ゴルフセット盗難事件!

私が最初に買ったゴルフセットは全て中古品であったが、始めて数ヶ月たつうちにやはり新品が欲しくなって、ドライバーからアイアン、パターまで揃えた。ドライバーはキャロウエイのカーボンヘッドの「C4 US仕様 11° Rシャフト」、アイアンはやはりキャロウエイの「ビックバーサアイアン2002年モデル」、パターは「オデッセイ ホワイトホット#5」という初心者向けの組み合わせてあった。しかし初めて買った新品の自分専用のセットであるので長く大事に使おうと思っていた。

あれは2003年3のこと、シンガポール島内で初めてのコースへ行った。そこは「オーキッド カントリークラブ」である。
ここは中央北部の貯水池の近くにあり料金も安く大衆的なコースであった。予約の関係で日曜日の午後からのプレーなので、一緒に行った日本人の人と12時に到着。バックを係員に預けて2人で昼食を取った。初めてのコースなのでどんなコースなんだろう、と話をしながら1時間後にスタートと相成った。

Orchid CC(HPより)

スタートに当たりバックドロップエリアへ向かう。
そこには2人分のバックを既にカートに積んであるはずなので探してみるが、、、。
いくら探しても我々のバックを積んだカートがない!

おかしいと思い係員に聞いてみて一緒に探すが確かに見つからない。あれこれ探しているうちにある係員が「既にカートごとスタートホールに持ち込んだはずだ」などとのたまう。「へ~、珍しいサービスだなあ」と思いながらスタートホールへ行ってみたがカートがない。仕方ないのでまたドロップエリアに戻り「やっぱりないよ」と話すと、係員が何人かで色々と話して、次には「3人組の人が間違ってあなた方のバックを積んでいったのかもしれない」などと言ってきた。別の係員は「そのあたりにあるはずだから、もう一度探してくれ」などとのたまう。

この当たりで係員ののらりくらりの対応にぶちキレる。

「何度も探しているんだ!そこまで言うならゴルフ場の中を全部探して来い!」と2人で英語で怒鳴りまくった。

流石にノラクラ係員も驚いたのか1時間ほどかけてコース内全部を探しに行ったが、やはり見つからない。

その間に既にプレーを終わらせて帰るお客さんの様子を見ていたら、車でドロップエリアに乗りつけ車の中からバックを指差して「これこれ」と言って、係員にトランクに積み込ませている。通常しっかりしたゴルフ場なら必ず交換用のタグなどを渡し、本人のものか確認するのだが、この オーキッドCC はまったくのフリー・無確認状態。言われたままに本人のバックかどうか確認もしないで積み込んでいるではないか!

それを見て「もしかしたら他のお客さんが間違って積んで行ってしまったのではないか」と聞いたら係員いわく「その可能性はある。よってレンタルクラブを貸すのでまずはプレーしてきて下さい。もし誰かが間違って積んでいったのならあなた方がプレー終了後にその人の本物のバックが残っているはず。それで誰のか確認出来るので連絡とってあなた方のバックを持ってきてもらいましょう」ということになり、しぶしぶレンタルクラブで1ラウンドのプレーをしてきたのである。

夕方6時近くであろうか。1ラウンドして戻ってきたが、聞いてみると案の定我々のバックは残っていなかった。
このあたりで流石におかしい、と盗難を疑いだす。

そうこうしているうちに1人の係員が「そう言えば1台のカートが左の練習場の方へ出て行ったのを見た」と言い出した。ここはコースに行くには必ず右の方向へ行くのでおかしい、と思って見ていたそうだ。

ここで盗難が確定した!

練習場へカートごと乗って行ったのである。練習場なら誰でも車で入れるので、そこで我々のゴルフバックを車に乗せてドロン、すぐにマレーシアあたりへ持ち込んで売却し換金したのではないだろうか。そこでキャディーマスター曰く「ここでは10年以上も盗難事件がなかったのに、実は2週間前にも盗難事件があったのです」などと言うではないか!もうこちらは怒り心頭である。

「つい2週間前に盗難事件があったばかりで、なんで何も対策をしないのか!!」

しかし時既に遅し。盗まれたバックは返ってこない。
その日は2人でヤケ酒であった。


しかし翌日の月曜日に「そうだ、私はゴルフ保険に入っていたんだ」と思い出し、すぐに保険会社に相談したら「はい、大丈夫です。保険はS$4000(28万円)までおりますよ」と言うではないか!
それで私は会社が終わった後すぐに新品のゴルフセットをS$4000で揃えたのである。

災い転じて福となる。

保険のおかげで以前から欲しかった新製品の新品に見事、全て置き換わったのであった。
ちなみに内容は、
・ドライバー:キャロウエイ グレートビックバーサⅡ+ US仕様 10°Rシャフト(日本仕様のS以上に堅い)
・アイアン :キャロウエイ X-16 カーボン (3I~PW,SW)
・パター  :オデッセイ 2ボールパター
・バック  :キャロウエイ プロモデル

以上で値引き交渉して保険金額のS$4000におさめたのであった。
やはり新製品はいい! 全くのご満悦であった。

会社でもこの話は評判になり「誰か俺のゴルフセットを盗んでくれないかなー」が流行したのである。

しかしその後のゴルフ場「オーキッド」の対応は非常に悪い。補償交渉を行なったら「ゴルフ場内での盗難などには一切責任を負わない」などとのたまうのである!
確かに規約にはそう書いてあるが、だいたいそれは2週間前の盗難事件の時に追加した項目である!
また一流コースなら信用を重んじ、なんだかんだ言ってもゴルフ場がある程度補償するものである。実はその一流コースと言われるあるゴルフ場でも盗難騒ぎがあったらしいが、その時はゴルフ場が深く謝罪し全て弁償したそうである。

こちらも保険がおりることは承知だが何とか責任を取らせたいと思い弁護士まで立てて訴えたが、結局例ののらりくらり作戦で1年近くたった今でも未解決となっている。

はっきり言って、このような管理状態の悪いゴルフ場には行くべきではない。

とても伝統あるシンガポールのゴルフ場とは思えない。怒り心頭である。
私はこの「オーキッド」へはもう二度と行くつもりはない。顧客を顧客と思わない態度、バックごとまた盗まれたらたまらないからである。所詮、「オーキッド」は三流・大衆コースであったのだ。そういう所に安いからといって行った我々も悪いのだろうか。

ちなみに一流と言われている「タナメラ」「ラグーナ」「セントーサ」あたりではこういうことは決して起こらない。盗難以降は各ゴルフ場の管理方法を良く見ているが、流石に一流コースは管理がきちんとしており、間違っても他人のバックを渡してしまうことは起こりえない。
マレーシアの「スターヒル」や「ポーレシア」、バタム島の「サウスリンクス」でさえもしっかり管理している。

ゴルフをやるなら、やはり管理のしっかりしたゴルフ場を選ぶべきである。
間違ってもこのような三流コースには行かないようにしよう。
シンガポールで一流と思われ安心出来るのは上記の「タナメラ」、「ラグーナ」、「セントーサ」に加え、「ジュロン」と「ラッフルズ」ぐらいであろうか。
私は以降はシンガポール島内ではこのコース以外には決して行かないようにしている。

私は本当に怒っているのである。

(2004年1月1日)