皆さんはカメラはお好きでしょうか。
好きな方はもちろん,そうでない方も,コンパクトカメラの1台は保有し,旅行や家族のスナップ写真を撮っていることと思います。
現在のコンパクトカメラは非常に出来が良くなっているので,それで充分満足のいく写真が撮れますし,一方,デジタル一眼レフと言うと,大きい,重たい,難しい,値段が高い,というイメージを持つ方が多くいるかもしれません。
確かに一眼レフはコンパクトカメラに比べて大きいので,決してポケットにしまうことは出来ませんが,それを補って余りある素晴らしさを備えているのです。また,最近は以前に比べて小型化,軽量化が進んでいるので,思った以上に小さいことに驚く方もいるでしょう。更には,操作が難しいこともなく,シャッターを押すだけでも充分に綺麗な写真が取れます。
私は初めての一眼レフを20年以上前に買いました。当時はまだデジカメはなく,フィルム式の一眼レフです。
その理由は実に簡単で,当時独身であった私は,恋人の写真(現在の奥さん)を綺麗に撮りたいがために,思い切って一眼レフを購入したものです。
独身寮で同室の男がカメラ好きであった影響も無視出来ません。
カメラはミノルタのX700というモデルで,35mm,50mm,100mmと3本の交換レンズを揃えました。
その当時はデジタルカメラというのはなく,フィルム式のカメラでした。
最初は難しく失敗ばかりでしたが,慣れてくると非常に綺麗にポートレートや風景写真が撮れるので,休日が楽しみになるほどでした。その後は,ミノルタの高級機である
α9000に買い換えました。
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Nikon D200 |
その後,シンガポール駐在の時に初めてのデジカメとして手軽なコンパクトデジカメを買って使用しました(オリンパスC4040ZOOM)が,それでは物足りなくなって,現在ではまたデジタル一眼レフを愛用しています。
最初に購入 (2005年) したのは, Nikon の D70s,600万画素のモデルです。
1年後 (2006年) には,1000万画素でより高級機である Nikon の D200 を購入し現在に至ります。写りの良さには大変満足していますので,皆さんにも是非ともデジタル一眼レフをお勧めしたいと思った次第です。
では,そのデジタル一眼レフの素晴らしさを紹介していきましょう。
写りが抜群に良い
何と言ってもこれに尽きるでしょう。同じ画素数であっても,デジタル一眼レフの写りのよさは,コンパクトカメラの比ではありません。分かりやすく言うと,例えば同じ1000万画素でも,一眼レフの方が鮮やかに綺麗にシャープに写ります。色合いも美しく,暗い所などでも,しっかり写ります。これはコンパクトカメラがら一眼レフに移行して,最初に驚き,感動する部分です。
何が違うかと言うと,フィルムに相当する撮像素子(CCDと言います)が,コンパクトカメラに比べて,
面積で15倍も大きいのです。
(参考)コンパクトカメラCCDサイズ : 4.3mm x 5.7mm (600万画素の代表例)
デジタル一眼レフCCDサイズ: 15.6mm
x 23.7mm (APS-Cという標準的サイズ)
これで得られる情報量の差は圧倒的で,パソコンに写してみてもその違いは明白で,プリントすると更に違いが良く分かります。
更には,一眼レフ専用レンズの性能も高いこともあります。
実物を見たらお分かりかと思いますが,コンパクトカメラの小さいレンズに比べ,一眼レフのレンズは大きいので,それだけ写りが良くて当たり前,という感じです。
下記はデジタル一眼レフで撮影した写真です。
どうですか,美しいと思いませんか?
こういう綺麗な写真は,まさしくデジタル一眼レフの独断場であり,コンパクトカメラではここまで美しく撮ることが出来ません。
千葉県 香取神宮 (2006/11/18) |
Clickで拡大(以下 同じ) |
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カメラ Nikon D200
レンズ Nikon AF-S DX VR Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
絞り優先オート (F7.1, 1/50秒), ISO100, CPLフィルター, 焦点距離
18mm, RAW撮影
Nikon Capture NX にて現像 (彩度補正,D-Lighting, アンシャープマスク) |
現在ではコンパクトカメラでもかなりいい写りをしますが,一度,一眼レフを味わうと,もうトリコになる位,美しく写ります。
作画設定が自由自在
これも一眼レフの大きな楽しみです。
コンパクトカメラでは,設定出来るのはせいぜいズームと露出補正くらいですが,一眼レフは,絞り,シャッター速度,露出など,自由自在に設定出来ます。
そう言うと難しそうで敬遠する方もいるかもしれませんが,そんなことはありません。
最近の一眼レフには初心者でも綺麗に撮れるように,風景モード,ポートレートモード,夜景モードなど,各種の自動撮影モードを備えているので,簡単に綺麗に撮ることが出来ます。
よって初心者の方は簡単モードで撮影,上級者の方は自分で細部を設定しながら撮影,と使い分けることが出来ます。但し,中上級機と言われる一眼レフの場合は,上記のような簡単撮影モードはありません。すべて自分で細部の設定をしながら撮影する前提であるからです。(Nikon
D200にもありません)
しかしその場合も,絞りとシャッタースピードを自動設定するプログラムオートはありますので,あまり心配しなくても大丈夫です。
これにより,例えば次のようなことが出来ます。
・絞りを開く : ピントの合う範囲が狭くなるので,バックをボカした女性のポートレートに最適。
・絞りを絞る: 手前から奥までピントが合うので,風景写真をシャープに撮れる。
・シャッター速度を速くする : 運動会で走っている子供の姿を,はっきり撮れる。
・シャッター速度を遅くする : 滝や川の流れを,滑らかに美しく撮れる。
・完全自動(プログラムオート) : コンパクトカメラと同じ感覚で,スナップを撮れる。しかも美しい。
それだけではありません。
画像処理の専用ソフトを使い,パソコンで写真の補正を行なう自由度がかなり高いことも特徴です。
最初のうちは,一般的なJPEGで撮影する方が多いと思いますが,慣れたら RAW撮影 (カメラのCCD取り込み画像そのままでカメラに保存) し,帰宅後にパソコンで画像処理ソフトを使い,各種の画像処理を行ないながらJPEGに変換する(これを「現像する」といいます)と,驚くほど美しく仕上げることが出来ます。
画像処理前 |
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画像処理後 |
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普通にJPEGで撮影したら,このように写ります。
逆光のため,三重塔が暗くつぶれています。
でももし三重塔に合わせて露出補正をすると,空の青さや緑の部分が,白く飛んでしまうでしょう。
(2006/10/19 千葉県 芝山仁王尊) |
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RAW撮影し,画像処理で暗い部分のみを明るめに補正しました。
また,全体の彩度も若干上げつつ,空の青さを強調しています。 |
カメラとしての性能が非常にいい
一眼レフは全体的に性能が非常に良く,気持ちよく撮影出来ます。
● スイッチONにした時の起動が速い
コンパクトカメラでは,レンズフードがあいてレンズが繰り出してきて,と,スイッチONにしてから結構時間がかかるので,急に何かを撮りたいと思っても折角のシャッターチャンスを逃すことがありますが,一眼レフの場合は,ほとんど瞬時に起動出来ます。この気持ち良さは,是非とも体験してみて下さい。(Nikon D200の場合,スイッチONから,わずか0.15秒で起動出来ます)
● オートフォーカスの合焦が速い
ピントが合う速度も速く,目標に向けてシャッターボタンを半押しすると,一瞬で「ピピッ」とピントが合うので,実に気持ちよくピント合わせをし,シャッターを切れます。
● 暗い所や影の部分もしっかり写る
CCDの性能がいいため,暗い所や影になった部分も,しっかり写っています。そのような場合,コンパクトカメラではノイズが出てザラザラになることも多いのですが,一眼レフはノイズは最小限に抑えられます。
● ファインダーが大きく明るい
これは理屈抜きで気持ちいいです。
一度,一眼レフのファイダーをお店で覗いてみて下さい。その大きさ,明るさに驚くことでしょう。
ピント合わせ,構図決めもしっかり出来ます。
レンズ交換が自在
これも一眼レフの醍醐味です。
最初は標準のズームレンズ1本で充分ですが,慣れてきてお金がたまったら,新しい交換レンズを買う楽しみがあります。遠くを大きく写したり,女性ポートレートに最適な望遠レンズ,花をアップで綺麗に撮影するマクロレンズ,風景に最適な広角レンズなどです。
しかし最近のズームレンズは広角〜望遠までかなりの領域をカバーしているので,それを1本だけ使って,実用上問題はありません。レンズ交換は結構,面倒くさいですしね。
フィルターワークを楽しめる
一眼レフ用レンズには,多彩なフィルターを使用することが出来ます。
通常はレンズ保護用のUVフィルター(紫外線カット)やスカイライト(赤みを若干抑える)を常時着用するのが宜しいですが,時と場合により,各種フィルターを使用する楽しみがあります。
私が良く使うのは,CPLフィルター(円偏光フィルター)です。これは風景写真で良く使われますが,多方面より入る光の一部を遮断することにより反射・テカリを抑え,コントラストを高めてくれます。特に効果的なのは,空を青く写し出すことと,木の葉の色合いを鮮やかにしてくれます。そのため,空を入れた写真,紅葉の写真などでは,ほとんど必須アイテムに近いものがあります。
こうした楽しみも一眼レフならではです。
ファインダーで見た通りに写る
これは意外と知られていない(もちろん一眼レフ使用者は知っていますが)メリットです。
コンパクトカメラはファインダーで見るのと,実際にレンズを通してくる光が分かれます(そのため,二眼となります)ので,見た通りに写らないこともありますが,一眼レフはレンズを通してきた光を,そのままファインダーで見ることが出来る(だから「一眼」レフなのです)ので,見た通りに写ります。ピント,明るさなどをファインダーで確認し調整出来るので,あとで「しまった」と思うことが少ないのです。
全体的に造りがしっかりしている
ボディ剛性が高くガッシリしているので,とても持ちやすく撮影しやすいのが一眼レフです。
また,シャッター,レンズ,ファインダーなど,各部の部品精度もいいので,寿命が長く,安心して使えます。
見た目の高級感もあり,所有する喜びを味わうことが出来ます。
最もいいと思えるのは,シャッターを切った時の快感です。コンパクトカメラは「ピピッ」といって撮れますが,一眼レフはしっかり「カシャン!」とシャッターが切れるので,その手ごたえと音は,なかなかいい感じです。
以上が一眼レフの良さです。
どうでしょうか,欲しくなってきませんか?
但し,このようにいい所ばかりに見える一眼レフにも,コンパクトカメラに比べて弱い面もあります。
・やはり大きく重たい。しかし最近の入門機は,小型・軽量なので,あまり違和感はない。
・値段が高い。入門機でレンズ込みで8〜12万円,中・上級機では20万円オーバーとなる。
・撮影時には背面液晶に像が写らないので,必ずファインダーを覗いての撮影となる。
しかし最近,背面液晶に像が写る一眼レフも登場してきている。
・メ−カー間のレンズ互換性はないので,カメラを異なるメーカーに変えたらレンズも交換必要。
まずはお店に言って,実際に一眼レフに触れてみることをお勧めします。
しっかりしたボディを構えて,大きく明るいファインダーを覗き,シャッターを切った瞬間,あなたは一眼レフのトリコになる可能性が高いと思います。どうかお試し下さい。 |