ポーレシア ゴルフ・クラブ ( Porresia G.C ) マレーシア/ジョホール州

マレーシア/ジョホール州にありシンガポールより一番近い場所にあるゴルフ場。第二コーズウエイを車で渡るともうすぐ。そのせいか、日本人ゴルファーが非常に多く、スターヒルと並んで日本のゴルフ場にいる錯覚をおこす。セールス・マネージャーも日本人で、時々会社に会員権の勧誘に来たりする。
しかしピート・ダイが設計しただけに、コースは超難しい! 恐らくシンガポール近辺で一番難しいのではないだろうか。距離が長い(Old course で6496ヤード)だけでなく、コース全体が非常にトリッキーに作られており、ナイスショットをしたと思ってもボールの方へ行って見ると見えないクリークがあったりし良くハマる。コースを知らないと思い切り打てない。かなり意識的に難しくしているきらいがあり、次のボールの落としどころが見えないのは二流コースにすぎないか、と思わされるが、なぜかその面白さにハマってしまう。

 

コース PAR 距離 コースレート キャディ バギー 難易度
Orchid / Sakura
(通称 old course)
72 6,496 ヤード 71.6 シンガポール・エリア No.1の難しさ
Hibiscus / Bougainvillea
(通称 new course)
72 6,268 ヤード 69.8 難しい

(距離とコースレートはホワイトティー)

総合評価 ★★★★ とにかく難しいコースであるが、何度来ても飽きることなく楽しめる。チャレンジ精神をかきたてるものがあり大叩きしても次回こそ征服してやろうという気になれる。最初は嫌気がさすが慣れてくると本当に面白いコース。やるなら何と言っても old course に限る。new course はあまり面白くない。
コース状態 ★★★★ マレーシアのゴルフ場にしては良い方。芝生はフカフカだが「切れ」が悪く地面が硬いのでアイアンで打ち込むとちょっと痛い。ダウンブローよりもクリーンに払い打つのが良いかも。ラフは深いので入れたら大変。時々非常に深いバンカーもあり要注意。
グリーン ★★★★★ マレーシアでは一番良い。シンガポールのゴルフ場と同様、非常に速く、気持ちよく打てるが、結構アンジュレーションがきついので3パットは平気でしてしまう。
設備 これは×。はっきり言ってお粗末。レストランも安っぽくロッカーに至ってはゲスト用は何とスチール製の小さなお粗末なもの。大き目のバックをしまうのに苦労する。お風呂は小さいのがある。シャワールームもお粗末でボディーシャンプーとヘア用シャンプーも分かれておらず共用なので体を洗っても気持ち良くない。

(5点満点で評価)

名物ホール

< Orchid course / #8 / PAR 3 / 162 ヤード >
池超えのショート。グリーンは浮島状態で前面と左を池に囲まれ、右奥も池。ティーグランドに立つとこの池が視界に大きく飛び込んでくるので、かなりプレッシャーを受ける。上手な人でも良く池ポチャしてしまう。ちょっとでも短いとせっかくONしたと思っても左手前にうまい具合にバンカーがありハマる。池ポチャした時のドロップゾーンはグリーンの向こう側よりちょっと微妙な距離を打たなければならないので、うまく乗せることは結構難しい。私はここでは何度となく池ポチャしている。

< Orchid course / #9 / PAR 4 / 432 ヤード >
長めのミドル。ティーショットは谷越えで右に落とすと大きな傾斜地になり、左前方には大きなバンカーが待ち構えている。そのあとグリーンまでは左側には斜面が続き右側には池が続きその脇には長いバンカーがあるので真っ直ぐ打たないとハマる。

< Sakura course / #2 / PAR 4 / 263 ヤード >
短いなんてことのないミドルのはずだが200ヤード地点に大きなクリークがあるのでドライバーは持てない。意外とこのクリークにセカンドでハマってしまうことが多い。グリーンは手前に大きく傾斜しているので奥に乗せたら大変。非常に速くコロコロと転がってしまうので3パットは平気でしてしまう。仲間ではここで5パットした、という記録もある。

< Sakura course / #3 / PAR 5 / 536 ヤード >
これまたいやらしいロング。ティーショットはドライバーで思い切り飛ばしてOK。しかしその後が難しい。先のフェアウエイは一段大きく下がり、すぐまたもう1段下がっている。その先はクリークがある。よってセカンドでの狙いは2段面のフェアウエイであり、しかも150ヤードくらいに抑えて打たないと先のクリークにハマってしまう。キャディーがいない時に知らずに打つと、ナイスショットのはずがクリークにハマっており泣くハメになる。無事にそこまでたどり着いてもクリークが2本走っているので、それを超えてグリーンまで160ヤードほどを打たねばならず、ちょっとでもトップしたりダフるとクリークにハマる。しかし安全に行くならグリーン右側にはフェアウエイが迂回してあるので、そこを狙うのも手。

< Sakura course / #7 / PAR 4 / 445 ヤード >
大きく左ドッグしてゆくミドル。左引っ掛けはクリークが続くので即死。右にフケたら林が待っている。真っ直ぐ打てばいいのだが、そうすると左方向のグリーンまでが非常に遠くなるので2オンは難しい。しかも左方向グリーンの前にはクリークがあるので、通常はそこまで一度ピッチングで刻むハメになる。よってティーショットの狙い目は左ぎりぎり飛ばすことであるが、先に言ったクリークが続いているのでかなり勇気がいる。ここはボギーで良しとしなければならないミドル。

< Sakura course / #8 / PAR 3 / 183 ヤード >
長いショート。左は土手、右はクリークが続く。なかなか届かないが右に行ったら即死になるので、ならば左を狙った方がまだマシ。一度左に行って土手に跳ね返って見事1オンしたこともある。普通は1オンは難しい。

< Sakura course / #9 / PAR 4 / 388 ヤード >
打ちおろしのティーショットは非常に深い大きな谷を超えなければならないので、かなりプレッシャーがかかる。谷を超えたあとは右に曲がっているので、狙い目は右側だが谷は右方向に伸びているので、自分の飛距離との兼ね合いで落としどころを考える必要がある。しかし真っ直ぐに打っても残りは150ヤード程度なので無理する必要はない。セカンドは結構激しく登ってゆくので1番手大きめのクラブで。グリーンは砲台状になっているが、きちんと狙えば意外と PARは取りやすいと思う。


streamの感想

いやいや、とにかく難しい。私はゴルフを始めてここへ最初に来た時は、なんてひどいコースなんだ、もう二度とこんな所に来るものか、と思い、事実半年以上も行かなかった。しかしそこそこ打てるようになってから行ってみると、これがなかなか面白く、今では好きなコースの1つである。

この難しさは何とも言えず、とにかく良くハマる。「何なんだよ~、これは!」というのが良くある。でもキレてはいけない。キレたらますます深みにハマってしまい大叩きしてしまう。この難しさは賛否両論あり、これが好きという人もいれば、こんなに意識的にトリッキーにするなんて最低だ、と嫌う人もいる。まあこの当たりは個人個人の好みによるものだろう。コースはこのように面白いが難しいゆえ、決して自己ベストスコアなどをここで狙ってはいけない。無理したらとにかく良くハマるので冷静に。

残念なのは設備が良くないこと。
シンガポールのゴルフ場はもちろん、同じマレーシアのスターヒルと比べてもかなりお粗末に感じてしまう。でも無駄にお金がかかっていないせいか、料金は安い。ゲストで行ってもグリーンフィーはS$130(9000円)程度で済むのでかなり安い。そういう意味では安価に楽しめる大衆ゴルフ場であり、それだけにシンガポールの日本人駐在員にも人気がある。

(2003年12月14日)

(2024年2月24日追記)
実は、2004年12月4日に Old courseにてシンガポールでのベストスコアの90を出しました。この難しいコースで90で回れたのなら、他のコースで80台を出すのは容易と思いましたが、現実は甘くなく、結局この90がシンガポールでの3年間のゴルフ歴でのベストスコアとなりました。夢の80台を出したのは日本に帰国してからです。それも1回だけなので、未だに常に80台を目指して頑張っている次第です。