悲報! 大丸がシンガポールより撤退 (2002-07-04)
シンガポールで日本人にこよなく愛されていた大丸デパートが来年の春にシンガポールより撤退することになりました。
6月28日にこのニュースがネットで流れ大きな波紋を呼び起こしています。
うちの会社でも単身赴任者を中心に大騒ぎになりました。
下記は6月28日付 日本経済新聞のネット記事です。
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大丸、シンガポールの3店舗来春閉鎖
【シンガポール=黒河剛】大丸のシンガポール現地法人、大丸シンガポールは28日、同国での事業から撤退すると発表した。現在展開している3店舗の営業を2003年3月末までに終了する。今回の撤退で大丸は海外事業から完全撤退することになる。大丸シンガポールは撤退について「市場環境が不透明で、競争力を維持するだけの投資が続けられない」と説明している。 大丸は1960年の香港出店を皮切りにタイ、仏などに出店、百貨店の海外事業の草分けだった。98年以降は海外事業を縮小、豪州のメルボルン店も7月末に閉鎖する。 大丸シンガポールは1983年に1号店を出店。現在3カ所で百貨店やスーパーマーケットを営業している。2001年12月期の売上高は前年比2.5%の減収となったものの、純利益は前年の赤字から50万シンガポールドル(約3400万円)の黒字に転換していた。
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現在シンガポールには日系デパートは、大丸の他、高島屋、伊勢丹、西友・PARCOとあります。
品揃えの豊富さ、高級度でみると、高島屋>伊勢丹>大丸>西友・PARCOの順でしょうか。
高島屋と伊勢丹はCITY中心部のオーチャードにあり場所的にはいいのですが、高島屋にはお弁当は売っていないし伊勢丹には紀伊国屋がないので日本の本を買うことが出来ません。
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高島屋 |
伊勢丹オーチャード店 |
つまり駐在員の奥様方や単身赴任をしている駐在員にとって必要なアイテム、すなわち、
@広い地下食料品売り場を保有し日本の食料品もたくさん置いてあること。
A日本の本を販売していること。(シンガポールでは紀伊国屋)
B(単身赴任者に必要な)日本のお弁当やパックのおかずを売っていること。
この生活必需3要素を全て兼ね備えているのは唯一、大丸だけなのです。
高島屋にはBがなく、伊勢丹にはAがありません。
余談ですが私の好きなデカビタ(ドリンク剤)を売っているのも大丸だけだったと思います。
よって私も当初の9ヶ月間は単身赴任していましたが、ほとんど毎日会社の帰りに大丸に立ち寄って、本を買い地下街で買出しを行ない最後にお弁当とおかずを買って家に帰る、という生活パターンでした。このパターンの単身赴任者の駐在員の方も結構たくさんみかけることが出来ます。
大丸の唯一の弱点は、主力のリャンコート店はシンガポール川沿いのクラーク・キーの近くにあって場所的に少々不便なこと。近くにMRTの駅はなくバスのみのアクセスなので、車がないとちょっと行く気になれません。
それと地下街は充実していましたが本来の売り場は品揃えは高島屋や伊勢丹ほど豊富ではなく、あまり混み合っているようには見えませんでしたので、それが撤退の大きな原因となったものと思われます。
確かに大丸が撤退しても高島屋や伊勢丹、西友でたいていのものは揃いますが、やはり気楽に行けて全ての物が揃うという大丸の気軽さは捨てがたく、撤退後は少々不便を強いられそうです。
特にお弁当がなくなることにより単身赴任者は今後は困ることでしょう。
(自炊の比率が上がる??)
また、大丸のすぐ近く、というのがセールスポイントでもあったUEスクエアやアスペンといったコンドミニアムの方々(日本人が多い)も、今後は買い物が不便になると思います。大丸が近く歩いていける、という理由でここを選んだ人も多くいることでしょうから。
当地の日本人ばかりでなくシンガポーリアンもよく利用していた大丸が来年春で撤退することは非常に寂しいものがあります。今のうちにせっせと通おうかと考えています。
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