 69.61 難しいチャンピオンコース
Tampines 72 6,114 m 68.69 トリッキーで難しい

(距離とコースレートはホワイトティー)

総合評価 ★★★★★ コース状態・設備とも最高。攻め甲斐あり難しいが、エキゾチックな景色も良く満足度は非常に高い。Garden Course の場合、次のショットの狙い所がどこからでも見えるような配置になっておりブラインドだらけで変にトリッキーにしていないのが良く、それでも難しいところが一流コースたるゆえんであり、格調の高さを感じさせる。何度でも来てみたいと思わせる非常にいいゴルフ場であり、Laguna や Sentosa と並んでシンガポールでも最高のコース、お気に入りである。
コース状態 ★★★★★ 芝の状態はふかふかで非常に良く、ターフを取るのが勿体無く感じる。状態の良さは Sentosa / Serapong course と並んで文句なく島内一。芝生のみならず下の地面の土も柔らかいので、軽く打っても綺麗にターフが取れる。ラフはそんなに深く見えないが芝が粘っこく重たいのでなかなかうまく出せない。要注意。
グリーン ★★★★★ グリーンはとても速いが狙い通りに曲がってくれるので打ちやすい。マレーシアの重いグリーンに慣れているととんでもなく転がってしまうので要注意。
設備 ★★★★★ クラブハウスは格調高く居心地がよい。シャワー室も広く快適。風呂はない。テラスレストランはローカル料理中心で、はっきり言ってあまりおいしくなかったが、2003年より日本料理店の「星が岡」が入ってきたので日本料理も食べられ、おいしくなった。別にある中華レストランも良い。
Garden course にはメンバー専用の練習場がありマットだけでなく芝生の上からも打てる為、アイアンの練習には最適。特にアプローチ専用練習場は芝の上からのいい練習になる。

(5点満点で評価)

名物ホール

< Garden course / #2 / PAR 5 / 430 メートル >
軽い左ドッグのロング。左は練習場の金網がありOBゾーンでその前は林。右はやはり林。フェアウエイ幅はそんなに狭くないはずだが、フェアウエイ前方左に1本大きな木が立っておりこれがくせもの。つい避けようと右へ流れてしまうことが多く、セカンドは出すだけになってしまう。木の右端スレスレを狙うのがベストコースであるが、ちょっとでも木に引っかかるとポトリと真下に落ちてしまう。この木にはボールがぶつかった痕が無数にあり、込められた怨念を感じる不気味な木である。

< Garden course / #6 / PAR 4 / 376 メートル >
INDEX1の長いミドル。ドライバーを思い切り飛ばしてもセカンドで結構長い距離が残ってしまうので2オンは至難の業。グリーンの奥からジャンボ機が飛び立つのを見ることが出来る。

< Garden course / #7 / PAR 4 / 320 メートル >
ティーグランドは静かで景色も良く、鳥のさえずりが聞こえたりして非常にいい雰囲気である。しかしそう思うのもつかの間、短いミドルだがグリーンの前に池が横たわっており、それがくせもの。あまり池の近くまで飛ばしてしまうと、そのあたりは左足下がりになっているので、セカンドでミスって池ポチャすることが多い。ティーグランドで前の組を見ていると、池に向かって打った瞬間のけぞる人が多いので、結構池ポチャすることが多いのであろう。あー、悲惨だな、と思っていると、次には自分が同じように池ポチャしてしまうという、悲しい思いをよくする。

< Garden course / #8 / PAR 3 / 149 メートル >
続く池超えの名物ショート。池が左から大きく目の前に回りこんできており、しかも距離が結構長く、なぜかアゲンストの風であることが多く、ショットは勇気を試される。右に大きく池に回りこむ形でフェアウエイがあるが、そこへ刻むことは男子たるもの絶対に出来ず勇気を持って池超えを狙うことになるが、届かず池ポチャになり後悔することも多い。ドロップゾーンも池のすぐわきにあり、池超えで100メートル近く残ってしまうのでこれまた大変。連続池ポチャの可能性もある。
やっとの思いでひいひい言いながらグリーンにたどりついても安心出来ない。このグリーンがまた池に向かって非常に急な傾斜になっており、うまく1オンしても全く安心出来ず、4パットも平気でやらかしてしまう。特に右側に落としたら大変。ピンと全然違う方向を向いて打たないと寄りもしない。途中で下り方向に90度も曲がってしまうのでライン読みもへったくれもない。経験と直感のみが求められる。しかもグリーンエッジは池のすぐそばなので、下りのパットを少しでも強く打ってしまうと、ピンを通り越してグリーンをはずれ、そのまま池ポチャする危険もある。パターで池ポチャなんかしでかしたら、もう目の前が真っ白になってしまい、後半はメロメロになってしまうであろう。私のようなビギナーには「これがショートか」と思うほど疲れまくる恐ろしいホールである。

< Garden course / #12 / PAR 4 / 316 メートル >
ここのグリーンのすぐ奥はチャンギ国際空港の滑走路の端になるので、風向きによってはすぐそこからジャンボジェット機が次々にスタートし離陸してゆくのを見ることが出来る。逆の風向きの時は反対方向から加速してきて、グリーンのすぐ後ろよりグワッと飛び上がってゆく。 本当にすぐ近いので迫力満点だが、離陸の時のパットは轟音で注意がそがれることがある。シンガポールで飛行機をこんなに近くで見れるのはここだけであろう。

< Garden course / #13 / PAR 5 / 485 メートル >
続く#13は左側に滑走路が続きOBゾーンになっている。左に引っ掛けて運悪く滑走路にボールが飛び込んで飛行機に当たると罰金200万円とのウワサがあるので要注意。(高いフェンスがあるのでボールが飛び込むことは滅多にないとは思うが)

< Garden course / #17 / PAR 5 / 478 メートル >
左右を池に囲まれた左ドッグのロング。ティーショットは普通に打ってOKだがセカンド、サードは左右の池に気を使う。特にセカンドは左右に曲げると大抵は池ポチャとなり泣く羽目になる。ドロップして次のショットを強く打ちすぎるとその先が左に曲がっているので、今度は前方の池にはまってしまう。もうこのあたりで嫌気がさすのでアプローチなんかうまくいかず、ダフったりして大叩きのトドメとなる。

< Garden course / #18 / PAR 4 / 361 メートル >
続くミドルはグリーン前に大きな池が横たわる。ドライバーで距離を稼げないとセカンドで池超えでグリーンを狙うかピッチングで池の手前に刻むか選択をせまられる。迷っているとキャディが「池超えを狙え」とさかんにあおってくる。そのまま見栄を張って池超えにチャレンジして、結果は池ポチャの憂き目にあうことも多く、その時のキャディの冷たい視線がつらい。(ちなみにここのキャディは皆シングル級の腕前)
グリーンも池に向かって大きく傾斜しているので難しい。

(2024年2月24日追記)
Garden course は2004年12月より改装に入っていましたので、現在はコース内容が変わっていると思われます。また、Tampines courseも改修されているかもしれませんので、最新コース情報はHPで確認して下さい。


< Tampines course >
このコースのINは、ロング3つ、ショート3つのPAR 36なので、ある意味スコアが稼ぎやすいかも。でも全体的に池が多くボールをたくさん用意しておく必要がある。

< Tampines course / #6 / PAR 5 / 438 メートル >
この#6と続く#7は運河超えの名物ホール。ここは運河までは250mほどなのでパワーヒッターはドライバーは持てない。正面左のバンカー上を狙い運河の手前に止めるのがベスト。セカンドは運河超えとなるが、ここさえクリアすればグリーンまでの距離はさほどなくPARを取りやすいホールであるが、セカンドの落とし所は意外と狭くグリーン前にもバンカーが多くあるので慎重に。

< Tampines course / #7 / PAR 4 / 338 メートル >
続く#7はティーショットで運河超えとなる。ここで力むと運河にポチャンと入ってしない悲しい思いをするハメになる。

< Tampines course / #10 / PAR 5 / 436 メートル >
左ドッグのロングだがいきなり難しい、と言うか、いやらしい。
ティーショットは打ちおろしの池超えだが、右前方は林でOB、左前方にも池。よって左右に曲げたらダメ、チョロしても池ポチャなので結構プレッシャーを感じる。もしINスタートの場合はいきなりこのホールから始まるので、ちょっとつらい。セカンドは左方向にクリーク超えで先のフェアウエイに乗せる必要があるが、そこも狭くしかも右の林のすぐ先には大きな池が隠れている。(見えない)。よってちょっとでもショートすると池にはまっている、という悲しい思いをする。
もしINスタートとなると朝一からこのホールになり実に厳しいので、予約は是非ともOUT(#1)スタートを取る必要がある。しかし混雑時にはゲストが1名でも入るとこの#10スタートに回されてしまうので、その場合は担当者に声を張り上げて#1スタートを強く主張する必要がある。オールメンバーの場合は#1スタートが取れるので問題ない。

< Tampines course / #12 / PAR 4 / 323 メートル >
正面の浮島を通ってグリーンへ向かう90度右ドックのホール。ティーグランドも池の中に浮かんでいる浮島なのでチョロしたら池ポチャ。正面の島は意外と奥行きがないのでドライバーで250メートルも飛ばす人なら突き抜けて向こう側の池へまっしぐらとなる。真っ直ぐ正面に打つとグリーンまで150メートル以上残るので右側を狙いたいが、右に行き過ぎるとこれまた池であり、ちょっと距離が不足すると手前の斜面に落とすハメになる。セカンドもクリーク超えでグリーンを狙うのでチョロしたらまた池。短いミドルであるが意外と大叩きすることもある。

< Tampines course / #13 / PAR 4 / 339 メートル >
このミドルもくせもの。ティーグランドからは軽く左ドックに見え、左にはカート道とバンカー、林が見えるので、正面の木が立ち並んでいる所につい打ってしまう。しかしティーグランドからは見えないが実はその木の向こう側はすぐ池になっているので、うっかりナイスショットなどしてしまうと、結果として池にハマっていたという悲しい思いをする。

< Tampines course / #17 / PAR 3 / 135 メートル >
ちょっとだけ打ちおろしの池超えショート。池は右側から大きく手前に回りこんでおり、左方向も池。グリーン手前にはバンカーが待ち構えている。くせものはティーグランドのやや左方向に立っている1本の木。たいていピンはグリーン左に切られていることが多いので、ついこの木のすぐ右すれすれを狙ってしまうが、ここで木に当たりはね返って池ポチャすることがよくある。うまくここを抜けてまっすぐグリーンに向かっても安心出来ない。実はグリーンのすぐ向こうも池になっており、ちょっと飛びすぎるとナイスショットにかかわらず池ポチャの憂き目に合う。前後左右の距離をキチンと合わせないと大変なホール。


streamの感想

とにかくビギナーには難しい。Tampines course は池やクリークが多く、よく池ポチャしてしまうが、コースを覚えてしまえば狙い所はある程度明確で、トリッキーだが楽しめると思う。 Garden course はチャンピオン・コース。左が延々とOBというホールが多く左に引っ掛けたら即死となる。その割には右にも池が多かったりして苦労する。結局どちらのコースも池が多くよくハマる。
いずれもフェアウエイは狭く、曲げたらただ出すだけとなる箇所が多くティー・ショットは気を使うが、なかなか真っ直ぐに飛ばないのが悲しい。しかし海に近いせいか風も適度に吹いているし眺めは最高にいいので大叩きしても気分転換にはなる。

やはり人気はチャンピオン・コースである Garden course だが、やってみると Tampines course もなかなか面白いものがある。その日の気分で、優雅に過ごすなら Garden、チャレンジングなゴルフを楽しむなら Tampines と使い分ければいいと思う。

Garden course は空港の隣なので飛行機がすぐそばから発着するのは迫力満点。滑走路の隣のホール(#13)もあり、左OBゾーンを越えてボールが飛行機に当たってしまったら「罰金200万円」とのウワサもあるので要注意。
一度味わったら、どんなにハマろうがまた是非とも来たいと思わせる非常にいいゴルフ場である。

(2003年12月25日)

(2024年2月24日追記)
streamは駐在途中より、会社からこのタナメラCCの会員権をいただきました。そのため何度も訪問しましたが、とても素晴らしいコースですので、是非一度は行ってみることを強くお勧めします。
メンバになると練習場では芝生の上から直接打てるので、良い練習になります。同じく会社帰りに立ち寄り、自分でバッグをかつぎ1人で本コースを無料でラウンドすることも出来ますので良い練習になりました。(日が暮れるまで5ホール位回れます) また、日本と違い、メンバになると自動的に家族全員がメンバ扱いになり一緒に無料でラウンド出来るのが良いです。(但しカート代や食事代、キャディーフィーは別途支払い)
このタナメラのメンバ用ネームカードは記念として今でも私のゴルフバッグに付けています。