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4月に入り、いつものように休日にゴルフに行きました。最近はイラク戦争の影響にて安価なマレーシアやインドネシアへは渡航禁止になっていたので、高いのを承知でシンガポール内ばかり回っていました。この時は、島内中北部の貯水池に沿ったO(オー)カントリークラブでした。ここには初めて行きましたが、ラグーナやセントーサに比べると庶民的なコースで安かったです。スタートは午後1時でしたので、同行の日本人の人と2人で車で12時に乗りつけ、バックドロップで2人のゴルフバックをおろし、昼食を取った後1時少し前にその場所に戻ってきました。 さて、通常は2人分のバックをバギーに乗せてくれているはずなので、それを探しますが、なぜか見つかりません。おかしいな、と思い何度もそのあたりを見渡しますがやはりありません。もしかしてまだ積んでいないのか、と思い、バック置き場も見ましたが、やはりありません。どこを見ても我々のゴルフバックがありません! この時はまさかバックごとなくなっているなんて夢にも思っていないので、係員に言って探させますが、当然見つかりません。おかしいな、と思いながら話をしていたら、1人が「あなた方のバックはバギーに乗せてスタートホールへ持ち込んでいると思うよ」などと言い出しました。珍しいサービスだなあ、と言いながらスタートホールへ行ってみますが、やはりどこにもありません。 この段階では、まだゴルフ場の管理が悪くて間違ってどこかへ我々のバックを持ち込んでしまったのだろう、と思い、再度バックドロップエリアに戻り「やっぱりないよ」と話しました。そうしたら別の係員が「そのあたりにあるはずなのでもう一度探してくれ」などと言いますので、こちらも流石にキレて「さっきから何度も探しているんだ! いったいどうなっているんだ! 早く探せよ!」と英語で怒鳴ってしまいました。その剣幕に驚いたのでしょう、彼らは「ちょっと待ってくれ」と言いながらゴルフ場の中を全部探しに行きました。 結局待つこと1時間、彼らが戻ってきましたが我々のバックはありませんでした。 そこで「これはもしかして先に帰ったお客さんが間違えて我々のバックを車に積んで帰ってしまったのでは?」と思い係員にその旨を言いましたら、「確かにその可能性はある。ではまず貸しクラブを無料で貸すのでゴルフしてきて下さい。それで夕方になれば、その間違った人のバックは残っているはずなので、それで誰のか分かるでしょう。そうしたらその人に連絡を取って、あなた方のバックを持ってきてもらいます」との説明でしたので、なんかスッキリしませんが取りあえず貸しクラブを借りて、1ラウンド回ってきました。 夕方プレーを終わらせてまた戻ってきました。見てみると余ったバックは1つもなく、このあたりで流石におかしい! と思い出しました。早速係員を呼び出してどうなっているかを問い詰めます。管理のしっかりしたシンガポール島内でまさか盗難にあうとは思っていませんでしたが、流石にこのあたりで盗難を疑い始めました。 キャディーマスターや数人の係員と話していると、そのうちに1人の係員が「そう言えば1台のカートがゴルフバックを2つ乗せて左に出て行ったなあ」と言い出しました。ここはゴルフコースへ出るには右にしか行かないようになっているので、おかしいと思ったそうです。左にはドライビングレンジ(練習場)があり、そこには誰でも外部より自由に入れます。つまり、悪意を持った人が外から練習場に入ってきて、カートごと練習場へ持ち込みそのまま自分の車にゴルフバックを乗せて逃げた疑いが濃厚になりました。 そうしたらキャディーマスターが「実はここでは過去10年間盗難はなかったが、2週間前にも盗難騒ぎがあったのです。」などと言い出し、この時点でほぼ我々のバックが盗難されたことがほぼ確定してしまいました。 もう2人ともがっかりです。その後は2人でほとんどやけ酒でした。 心配したのは、盗難ですからまず出てくることはないだろう、すなわち新しいゴルフセット一式をまた買う必要があるのです。その場合のお金はどうしようか、と心配しましたが、その日は疲れたので家に帰ってすぐ寝てしまいました。 でも立ち直りが早い私は翌朝に「そうだ、ゴルフ保険に入っていたんだ!」と思い出し、会社よりすぐ保険会社に電話で確認しました。そうしたら、事実より盗難にあったのはほぼ間違いないので、保険は出ます、との答え。保険金額を調べたら、何とちょうど盗まれた金額にほぼ一致するS$4、000(28万円)ではないか!これはラッキー、ということで、早速その日の会社終了後には、新しいゴルフセットを買いに行きました。 買い揃えたのは、やはりキャロウエイです。しかし前と同じのを買うのではなく、以前より欲しかった新製品がほぼ同じ価格で売っていましたのでそれらを揃えることとしました。 行ったのは馴染みの店、PARAGON4階にある「PAN WEST」です。この店は広くて綺麗で、しかも好きなキャロウエイの製品を半分くらい置いているので、お気に入りの店です。店に入ったら馴染みの店員さんが出てきたので「ゴルフセット一式盗まれてしまったよ」と話したら同情してくれましたが、「だから新しいセット一式を買いに来たんだよ」と言った瞬間、突然愛想が良くなりました。本当に現金なものです。
アイアンは「X−16」カーボンシャフト、パターは「オデッセイ・2ボールパター」です。 ただし昨年末に誕生日プレゼントとして奥さんが買ってくれた5番ウッドだけは、それと同じ「スチールヘッド」にしました。一応これは家族に「愛の5番ウッド」と呼ばれていたので、さすがに同じものを買ったわけです。(生活体験記「記念日・12月28日」参照) 前回追加で買った「58°ウエッジ」は使いこなせないので、今回は買いませんでした。 ゴルフバックも新製品のプロスペックの軽いやつ、あとはボールとかティー、グローブなど小物を揃えて、値引き交渉後、約20%以上引いてもらってちょうど保険金額のS$4,000に合わせました。これではからずも無償(保険)で新製品の新品に全部置き換わったわけです。「災い転じて福となる」の典型的な例でしょう。これは会社でも有名になり、周りから羨ましがられました。何人かの人は「自分のバックも誰か盗んでくれないかなあ」などと言っていました。 早速練習に行きましたが、やはり新しいだけあって非常に良かったです。勝手が違うのですぐは慣れませんでしたが、1ヶ月以上たった現在ではだいぶ慣れてきました。 ところで盗まれたゴルフバックは現在でも出てきません。ゴルフ場の管理責任が悪いので補償せよ、との交渉もしていますが、ゴルフ場も簡単には支払ってくれません。気分が悪いので、知り合いのシンガポーリアンの弁護士を通じて交渉を継続している段階です。それがダメなら保険請求をしようと考えています。 それにしても治安のいいと思われるシンガポール国内での盗難、本当にひどい目にあったものです。以来、ゴルフ場ではバックの管理状況がどうかを良く見るようになりました。流石に名門と言われているSICC、ラグーナやセントーサ、タナメラなどは問題ありませんし、マレーシアのスターヒルやポーレシアも大丈夫そうです。日本でもそうでしょうが、あまり開放的なゴルフ場は避けたほうがいいでしょう。 (2003年5月15日) |
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