シンガポールSARS(新型肺炎)制圧宣言 (2003-05-31)
長らくシンガポールを混乱させたSARSですが、本日ようやくWHOの「域内感染地域リスト」よりシンガポールが削除されました。つまりシンガポールはSARSの危険がなくなったということです。これでやっと昔のような平和な日々に戻れると思います。合わせて日本の外務省はシンガポールに対する渡航情報「充分注意して下さい」を解除しました。下記は日本の外務省の発表内容です。
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●●概況・地域情勢:「十分注意して下さい」の解除(シンガポール全土)●●
(1)アジアを中心に感染が拡大している重症急性呼吸器症候群(SARS)は、38度以上の急な発熱、咳、呼吸困難などの重症の呼吸器症状を呈する疾患ですが、これまでのところ、4月16日にWHOがSARSの病原体をコロナウイルスの一種である「SARSウイルス」と発表した以外、ワクチン、その他の予防方法は解明されていません。
(2)5月29日現在、WHO発表によると31の国・地域で延べ8,295名の感染者(可能性例)、750名の死亡者が記録されており、シンガポールについては、そのうち206名の感染者(可能性例)、31名の死亡者が報告されています。
(3)シンガポールでは、2月下旬に香港から帰国した3名のSARSに感染したシンガポール人によりSARSがシンガポール国内に持ち込まれ、感染者に接触した家族、知人、病院関係者等が感染しました。その後、SARSの感染地域を旅行後に、シンガポールに帰国又は入国した別の感染者によっても、SARSがシンガポール国内に持ち込まれました。
(4)シンガポール政府としては、万全の対策をとるべく、感染した疑いのある者を割り出し隔離すると共に、退院した患者についても観察を続け、また、空港での入国時のチェックを厳しく行うなどの措置を実施してきております。
(5)WHOは、シンガポールについて「一次感染以上の感染が見られるが、感染者(可能性例)との接触が認められている人々の間に限られる場合」を意味するレベル中度の域内感染地域に指定していましたが、31日、域内感染によって感染した最後の感染者(可能性例)が適切に隔離された日(5月11日)から20日経過しているとして、SARSの感染が連鎖的に伝播している域内感染地域リストから削除しました。
(6)こうした状況を踏まえ同国について「十分注意して下さい」を解除します。但し、今後も不測の事態が発生する可能性は排除されませんので、渡航・滞在される方は引き続き現地事情に関する情報収集に努め、<安全対策データ>等を参照して下さい。
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これで日本からもシンガポールに問題なく旅行することが出来ます。まだカナダのトロントのように、解除された後にまた感染者が発見される可能性もゼロではありませんが、シンガポール政府の現状の徹底的な対策を見るに、おそらくそういうことはないでしょう。約2ヶ月に渡り問題をばらまいていたSARSもようやく沈静化してほっと一安心です。
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