ゴルフとの出会い (2)

結局会社に入ってからも20年近く、40才になるまでゴルフをしなかった。趣味はパチンコと車いじりなのでゴルフに費やすお金も時間も気力・関心もなかったのである。
流石に30才を過ぎると周囲からのゴルフの誘いはずいぶん増えてきた。同僚たちは「いい加減にゴルフを始めろよ」とうるさく言うようになり、奥さんまでも「パチンコばかりしていたら健康に良くないのでゴルフでも始めたらいかがですか」と言い出す始末。

それが変わったのは2001年に突然シンガポールに駐在せよ、となってからである。
シンガポールにはパチンコもなく好きな車も高くて買えない。1年近く単身赴任したがやることがなく、仕方ないので最初のうちはデジカメを買って毎週観光地めぐりをしていたが、狭い国のこと、2ヶ月で全部見てしまった。
次に始めたのはパソコンいじり、初めてデスクトップパソコンを自作し、いじくり回して楽しんでいた。これは今でも続いているが、毎週の週末は結構時間を持て余していた。土曜日は買い物に行ったりパソコンショップをぶらぶら見て歩いたり、たまった掃除・洗濯をしていれば時間がたったが、日曜日はすることがなく一日ごろごろ寝てばかりいる日が続いていた。

会社の回りの人たちからは「ゴルフしようー、ゴルフしようよ」と毎日のように言われていたが、いまだにゴルフを始める気はなく、そのつど断っていた。

そうして1年近くたった2002年3月のことである。会社の一泊研修会が終わる土曜日の昼頃、一緒に行った日本人の人が「見るだけでいいから中古のゴルフクラブを見に行かないか」と誘ってきた。そこで「まあ見るだけなら。。。」ということで一緒に行った。その店でドライバーやアイアンを振り回していると何となく面白そうで、しかも値段は安かった。店のおやじも「もしイヤだったら返品も出来るから思い切って買ってみたらどうか」ということで、ついふらふらっと買ってしまった

要するにすっかりハメられたわけですな。

ちなみに買い揃えたのは、
 ・ドライバー : ブリジストンの「ビーム」 320cc
 ・アイアンセット :ミズノの古いセット
 ・パター、バッグ、シューズなどは新品購入
であった。

買ったからにはボールを打って見たくなるのが人情。早速翌週会社の帰りに会社の人たち数人と練習場に行ってみた。最初に一通りグリップやボールを置く場所、打ち方の基本を聞いて、いざボールを置いて打ってみる。

どうせ止まっているボールなんだから簡単・・・ではなかった!!

いきなりボールの頭をたたいてチョロ、次も同じくトップ。「おかしいな?」と思いながら何発も打つが、その日は結局まともに当てることが出来なかった。こうなると負けん気の強い私はもう我慢出来ない。

その日から毎日会社の帰りに練習場に通い、何とか少しは当たるようになった1ヵ月後には会社の仲間内のコンペに初参加
初めてゴルフ場に着いた時に、車に乗せてくれた先輩が「ここまで来たらもう逃げられないぞ~!」と言い、とっても不安な気持ちになったことを今でもよく覚えている。そのゴルフ場は忘れもしないマレーシアの日本人ご用達の Starhill (スターヒル)
どきどきしながら何とか1ラウンド回り、結果は168も叩いたが、あの広~い芝生の上でボールを飛ばす爽快感が忘れられない
今度こそはもっといいスコアを。。。

こうして私はズッポリとゴルフにハマっていったのである。

(2003年9月27日)